なぜいじめを学校に相談しても対応してくれないのか?解決策を弁護士が解説!
最終更新日: 2023年01月18日
- 「子どもがいじめに遭ったので学校に相談したのに、何も動いてくれない」
- 「学校がいじめについて対応してくれないなら、一体どこに相談すればいいのかわからない」
学校にいじめ被害について相談したものの、取り合ってくれないケースをよく耳にします。
いじめは被害を受けた児童生徒に深い傷跡を残すので、速やかにこれを止めて、再発を防止していくべきです。
いじめ防止対策推進法において、学校にはいじめを防止すべき義務が明記されているにもかかわらず、学校がいじめに対応しないとすれば、非常に由々しき問題です。
そこで、学校がいじめに対応しない場合の解決策について、専門弁護士が詳しく解説します。
時間のない人はここを読むだけでOK!詳細は弁護士が無料相談でお答えします。
- 学校がいじめについて対応しないことには理由があります。まずは学校が動きやすいように働きかけることが必要です。
- いじめの相談窓口は学校以外にも多数あります。学校の対応に困ったときは、一人で悩まずに相談してみましょう。
いじめについて学校が対応しない要因
学校としても、当然、いじめは無くさないといけないという問題意識を持っており、決して、いじめを放置したいわけではありません。しかしながら、実際問題として、学校には、いじめについて対応できない事情があります。
- 学校がいじめとして捉えていない可能性
- いじめによって教員の評価が下がる
- 教員が多忙で対応できない
学校がいじめとして捉えていない可能性
いじめ被害を学校に相談した場合、学校は、まず当該いじめの事実の有無について調査を行います。しかし、被害を受けた児童生徒が明らかに怪我をしたなどの事情がない限り、いじめの事実は確認できなかった、という回答が返ってくることが多いのです。
これは、学校ごとに何らかの基準があるのかもしれませんが、軽微な事案については、児童生徒同士の「じゃれあい」「いじり」などの範疇を出ないものとして、学校がいじめとして捉えていない可能性があります。
また、いじめがあったことが世間に広まることで、学校の評判に悪影響が生じることも懸念しているかもしれません。
しかし、いじめ防止対策推進法によれば、「いじめ」に該当するかどうかは、いじめ被害を受けた児童生徒が精神的苦痛を感じているかどうかによることが明記されています。学校の不明確な基準によって、対応すべき「いじめ」かどうかを判断するべきではありません。
いじめによって教員の評価が下がる
いじめが発生することは、教員の指導力不足と捉えられ、当該教員の評価を下げていることもあるようです。そのため、教員において、いじめの事実を認識したとしても、上司に相談することなく、自分だけでいじめ問題を解決しようとしがちです。
しかしながら、一教員だけでは、目の届く範囲にも自ずと限界があるため、教員の見えないところでいじめが続くことになります。これでは、学校による組織的な対策が打てなくなるだけでなく、当該教員自身がいじめの温床を作り出していることになります。
いじめによって教員の評価が下がるから、いじめが無くならないのでは、余りに本末転倒というべきです。
教員が多忙で対応できない
教員は、日々の授業準備、放課後の部活動、保護者対応などの様々な業務に追われており、非常に多忙です。
いじめ防止対応が必要となった場合、いじめの事実の有無を調査したり、関係する児童生徒またはその保護者との面談によって多くの時間を取られることになります。
いじめ被害について訴えがあっても、なかなか動くことができないという実情があります。
しかしながら、いじめ被害について対応できないというのも、学校の目的に鑑みると本末転倒と言わざるを得ません。
学校がいじめに対応しない場合の相談先
いじめ問題の解決につながる相談先をいくつか紹介します。
- 各相談窓口
- 弁護士
- 警察
各相談窓口
文部科学省や、各都道府県の教育委員会だけでなく、無料の相談窓口は多く存在しています。学校がいじめ被害について対応しない場合、一度、電話して相談するのも手です。
たとえば、教育委員会に相談したところ、教育委員会から学校に連絡が行き、いじめについて対応してくれなかった学校が、対策に乗り出してくれることもあります。
・いじめの相談窓口一覧については、こちらのリンクをご確認ください。
弁護士
上記相談窓口の場合、被害者に寄り添って話を聞いてくれますし、一定の解決方法をアドバイスしてくれます。ただ、いじめ被害を受けた児童生徒の立場からすると、アドバイスだけで、いじめ問題を自力で解決することは難しいです。
その場合、いじめ被害について、弁護士に相談することも有用です。弁護士は、被害者の代理人となって、学校や、加害者と直接交渉を行い、本人の代わりに問題を解決することができます。
もっとも、弁護士に解決を依頼する場合、相応の弁護士費用がかかりますので、予め費用について確認しておくことを推奨します。なお、相談だけであれば無料で対応している法律事務所もありますので、相談予約が取れるようであれば利用するのも手です。
警察
先ほど紹介した相談窓口一覧の中に、実は警察が開設している相談窓口も存在します。
警察は、事件を受理したのであれば、国家権力に裏付けられた捜査権をもって捜査を行います。関係者の取調べ、証拠の捜索・差押えなどのほか、被疑者を逮捕することも可能です。
「いじめ」という名称によってわかりにくくなっていますが、その実態は、暴行、器物損壊、恐喝、迷惑行為といった刑事罰に触れる行為です。悪質ないじめ事案の場合、当然、警察が動くこともあります。
そのため、いじめという加害行為により許しがたい損害を被った場合には、警察に相談することも一案となります。
学校がいじめに対応しない場合の対処法
では、実際にいじめ被害を学校に相談したにもかかわらず、学校が対応しない場合、被害者としてはどのように対処するべきでしょうか。具体的な方策について紹介していきます。
- いじめ防止策について学校と協議
- 加害者と直接話し合いをする
- 外部機関との連携
いじめ防止策について学校と協議
まずは、いじめ防止策について、いじめの被害者側からも、学校に具体的な解決案とともに、丁寧な協議を申し入れることが重要です。
先に述べたとおり、学校は、様々な要因から、いじめ対策に乗り出しにくい実情にあります。
「いじめを何とかしてほしい」
「誰が加害者なのか教えてほしい」
などのように、学校に全てを任せるような話を持ち掛けたとしても、学校としてはどのように動けばよいか判断に困ります。
そこで、いじめの被害者側からも、いじめ防止策について具体的な提案を持ち掛けることで、学校も驚くほど対応しやすくなります。
また、学校にいじめ防止策について協議する際、いじめ問題に詳しい弁護士から協議の申し入れをすることも有効です。学校としても、いじめ被害者の弁護士から連絡が来た以上、対応しないわけにはいかなくなるからです。
加害者と直接話し合いをする
加害者の連絡先がわかっているのであれば、加害者の保護者と連絡をとって、いじめをしないよう話し合いをする方法も有効です。
ただし、加害者側と直接連絡をとることは、被害者にとって非常に大きな負担となりますので、その心理的ハードルを乗り越えなければいけないことが難点です。
これについては、弁護士に加害者との交渉を依頼することも可能なので、どうしてもいじめを止めたいが、加害者と話ができない事情がある場合には、弁護士に相談することをお勧めします。
外部機関との連携
学校がいじめに対応しない場合、外部機関に相談することも検討するべきです。
前に述べたとおり、各都道府県の教育委員会には、いじめの相談窓口を置いています。教育委員会は、管轄する学校を監督していることから、学校がいじめに対応しない場合には、いじめ防止に必要な対応をとることになります。
被害者としては、教育委員会との連携も利用して、いじめ問題を解決する方法も検討するべきです。この場合、教育委員会まで動かすのは大袈裟ではないかと思われるかもしれませんが、教育委員会でも相談窓口を設定しておりますので、ためらわずに相談して問題ありません。
さらに、教育委員会に相談したにもかかわらず、学校が対応しない場合もあります。この場合に、弁護士が教育委員会に働き掛けるなど、間を取り持つことも可能です。
他にも相談窓口はございますので、一度話をしてみて、信頼できると思ったところに連携を依頼してみてください。いじめは一人で解決困難な問題ですから、様々な人の力を借りながら解決するのがよいでしょう。
まとめ
いじめについて学校が対応しない場合の対応策について詳しく見てきました。
いじめについて学校が対応しない理由は様々ありますが、だからと言って、学校がいじめを放置してよいものではありません。
学校において何よりも優先すべきは、児童生徒の健全な学校生活の確保でありますから、時には、強くいじめ対策を働きかけることも必要となります。
学校がいじめについて対応しない場合の相談窓口としては、弁護士をはじめ様々が機関があるので、学校の対応に困った際、一人で悩まずにまずは相談してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にある「LINEで無料相談」のボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。