依頼者が抱えていた課題
前科がある中で危険運転致傷を起こしてひき逃げ
依頼者は30代前半の会社員で、妻と幼い子どもが複数いる家庭の大黒柱でした。危篤の親族のもとへ急ぐあまり、赤信号を無視し、停止車両を避けて対向車線を逆走。時速40キロで交差点に進入し、自転車で横断中の被害者に衝突し、加療3週間の傷害を負わせてしまいました。さらに、被害者が立ち上がったのを見て「大事に至っていない」と判断し、そのまま現場を立ち去ったため、危険運転致傷とひき逃げで起訴されました。
依頼者は任意保険にも未加入で、依頼時点で賠償ができておらず、過去には酒酔い運転で執行猶予判決を受けていました。しかも、その執行猶予期間満了からわずか半年で本件事故を起こしており、実刑の可能性が極めて高い状況でした。
春田法律事務所の対応と結果
示談成立と再犯防止策を提示し執行猶予付き判決に
ドライブレコーダーに危険運転が記録されていたため争わず、反省を示す方針を採用しました。まずは刑事処分を左右する示談に向け、未加入だった任意保険の代わりに賠償原資を確保しつつ、弁護士が粘り強く示談交渉を実施。危険運転に加えひき逃げもあったため被害者の処罰感情は強いものでしたが、幸い傷害が比較的軽度だったこともあり、最終的に示談を成立させることができました。
また、過去に酒酔い運転の前科があることから、再犯防止策が重要と判断。依頼者には「二度と運転しない」ことを誓っていただき、所有する車両をすべて売却して示談金に充当。さらに、奥様には情状証人として車の鍵管理や送迎を徹底する旨を裁判で誓っていただきました。
これらの対応により、検察官は実刑を求刑したものの、裁判所は再犯防止策を評価し、執行猶予付きの判決を得ることができました。
