兄弟間で親の介護を行うときにはトラブルがつきもの!?発生しうるトラブルと回避方法を弁護士が解説
2022年03月03日
日本では、子どもや孫、親の兄弟姉妹が親の介護をする「扶養義務」を負います。民法で「一定範囲の親族同士で経済上や心身上の理由などにより自力で生活することが困難な親族がいるときには、その人の支援をしなければならない」と扶養義務が定められているからです。
扶養の内容として挙げられるのは、主に以下の2種類です。
- 身上の面倒をみる扶養
- 経済的な支援をする扶養
原則としては経済的な支援をすればよいとされますが、身上の面倒をみる扶養によることもできます。また扶養義務者は、社会的地位や収入などに応じた生活ができる範囲で、生活に困っている親族を支援すればよいとも考えられています。
ただし、親の介護を兄弟で行うときには様々なトラブルがつきものです。それぞれのトラブルが関わり合ってより大きなトラブルになることも珍しくありません。
そこで今回は、介護に関する多くのトラブルを解決に導いてきた専門弁護士が、親の介護で発生しうる兄弟間のトラブルとその回避方法について解説します。
この記事を監修したのは

- 弁護士南 佳祐
- 大阪弁護士会 所属
- 経歴
- 京都大学法学部 卒業
京都大学法科大学院 卒業
大阪市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所
目次
兄弟間で行う親の介護で発生しうるトラブルを弁護士が解説
ここでは、兄弟間で行う親の介護で発生しうるトラブルを2つ紹介します。
- 兄弟間の負担の不公平感
- 金銭トラブル
それでは、1つずつ解説します。
兄弟間の負担の不公平感
発生しうるトラブルの1つ目は、兄弟間の負担の不公平感です。
親の介護は、兄弟間で準備や心構えがないまま突然始まることが珍しくありません。介護の役割をあいまいにしたまま介護を始めると、後で兄弟間でトラブルに発展するリスクがあります。
また古い風習により長男一家に介護の負担が集中する家庭も少なくありません。その場合は、特に長男の妻に負担が集中しがちです。遠方に住んでおり普段あまり介護に関わっていない兄弟が、手を貸さないのに介護に口を出すこともあります。それらも不公平感の原因となります。
金銭トラブル
発生しうるトラブルの2つ目は、金銭トラブルです。
介護が始まると、医療費や介護用品など、想像以上に様々な出費が発生するものです。介護が長引けば、親の貯金だけでは不足することも想定されます。そのときは、兄弟で金銭を出し合うことが必要ですが、兄弟に金銭支援を要請して断られると不満が発生してしまうのです。
また、親が亡くなった後に金銭トラブルが発生する恐れもあります。遺産の相続を分配するときに、兄弟間でトラブルになることが珍しくないのです。
兄弟間での介護トラブル回避方法を弁護士が解説
ここでは、兄弟間での介護トラブル回避方法を4つ紹介します。
- 兄弟で役割分担を決定
- 親の資産状況を把握して資産を管理
- 介護を見据えて貯金
- サービス利用時の保証人を決定
次から1つずつ解説していきます。
兄弟で役割分担を決定
トラブル回避方法の1つ目は、兄弟で役割分担を決定することです。
まずは、兄弟の中で誰を中心に介護を行うか明確にしましょう。中心になって介護を行う者は、実際に介護をしたり、介護サービスやケアマネージャーとの折衝を行ったりして、介護に責任を持つことになります。
次に、他の兄弟は何ができるか、反対に何ができないか明確にしましょう。それにより、中心になって介護を行う者だけに介護の負担が集中することをなるべく避けます。兄弟の中で会社の介護休暇や介護サポートが使えれば、それらの活用も検討しましょう。
親の資産状況を把握して資産を管理
トラブル回避方法の2つ目は、親の資産状況を把握して資産を管理することです。
親の介護を行うときにまず使うお金は、親のお金です。それについては、親が意思表示できる間に家族全員で話し合いましょう。
通帳や印鑑・権利証などの重要書類などを把握し、親の年金や預貯金といった資産からどのくらい負担できるのかを確認します。足りない場合は、介護プランの見直しや兄弟間で補填する必要が出てきます。
また、介護が始まるときに作った資産管理計画は、定期的に見直しましょう。介護費用の領収書やレシートをきちんと保管し、兄弟間で記録を共有するなど、ルールを事前に決めておきましょう。
介護を見据えて貯金
トラブル回避方法の3つ目は、介護を見据えて貯金することです。
両親の預貯金や年金収入だけで介護費用をまかなうことが困難と判断された場合は、兄弟間で事前に「介護貯金」を積み立てておくとよいでしょう。将来親の介護による金銭トラブルを回避できるよう、早い内から介護貯金を積み立てていきましょう。
サービス利用時の保証人を決定
トラブル回避方法の4つ目は、サービス利用時の保証人を決定することです。
老人ホームや介護サービスを利用するときには、多くの場合保証人が必要です。保証人には、主に以下の役割があります。
- 緊急時に連絡をとる
- 入院するときの手続き
- 月額費用の支払いの連帯保証人
- 利用者が亡なくなったときの引き取り
特定の人に負担が集中しないように、兄弟間でよく話し合うようにしましょう。
兄弟間で親の介護トラブルに対する弁護プランと費用
ここでは、当法律事務所の弁護プランと費用を解説します。
- 法律事務所に依頼するメリット
- 解決までの流れ
- 弁護士費用
それでは、1つずつ解説します。
法律事務所に依頼するメリット
当法律事務所に依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 介護に関する幅広い問題に対応可能
- 迅速な対応が可能
- 賠償実務の経験豊富な弁護士による対応が可能
- 平和的解決を目指す
詳しくは、以下をご覧ください。
解決までの流れ
当法律事務所に依頼してから解決するまでの流れは、以下のとおりです。
- 電話相談
- 来所相談
- 依頼
- 交渉
- 訴訟
- 和解・判決
詳しくは、以下をご覧ください。
弁護士費用
当法律事務所の弁護士費用は、以下のとおりです。
電話相談 | 無料 |
来所相談 | 1万円(税込1万1,000千円)/1時間以内 |
出張相談 | 2万円(税込2万2,000千円)/1時間以内+交通費(遠方の場合は日当も) |
詳しくは、以下をご覧ください。
まとめ
今回は、親の介護で発生しうる兄弟間のトラブルとその回避方法について解説しました。
兄弟間のトラブルを防ぐには、まずは親兄弟全員で本音で話し合うことが必要です。お互いの考えを理解すれば、兄弟それぞれの介護における役割分担が明確になるはずです。
また、親の資産状況も親の意思表示ができるうちに把握しておきましょう。親の資産だけでは介護費用をまかなえないと判断されたときには、それを見据えて兄弟で準備することで、金銭トラブルを防止できます。
それでもトラブルが発生したら、弁護士に相談しましょう。お金をかけても介護トラブルに強い弁護士に相談することで、早く確実に問題解決できる可能性が高まるでしょう。
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この記事を監修したのは

- 弁護士南 佳祐
- 大阪弁護士会 所属
- 経歴
- 京都大学法学部 卒業
京都大学法科大学院 卒業
大阪市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所