高校生が万引きしたときの処分は?専門弁護士が解説
最終更新日: 2023年12月06日
- 高校生の子どもが万引きをしてしまった
- 万引きをしたあとどうなるのか
- 退学や前科はあるのか
毎年万引きでの検挙は20歳未満の被疑者が占めています。ご自身の高校生の子どもが万引き事件の当事者となることもあるかもしれません。その場合に前科は付くのか、高校は退学になるのかという点も不安でしょう。
今回は、万引きをしてしまった高校生への処分について解説します。
高校生が万引きしたときの流れや処分内容
万引きをしたら高校生の場合どうなるのかを以下の順番に解説します。
- 少年法に基づいた手続きが開始される
- 観護措置や少年審判の必要性を検討
- 少年審判になった場合の処分は5種類
1つずつ解説します。
少年法に基づいた手続きが開始される
まず、少年法に基づいた手続きが開始されることについて解説します。 未成年が犯した事件は少年法が適用され、家庭裁判所が審判を下します。この場合、少年法上の保護処分を受けることになるのです。
家庭裁判所は罪を犯した少年が少年鑑別所にいる間に、少年審判の開始の有無を検討します。少年審判が開始されると、少年が受ける処分を決定する流れです。
観護措置や少年審判の必要性を検討
次に、観護措置や少年審判の必要性を検討するということについて解説します。 家庭裁判所の裁判官は、罪を犯した未成年の高校生と面接を行います。
面接後、観察措置が必要と判断された場合は、少年鑑別所への送致か在宅観護となります。逮捕勾留されている場合はほとんどがそのまま少年鑑別所送致となります。
調査官は事件の調査を行い、動機や原因などさまざまなことを明らかにしていきます。
少年審判になった場合の処分は5種類
最後は、少年審判になった場合の処分についてです。 罪を犯した未成年の高校生が少年審判を受ける場合は、以下の5つの処分方法が存在します。 家庭裁判所は5種類の中から処分を決定し、審判を下します。
保護処分 | 家庭裁判所に送致された少年を更生させるために行われる少年法上の処分 |
検察官送致 | 犯罪少年のうち、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査又は審判の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときに行われる決定 |
不処分 | 保護処分に付さない旨の決定 |
都道府県知事または児童相談所長への送致 | 家庭裁判所の決定によって、事件を都道府県知事または児童相談所長に送致する手続 |
試験観察 | 少年を適当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付すこと |
万引きした高校生の退学や前科の処分は?
ここでは、万引きをした高校生は前科がつくのか、退学処分になるのかについて説明します。
万引きは前科がついてしまうのか
1つ目は、万引きは前科がついてしまうのかについてです。 高校生が万引きで逮捕された場合、前科はつきません。なぜなら、成人事件とは異なり少年事件のため裁判所が有罪判決を下すことが無いためです。
万引きをした高校生は5つの処分の中から、どれかの対応を受けることになります。 ただし、例外として「検察官送致」の場合は裁判で有罪が確定すると前科がつきます。検察官送致は、成人と同じ刑事手続きを行います。
高校は退学処分になるのか
2つ目は、高校は退学処分になるのかについてです。 万引きを犯した高校生は、通学している高校の退学処分を回避できる可能性があります。ただし、各学校には規則があるため、学校側と相談や交渉を行う必要があります。
例えば、万引きを行った場合の規則が決まっていると、従わなければいけません。また、長期的に児童用施設や少年院に送致されると、退学になる可能性が高まります。退学を回避する方法を弁護士に相談しても良いでしょう。
万引きをした高校生の弁護依頼と弁護士費用
次に万引きをした高校生の弁護依頼と弁護士費用について説明します。
弁護依頼の流れ
まず、どのような流れで弁護依頼するのかについてです。
弁護依頼する場合、まずは電話やLINEなどで無料相談をします。そして、弁護士が対応すべき案件の場合には来所かビデオ通話での面談をします。
面談後、弁護士に依頼することを決めたときは弁護士と委任契約を交わし、着手金を支払って弁護が開始されます。
弁護士費用はどのくらいか
次に、弁護士費用はどのくらいを考えればよいのかということです。 弁護士費用は、相談料、着手金、成功報酬金に分かれているのが通常です。
相談料は無用の法律事務所が多いです。着手金は30万円から50万円、成功報酬金は20万円から50万円ほどのことが多いでしょう。着手金と成功報酬金を合わせて50万円から100万円ほどをみておく必要があります。
弁護士事務所ごとに弁護士費用は異なるので問合せをして確認しましょう。
万引きをした高校生の力になってくれる弁護士の選び方
万引きをした高校生の力になってくれる弁護士の選び方のポイントは以下の3つです。
- すぐに弁護活動を開始してくれる
- 携帯電話の番号を教えてくれ些細な不安を解決してくれる
- 更生のために諦めずにサポートしてくれる
1つずつ解説します。
すぐに弁護活動を開始してくれる
1つ目は、すぐに弁護活動を開始してくれることです。 契約を結んだ日から弁護活動を始めると、事件を少しでも早く解決することにつながります。弁護を開始するタイミングが早いほど、依頼者側にメリットがあります。
例えば逮捕されている場合、逮捕から72時間は家族といえど本人との接見が禁止されています。しかし弁護士であれば本人と話をすること・警察・検察と連絡をすることが可能です。
早急に対応してくれる弁護士は、すでに多くの窃盗事件を取り扱った実績を持っているからこそ、迅速な動きが必要であることを知っているともいえます。
携帯電話の番号を教えてくれ些細な不安を解決してくれる
2つ目は、携帯電話の番号を教えてくれて些細な不安を解決してくれることです。 依頼者は慣れないことや不安に感じることが多く、サポートしてくれる存在が必要なためです。
例えば、交渉の進捗状況を教えてくれると、今後の対策・予測が立てやすくなります。 依頼時に携帯電話の番号を教えてもらえ、さらにいつでも対応してくれる事務所であれば、案件を安心し、任せることができます。
更生ために諦めずにサポートしてくれる
3つ目は、更生のために諦めずにサポートしてくれることです。 最後まで諦めずにできる限りのことを行ってくれる弁護士なら、依頼者の求める結果に導いてくれるでしょう。
また、学校側との交渉でも、被疑者である本人の反省と更生を熱心かつ丁寧に話をしてくれることで、退学処分を回避できることが期待できます。 未成年の依頼者を最大限サポートしてくれる弁護士がおすすめといえます。
まとめ
今回は、万引きをしてしまったら高校生への処分や事件の流れについて解説しました。
万引きを起こした高校生の退学などの処分を回避するためには、迅速に動いてくれる弁護士を選ぶことが重要です。また、依頼者との連絡を細かく行ってくれることも弁護士を選ぶポイントの1つになります。
高校生の子どもが万引きをした場合は、早急に様々な問題を解決できるようにしましょう。対処方法に困っている人は、信頼できる弁護士に依頼することをおすすめします。