いじめ被害を訴える方法について弁護士が徹底解説します。

最終更新日: 2023年01月18日

いじめ被害を訴える方法について弁護士が徹底解説します。

  • 「いじめをした加害者を許せないので、訴えたい」
  • 「加害者側と交渉をしているが、加害者の対応が不誠実すぎるので、他に訴える手段を知りたい」

いじめ被害を受けたとき、何とかして加害者を訴えたいと思うことは、とても自然なことです。
しかしながら、いじめの加害者を訴えると言っても、それは簡単なことではありません。
どのようにして訴えを起こせばいいのか、何が必要な書類になるのか、法律的な知識が多分に必要となるため、一般の方にとっては非常にハードルの高い問題だと思われます。

そこで、いじめ被害に詳しい弁護士が、いじめ被害を受けた際、加害者を訴える方法について詳しく解説していきます。
時間のない人はここを読むだけでOK!詳細は弁護士が無料相談でお答えします。

  • いじめ被害を訴える相手は、加害者のみならず、その保護者、学校などが考えられる。手持ちの証拠を踏まえて請求相手をよく考える必要がある。
  • いじめ被害を理由に訴えるためには、いじめを裏付けるための動画、メッセージ、録音、証言といった証拠を集める必要がある。
  • いじめ被害を訴える手段は民事訴訟だけではなく、交渉での解決もあれば、刑事告訴という手段もある。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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いじめを訴える相手とは誰か

いじめを訴えるには、まずは相手方が必要です。相手方の候補としては、当然、いじめの加害者が考えられますが、必ずしもこれに限りません。以下、具体的に説明していきます。

  • いじめの加害者を訴える
  • いじめを看過した学校を訴える
  • 警察に訴える

いじめの加害者を訴える

加害者がどこのだれかを把握しているのであれば、判明している加害者本人を相手どり、訴えを行うことになります。加害者が複数いることがわかっているのであれば、その複数人を相手方とすることもありうるでしょう。

とはいえ、いじめ被害の場合、加害者本人が未成年であることが通常です。未成年者は、就学中であれば、せいぜい月数万円程度のアルバイト収入しかないはずですから、高額な損害賠償請求に対応できるはずがありません。仮に、仕事をしていたとしても、未成年者ですと、貯金もほとんど貯まっていないことも多いでしょう。

結局のところ、未成年者である加害者本人を訴えても意味はないので、その法定代理人である親権者を相手方とします。民法上、法定代理人である親権者には、監護している未成年者を監督する義務があるので、未成年者のした不法行為の責任も負担することが原則となっています。

いじめを看過した学校を訴える

いじめ被害について学校に責任が認められる場合もあります。この場合、学校も相手どることがあります。極めて例外的な事案ですが、教員がいじめを先導していたような場合は、当然、学校の違法行為として責任が認められるので、学校を相手とすべきです。

問題は、学校がいじめに関与していないものの、これを看過した場合にその責任を問えるかという点です。

学校において、いじめの事実を認識していながら、適切ないじめ防止措置を怠ったといえるのであれば、学校の責任を認める裁判例も見られます。必ずしも、学校側がいじめに関与する必要はないのです。

ただし、いじめに関与していない学校の責任を認めるためには、越えなければならないハードルも相応に高くなっています。たとえば、いじめ被害を受けた児童生徒が学校に何度も被害を訴えていたことが必要となってきますし、これに対する学校側の対応の問題点を詳細に指摘し、極めて不十分であったことを説得的に論証すべきです。

警察に訴える

いじめは、暴行、傷害、恐喝、器物損壊といった犯罪行為であることも多いです。子どものしたことであると一括りにされてしまうと、どうしてもいじめの実態を見つめにくくなりますが、度を超えたいじめについては、警察が動くこともありえます。

警察が動く場合、いじめ事案は刑事手続として進むことになります。刑事事件では、加害者を逮捕して捜査をすることもある、極めて厳しい手段をとります。

最終的には、刑事罰という制裁を加害者に課すことになりますが、いじめの場合、加害者が少年法の適用対象である「少年」であることが通常です。「少年」である加害者に対する処分としては、保護観察所による保護観察処分、少年院送致などが予定されています。

重大な傷害を受けた事案、多額の金銭を奪われた事案においては、警察に被害届を提出して訴えるという方法も是非検討すべきです。

いじめ被害を訴えるために必要なこと

いじめ被害を訴えるためには、まだまだ検討しなければならないことがあります。それは、証拠の収集、加害者の特定、弁護士の選定です。一つずつ、説明していきます。

  • 証拠の収集
  • 加害者の特定
  • 弁護士の選定

証拠の収集

いじめ加害者を訴えたとしても、相手方がいじめの事実を認めないという対応に出ることがあります。このような場合に、いじめの事実を加害者に認めてもらうためには、これを裏付ける証拠が必要となります。

防犯カメラ、録音、LINE履歴などにいじめの事実が保存されていれば、証拠としては、かなり強いものといえます。

しかし、学校内で行われているいじめについて、必ずしもこのような証拠が残されているとは限りません。その場合、被害者本人の供述や、いじめを目撃した他の児童生徒の証言が重要な証拠となってきます。

ただ、他の児童生徒から証言を得る場合、当該児童生徒が安心して証言に協力できるよう、匿名化するなどそのプライバシーなどに配慮する必要もあります。

加害者の特定

いじめ加害者が誰であるかを特定しなければ、訴えを起こすことはできません。

加害者を特定するためには、氏名はもちろん、自宅住所を把握する必要があります。氏名だけ把握していても、何も連絡手段がないのでは、加害者にアクションを取ることができないからです。

このように、加害者の情報としては、氏名と住所まで把握しておくことが必要なのですが、住所不明でも電話番号さえ把握していれば、電話番号から住所を調査して、加害者に請求することは可能です。

また、SNSを利用したいじめにおいては、加害者が誰なのかすら困難となります。もっとも、インターネットを利用した書き込みは、加害者を特定するための痕跡が残っているのが通常です。

この場合、弁護士に発信者情報開示請求という法的手続を依頼することでインターネット上のいじめをした加害者を特定することが可能です。

なお、学校経由で通知書などを加害者に渡すという方法も思いつくかと思います。しかし、学校が児童生徒同士の交渉に協力したり、仲介することはまずありませんので、学校経由による方法に期待するべきではないでしょう。

弁護士の選定

いじめ被害の事案について、加害者や、学校に対して損害賠償請求をするには、高度な法的知識と訴訟追行能力が必要となります。そのため、いじめ被害の事案について経験豊富な弁護士を選定することが望ましいです。

弁護士の経験値を知るには、実際に弁護士と面談することが重要です。様々な質問をぶつけてみた結果、納得できる回答があり、見通しがクリアになれば、経験豊富な弁護士であるといえます。

また、ホームページを持っている法律事務所の場合、いじめ被害の事案に詳しい弁護士であれば、関連する記事や、実績が記載されていることがあります。その内容からも弁護士の経験を測ることは可能です。

いじめを理由として訴える方法

いじめを訴えるための情報や証拠が集まれば、実際に加害者を訴える手続に進みます。ただ、相手を訴えると言っても、手段は一つではありません。様々な手段が考えられますので、以下、具体的な手続について説明していきます。

  • 交渉
  • 民事訴訟
  • 刑事告訴

交渉

すぐに裁判所に提訴するのではなく、まずは加害者に直接の連絡をとって、裁判所を介さないまま交渉を開始することが通常です。

加害者と連絡を取る手段としては、内容証明郵便による方法で通知書を送付することが一般的です。通知書には、請求金額はもちろん、損害賠償請求義務が発生する法的根拠・事情を具体的に記載する必要があります。

その後、通知書を見た加害者側から、責任を認めるのかどうか、具体的な回答があります。加害者が責任を認めないのであれば、その後の交渉は難しいと思われますので、交渉決裂となり、次の法的手続に進むことになります。

他方、加害者が一定の法的責任を認める対応であった場合、被害者が加害者の提案を了承すれば、交渉によって事件は解決となります。

民事訴訟

交渉決裂となった場合、被害者のとるべき手段としては、民事訴訟が考えられます。
なお、交渉決裂後、加害者の方で特にアクションをとることはありませんので、被害者側で積極的に動かない限り、事案が動くことはないので注意が必要です。

民事訴訟を起こすためには、訴状を裁判所に提出しなければなりません。
訴状には、損害賠償請求の根拠となる具体的事実(請求の原因)を詳細に記載するとともに、当該事実を裏付ける証拠の添付も必要となります。

また、訴訟が始まると、被告となった加害者側より反論書面が提出されます。この反論を退けながら、訴状に記載した、損害賠償請求の根拠となる具体的事実(請求の原因)を証明していくことが民事訴訟における重要な目的なのです。

民事訴訟は手続が複雑なため、訴訟手続に詳しい弁護士でなければ、適切な対応は困難です。民事訴訟に進む場合は、弁護士に依頼することが無難です。

刑事告訴

交渉決裂後、被害者がとりうる法的手続として、警察署に刑事告訴をするという方法もあります。
民事訴訟で説明した訴状に似た書類ですが、「告訴状」という書類を作成して、警察署に提出することになります。告訴状には、加害者の行為が犯罪足り得ることを具体的事実とともに記載し、証拠となる資料も添付する必要があります。

告訴状が正式に受理された後は、警察署での事情聴取を受けます。また、証拠物などの提出を求められれば、これに協力することになります。

他方、捜査対象となった加害者側から示談の申し入れがなされることもあります。必ずしも刑事手続での解決を希望しているのでなければ、加害者側の示談申し入れについて、一度、耳を傾けることも一つの手段です。

まとめ

いじめ被害を理由とした訴えをするためには、入念な準備が必要となります。
また、いじめ事案では、加害者側も争ってくることが多く、請求をかけても一筋縄ではいかないこともあります。
訴訟にまで発展すれば、証拠を出して、裁判官を説得し、加害者の責任を証明することも必要となります。いじめの証拠が残りにくいことを踏まえると、訴訟において加害者の責任を認めさせるのは、経験のある弁護士が対応する必要があります。

いじめ被害を受けた場合、訴えることが可能かどうか、いじめ問題に詳しい弁護士にまずはご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

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