リフォーム契約を解除するには|春田法律事務所

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リフォーム契約を解除するには

リフォーム契約を解除するには

2019年08月18日

リフォーム工事の請負契約は、契約の締結交渉に始まって、工事完成引渡しまで、一定期間契約関係が継続することになります。
それは、数日ということもあれば、数か月という場合もあります。
このようにして、リフォーム工事の請負契約は、ある程度長期間の契約関係を予定していることから、当初、契約を締結した時点では意気投合していた当事者が、途中、何らかの理由があって、相手方に対する信頼を失い、不信感だけが膨らんでいった結果、遂には契約を解除したいと考えるに至ることも珍しくありません。
最近は、インターネットから簡単にリフォーム業者にアクセスすることができるため、注文者とリフォーム業者は、信頼関係が全くないところから契約が始まります。
しかし、これがリフォームのトラブルを引き起こしやすい原因となっているようです。
特に、シロアリ駆除工事などに代表されるように、リフォーム工事の請負契約は、消費者契約法の観点からも、問題の多い契約類型の一つとなっています。

ただ、契約解除と言っても、具体的にどのようにすればよいのか、支払ったお金はきちんと戻ってくるのか、施工途中の家・部屋はどうなるのか、契約解除を伝えた後の見通しが立たず、不安は尽きないかと思われます。

そこで、今回はリフォーム契約の解除について、ご説明します。

1 リフォームの契約解除の意思表示はどのようにすればよいのか

(1) 契約解除の意思表示は確実に行いましょう

 リフォームの契約においては、いつの時点で契約解除の意思表示をしたのかが重要です。

通常、施工者は、次々と資材を発注したり、職人・作業員を現場に派遣するなどして、工事の費用を積み上げていきます。
しかし、注文者の解除意思が施工業者に伝わっていないがために、解除があったことを知らず、必要のなかった資材を発注するなどして損害が拡大してしまうことは十分考えられることです。
契約解除の意思表示について、「言った」「言っていない」という問題になってしまうと、裁判では原則として「言っていない」と扱われますので、解除通知を怠ったがために莫大な損害賠償義務を負うこともありえます。
そのため、リフォーム契約においては、契約解除の意思表示を何時の時点で行ったのかはもちろん、その証明手段についても当然、重要になってきます。

(2) 契約解除は内容証明郵便で

そして、いつの時点で契約解除の意思表示をしたのかを証明する最も確実な手段が内容証明郵便です。
リフォームの契約を解除したいと考えた場合、まずは、必ず内容証明郵便の方法によって契約解除を行うことが第一歩となります。
なお、内容証明郵便による解除の場合、紙面にどのような内容を盛り込めばよいのか、事案ごとに専門的な判断を要するため、一概に説明することは困難ですが、最低限盛り込んでおく必要がある記載としては、①解除対象となるリフォーム契約を特定する情報(契約日、工事名、工事場所など)、②当該契約を解除する意思表示の2点です。
早急に解除する必要があるものの、弁護士に相談する時間がない場合は、ひとまず上記①と②の事実だけでも施工者に通知しておき、その後、解除通知の内容について弁護士の意見を踏まえて、補充すべき内容があれば後日補充の通知書を送付するという対応も検討すべきでしょう。

(3) リフォーム契約には消費者契約法による保護もあります

リフォーム契約が消費者と事業者との消費者契約に該当する場合には、消費者契約法上、契約の解除に関して消費者を保護する規定があり、事業者の債務不履行または施工の瑕疵を理由とする注文者の解除権を制限する規定などを無効としています(消費者契約法第8条の2)。
また、解除と似た方法として、消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示の取消しという制度もあります。
たとえば、重要な事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれによって誤認した場合、意思表示を取り消すことができます(消費者契約法第4条1項)。
解除も取消しも、リフォーム契約の効力を失わせるという点では効果が共通しており、前述した解除権の行使と同様に内容証明郵便による方法によって通知します。

2 支払った代金は返ってくるのか?

 リフォーム契約を解除した場合、必ず問題となるのが、支払った代金の返金についてです。
というのも、リフォーム工事は、ほとんどの場合、着工前に全部または一部前金の支払いを求められるからです。
リフォーム工事の契約解除をした後、既に支払っているお金がいくら戻ってくるのかという問題は、非常に関心の高い問題でもあります。
また、契約解除をして、逆に施工者から損害賠償請求をされるのではないかという心配も生じてきます。

(1) 全額を返してもらうのは難しい

 法律上の原則としては、リフォーム契約を解除した後、注文者と施工者との間でいわゆる「出来高清算」を行います。
「出来高清算」とは、要するに、施工者が契約解除までにした工事の代金相当額に対する支払いのことです。
契約を解除したとしても、法律上、注文者は、原則として、施工者のした工事に対する対価を支払わなければなりませんので、全額返金を求めるのは難しいという結論になります。

(2) 適正な金額を返金してもらうためには

出来高を算定する根拠としては、大きく分けて「積算方式」と「割合方式」の二つがあります。

この「積算方式」とは、業務に実際に要した経費を積み上げた金額をもって出来高と評価する方式であるのに対し、「割合方式」とは、契約上の業務全体のうち完成部分の業務に占める割合を算出し、業務報酬総額のうちその割合に応じた金額をもって出来高と評価する方式のことを言います。
裁判例では、比較的「割合方式」による算定をする場合が一般的のように思われますが、解除する側にとって妥当な金額となりやすいのが「積算方式」でしょう。

しかしながら、いずれの方式をとるにしても、算定ルールは人それぞれであるため、算定根拠が不明瞭であったり、単価が余りに相場からかけ離れた金額であったりすると、双方に大きな見解の違いが生じやすく、トラブルが生じる原因となります。
実際のところ、出来高清算は、まず施工者が一方的に金額等を提示するため、当然、返金を極力抑える計算をします。
むしろ、返金額が全くないか、それを超えて契約解除に対する損害賠償請求をされるのが通常です。

発注者としては、出来高清算の交渉が必要となった場合、「積算方式」によることを主張した上で、まずは出来高算定の根拠となっている請求書・明細書を提出させた上で、工事項目の一つ一つを検証していき、請求額をできる限り圧縮する作業が必要となります。

ここで注意していただきたいのは、施工者が必ずしも全ての工事内容を把握しているとは限らず、全く施工していない工事項目であっても、施工者がそれに気づかないで施工済み工事として請求を上げる場合が多いということです。
このような事態になるのは、かなり多くの施工者が、自ら工事現場に入らず、全て下請けの業者に工事を全て丸投げして、工事内容を把握していないことに起因します。
そのため、既履行であるとして当然のように計上されている項目ひとつひとつにつき、未施工かどうかの精査を怠らないことが重要となります。

 また、契約解除が施工者の債務不履行による場合には、逆に、発注者から施工者に対して損害賠償できる項目がないか検討し、それを根拠に査定金額をマイナスする交渉をすることも必要です。
特に、施工者の債務不履行が著しく、それによって多大な損害を被った場合、実質的な返金に至ることもありえます。

 さらに当該リフォーム工事が消費者契約に該当する場合、一切返金しない旨規定されている契約書もしばしば見受けられます。
しかし、消費者契約法によれば「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」については、その超過部分の金額について無効となります(消費者契約法第9条1号)。

3 クーリングオフによる契約解除

(1) 訪問販売を受けてしたリフォーム契約は解除できる

 リフォーム工事では、業者が自宅訪問をしてリフォームを勧めて契約するケースが多くみられます。
いわゆる訪問販売です。
このように訪問販売によって、業者の営業トークに乗ってしまい契約をしてしまったけれども、冷静になってやはり契約を解除したいと思った場合、クーリングオフ(特定商取引法第9条)によって契約を解除できる場合があります。
クーリングオフは、訪問販売の業者から、特定商取引法に定められた、「法定の書面を受領してから8日間」であれば、無条件に契約を解除することができます。
この単に契約書や請求書を渡されただけで、この「法定の書面」が渡されていない場合には、8日間を経過していてもクーリングオフが可能です。

 クーリングオフは書面で業者に通知する必要があります。
間違いなく通知したことを証拠として残すために、内容証明郵便で通知するべきです。

(2) クーリングオフの効果

 クーリングオフは、工事終了後でもすることができます。
すると、代金を未だ支払っていない場合には、もはや代金を支払う必要はなくなりますし、既に代金を支払っている場合には、その代金の返金を求めることができます。
他方、業者は、工事をしたからといって、損害賠償や違約金を求めることはできません(特定商取引法第9条3項)。
また、発注者は、業者に対して、現状変更された土地や建物を無償で原状回復するよう求めることもできます(特定商取引法第9条7項)。

最後に

 契約解除をした場合、施工途中の建物や部屋は、そのまま放置されることになります。
工事を完成させるには、当然、引継ぎの業者を探さねばなりません。
しかし、信頼を失った業者に施工を続けさせれば、損害が拡大する結果にしかならないのは明らかです。
既に支払ったお金が戻ってくるのかどうか、不安が残ることを差し置いても、施工業者の仕事に信頼を置けなくなったときは、なるべく早いタイミングで契約解除を決断することが重要です。

そもそも契約解除ができるのか、解除の方法、解除後の処理など、判断に迷ったときは、弁護士にご相談ください。

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