弁護士が解説!住居侵入罪の被害者になったらすべきことは?
最終更新日: 2023年07月12日
住居侵入罪の被害者となったらどのようなことをすべきなのでしょうか? 怖い思いをし、パニックになられる方が大半です。
ここからは、専門の弁護士が被害者となったらすべきことを解説します。
住居侵入罪の被害届の出し方
被害者や目撃者が誰かが自宅に入るのを目撃し、帰宅したら何者かが侵入した形跡があったという場合、直ぐに警察に連絡します。
その後、最寄りの警察署に出向き担当警察官に対して、住居侵入を目撃したときのことなど被害状況について説明をします。
そして、被害届を受理することになったときは、担当警察官の指示にしたがって、被害届のひな形に必要事項を記入する又は担当警察官がパソコンで作成した被害届に署名捺印する方法で被害届を出すことになります。
警察は住居侵入罪の証拠なしなら捜査しない?
現行犯逮捕や家に侵入するのを被害者や目撃者が目撃したというケースや窓ガラスが割れているなど家に何者かが侵入した明らかな痕跡があるケースであれば、警察は被害届を受理して捜査を開始します。
一方、何者かが家に侵入した気配はあるものの、明らかな痕跡がない場合には、警察は勘違いなのではないかと疑って、被害届の受理せず、捜査を開始してくれない可能性があります。
そのような場合、時間の経過につれて証拠の保全が困難になっていきますので、弁護士に相談をして証拠の保全をするとともに、告訴状を警察に提出することを検討しましょう。
住居侵入罪の示談金の相場
住居侵入事件の被害者になった場合、被疑者となった加害者から示談金の提示がなされることがあります。
住居侵入罪は窃盗罪や性犯罪など、何らかの他の犯罪を目的としてなされることが多い犯罪ですから、それらの犯罪も捜査対象となっているときには、それらの犯罪の相場の示談金を提示されるでしょう。
他方、住居侵入事件だけが捜査対象となっているときは、10万円から20万円ほどが相場でしょう。
もっとも、侵入の際にドアやガラスなど被害者の物を壊した場合には、その修理費用によってはそれよりも高額になる可能性もあります。
また、女性の一人暮らしの住居が犯行現場になった場合には、転居費用も示談金として加害者に負担してもらうこともあります。
住居侵入罪の示談書の書き方
示談交渉の結果、被害者と加害者との間で示談条件が決まったら、示談書を作成します。
示談書を作成する目的は、被害者との間で取り決めをした事項について加害者にそれらを守る法的義務を課すことのほか、その示談成立をもってその後はお互いに何らの請求もすることができないことを確定させることにあります。
具体的な示談書の内容は、示談金の支払期日・支払方法や、被害者宅に接近しないという条件など加害者に守らせる事項の他、示談が成立したので被疑者に対する刑事処罰は求めないことの被害者の表明などを盛り込みます。
示談書のイメージを持ちたい方は以下のひな形をご覧ください。
民事で住居侵入事件を訴える(損害賠償請求訴訟)
刑事事件の中で、被疑者から示談の申し入れがなかった場合や示談の申し入れはあったものの示談条件について折り合いがつかず、示談不成立になった場合には、示談金の形で損害賠償を受けることができません。
そのような場合、被害者は加害者を民事で訴えて損害賠償請求をすることができます。
住居侵入事件の損害賠償請求訴訟で損害賠償が認められるのは、慰謝料、加害者によって壊されたものの修理費用などの被害額、弁護士費用などが基本となります。ケースによっては転居費用の損害賠償が認められることもあるでしょう。
なお、弁護士費用は被害者が依頼した弁護士に支払った金額の全額が賠償されるのではなく、裁判所が認めた慰謝料や修理費用などの被害額などの賠償金額の1割だけが賠償の対象となります。
住居侵入罪の慰謝料請求、相場は
住居侵入事件で損害賠償請求訴訟を提起した場合に、裁判所が認めてくれる慰謝料金額の相場はどれくらいでしょうか。
住居侵入をして強制わいせつや強姦(強制性交等)の行為をした場合には、慰謝料は100万円から300万円ほどになることが多くあります。
他方、住居侵入があったというのみであれば、慰謝料相場は10万円から20万円ほどでしょう。
まとめ
以上、住居侵入事件の対応について被害者側の立場からご説明しました。
損害賠償については民事で訴えることも可能ですが、慰謝料はさほど高額にはなりませんので、弁護士に依頼をして民事訴訟を提起すると費用倒れになる可能性が高いです。
そのため、損害賠償については示談によって解決することの方が望ましいといえます。
住居侵入事件の被疑者となり、被害者との示談交渉を考えているときは、刑事事件の経験豊富な弁護士にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にある「LINEで無料相談」のボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。