親権者の決め方,手続

親権者の決め方,手続

1 はじめに

未成年の子どものいる親が離婚する場合,どちらか一方の親が親権者に指定される必要がありますが,どちらの親が親権者になるのかという点が熾烈に争われることもよくあります。

2 協議離婚の場合の進め方

民法819条1項が「父母が協議上の離婚をするときは,その協議で,その一方を親権者と定めなければならない。」と規定しているとおり,協議離婚の場合には,夫婦間での協議(話合い)によって親権者を決定する必要があります。

離婚届には親権者を記載する欄が設けられているので,そこに親権者を記載し,届出をします。未成年の子に対する親権者が決定していない場合には,離婚の届出が受理されません(民法765条1項)。

3 家庭裁判所における調停の場合

協議が整わない場合には,通常は,離婚の調停(夫婦関係調整調停)を家庭裁判所に申し立て,その調停の中で,親権者の指定について話し合うことになります。

もっとも,調停も,家庭裁判所において調停委員の仲介のもとで「協議」を行う場であることから,当事者間で合意がなければ親権者を決めることはできません。

調停が成立しない場合には,家庭裁判所が調停委員の意見を聴き,職権で調停に代わる審判(家事事件手続法284条1項)をして,親権者を指定することも考えられます。

もっとも,調停に代わる審判は異議の申立てによってその効力を失ってしまうことから(家事事件手続法286条5項),結局は,調停不成立と同様の状況となり,終局的な解決を図ることができません。

そのため,当事者間で親権者について合意に至らず,調停が不調に終わる場合には,通常は,あえて審判を行うことは少なく,訴訟へと移行します。

4 裁判の場合

親権者指定の問題が調停によって解決できない場合には,離婚訴訟の中で,解決を図ることになります。

民法819条2項は,「裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める」と規定しているとおり,離婚訴訟では裁判所が職権で親権者を定めることとされています。

そのため,子の監護に関する事項及び財産分与(附帯処分)とは異なり,当事者が申立てをしなくとも,裁判所は,離婚判決の中で親権者の指定をしなければなりません(人事訴訟法32条3項)。

判決ではなく,和解で事件が終了する場合にも,裁判所は和解条項の中で,父母の一方を親権者として指定します。

なお,離婚の際の親権者の指定とは異なり,「親権者の変更」は当事者間の協議だけで行うことはできず,家庭裁判所の判断を経る必要があります。

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