いじめ被害で弁護士が介入するメリットについて専門弁護士が解説!
2022年12月08日
「子どもが学校でいじめ被害に遭っているが、学校が対策を講じてくれない」
「学校は対策を講じてくれたというけれども、いじめが解決した様子が見受けられない」
「学校側に確認を求めても、書面で連絡するように求められてしまってどのように対応すればいいのか分からない」
わが子が学校でいじめの被害に遭い、学校に相談したとしても、対応をしてもらえない、十分な回答を得られないなど、いじめ被害が一向に解消に向かわないということがあるかもしれません。
このような場合、法律の専門家である弁護士を介在させることで、学校に対して更なる対応を求めていくことが考えられます。
そこで、いじめ被害で弁護士が介入した際のメリットについて、詳しく説明していきます。
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- 弁護士がいじめ問題で介入すべき原則的なケースは学校が積極的に対策を講じない場合
- 弁護士が介入した際は法的な専門家として学校側に適切な対応を促していく
- 違法行為にあたるような度を越したいじめに対しては損害賠償請求も検討する必要がある
いじめ被害で弁護士が介入すべき?
いじめ問題について、弁護士が介入できるケース、できないケースがあります。
介入すべきケース
いじめ被害で弁護士が介入すべきケースとしては、以下のような場合があります。
- 学校が積極的に対策を講じない場合
- いじめが法律上の違法行為に該当する場合
学校が積極的に対策を講じない場合
いじめ防止対策推進法は、「いじめ」について、客観的な証拠がある場合に限らず、「対象となった児童等が心身の苦痛を感じている」(同法2条1項)場合も対象としています。
同法に定める「いじめ」があった場合、学校は「学校いじめ対策組織」に当該いじめ事実を報告する義務があり、「学校いじめ対策組織」は当該いじめを防止する措置を講ずることになります。この防止措置には、被害児童とその保護者に対する支援が含まれています。
このように、いじめ防止対策推進法に定めるレールに乗ればいじめに対する防止措置が講じられていくことになりますが、学校側が積極的に対策を講じない場合には、弁護士を介在させて対策を促していく必要があるといえます。
いじめが重大化し、生命身体にまで被害が及ぶといった万が一の事態が生ずる前に、弁護士を介入させるべきケースになります。
いじめが法律上の違法行為に該当する場合
いじめ防止対策推進法は、「いじめ」を広く捉えることで、学校側に早期の対応を促し、いじめ被害が重篤化することを防止することを目的としています。
そのため、同法に定める「いじめ」に該当したとしても、法的な損害賠償請求に結び付くわけではありません。法律上違法と評価されるようないじめでないにもかかわらず、損害賠償目的で弁護士が介入することは、学校生活を送る上でかえってマイナスに作用するリスクが高いことを考える必要があります。
しかしながら、いじめの中には度の越した態様に至るものも存在し、その態様が民法上の不法行為(民法709条)に該当する場合や、傷害や恐喝といった刑事上の犯罪行為に該当する場合もあります。
このような場合には、被害児童やその家族に対する損害も当然大きくなりますので、損害賠償請求の検討も含め弁護士に相談して解決を図るべきといえます。もっとも、このような場合でも、学校との協議を進めて解決を図る方が望ましい事案もありますので、介入の方法については検討が必要になります。
介入が難しいケース
以下のようなケースは、弁護士がいじめ問題に介入することが難しい場合になります。
- 被害児童がいじめを否定している場合
- いじめが既に終了している場合
被害児童がいじめを否定している場合
いじめ防止対策推進法は、いじめにより「心身の苦痛を感じている」場合を対象としています。
そのため、保護者の方を含む第三者がいじめではないかと疑念を抱いている場合でも、生徒児童本人がいじめと認識していないように、いじめを否定している場合には、同法に基づく学校側の報告義務が生じることにならないため、弁護士が介入して対策を講じるように促していくことは難しいことになります。
いじめが既に終了している場合
既にいじめが終了している場合も、いじめをやめさせる活動に結び付きませんので、当時のいじめが法律上の違法行為に該当するなど特段の事情がない限り、弁護士が介入することが難しいケースになります。
いじめ被害で弁護士が介入することのメリット
ここでは、学校側が積極的に対策を講じてくれない場合を例に説明します。
- 窓口が弁護士に移行する
- 解決に向けての要望について弁護士を介して伝えることができる
窓口が弁護士に移行する
お子様がいじめ被害に遭っているとして直接学校にいじめ被害を相談したとしても、必ずしも望むような対応が得られるとは限りません。
学校側においても、相談を受けたものの、人的・時間的問題からいじめ問題に労力を割くことが適わないという問題もありますので、早急な対応が行われないこともあり得ます。
そのような場合、引き続き学校側と直接対応を続けることは、それ自体が被害児童及びそのご家族において大きな心的ストレスとなってきます。弁護士を窓口としておくことは、このようなご家族の心的ストレスを回避することにもつながります。
また、法的な専門家である弁護士が、学校の法的義務としていじめ調査を行うことや、いじめを防止することの重要性を指摘したうえで対策の申入れを行うことで、学校側も本格的な対応に乗り出すことがあります。かかる意味でも、弁護士を窓口として学校側に対応を求めていくメリットがあるといえます。
解決に向けての要望について弁護士を介して伝えることができる
弁護士が介在して、学校側からの対応策などの一応の回答が得られたとしても、不十分な対応策であったり、事実関係の聴取が十分でないなど、更なる対応を求めていかなければならない場合も多くあります。
弁護士が介入していれば、学校側の回答の法的な意味や、回答を踏まえて次に取るべき対応について、法的な専門家としての見地から助言をすることができます。
更には、弁護士を通じて、学校側の対応における不足部分について、いじめ防止対策推進法の趣旨に照らし、学校側が取るべき対応を検討したうえで、これを求めていくことができます。
いじめ被害で弁護士が介入して行ってくれること
実際にいじめ被害に弁護士が介入した場合、以下のような関わり方をすることが想定されます。
- 弁護士を通じて学校に対していじめ調査、再発防止を申入れ
- いじめ被害について法的手続きを行う
弁護士を通じて学校に対していじめ調査、再発防止を申入れ
いじめ防止対策推進法は、児童生徒がいじめを受けていると思われるときは、学校は速やかにいじめの有無の確認を行うための措置を講じる必要があると定められています。
そのため、弁護士を介して行うこととして、第一に、いじめの実態を把握するために学校側にいじめ調査を実施するよう申し入れていくことになります。
いじめ防止対策推進法は、いじめ調査により「いじめ」があったと認められた場合、被害児童やその家族に対して「支援」、加害児童やその保護者に対しては「指導」「助言」を行っていくことで、いじめを解消していくことをその目的としています。
- スクールカウンセラーなどによる継続的なカウンセリング
- 別室の提供や常時教職員の配備
- 緊急避難としての欠席措置
- 家庭訪問の実施
- 教育委員会との連携
- 児童相談所等関係機関との連携
- 学級替えや学校替え
弁護士としては、明らかになったいじめの態様や被害児童の状況を踏まえながら、いずれの支援策が適切なのかを判断し、学校側に促しつつ又は適宜連携しながら、いじめの解消に向けて取り組んでいくことになります。
いじめ被害について法的手続きを行う
いじめ防止対策推進法は、「いじめ」を早期に認知し、これに対して被害者側、加害者側それぞれに「支援」や「指導」を行うことで、いじめの解消を図っていくことを目的としています。
しかしながら、いじめが法的な違法行為に該当する場合であって、これにより被害児童の心身に損害が生じた場合には、その損害の回復を目的とした損害賠償請求という方法も検討していかなければなりません。
もっとも、既に述べたとおり、法的手段を選択することによって被害児童が学校に居辛くなるなど、学校生活上の不利益が生じることも想定しなければならず、慎重な判断が必要になります。
いじめの実情や被害児童の状況を踏まえながら、弁護士と協議して進めることが望ましいといえます。
まとめ
いじめ被害については、いじめ防止対策推進法に基づき、学校側が早期にこれを認知し、重大な問題になる前に解消すべき問題です。
しかしながら、学校側の人的・時間的問題から、いじめ対策を実効的に行えない場合があることも事実です。
お子様がいじめ被害に遭っているにもかかわらず、学校側が十分な対応を実施してくれていないと感じている方、より実効的な対応を学校に求めていきたい方は、どのような対応策があるかについて、一度弁護士にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にある「LINEで無料相談」のボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。