依頼者が抱えていた課題
介護のために一時的に貸していた自宅兼店舗を、自身が戻るために明け渡してもらう必要があった
依頼者であるAさんは、東京に所在する、1階が店舗、2・3階が住居となっている3階建てのビルを所有し、もともとは自身が居住していました。
しかし、福岡に住む母親の介護が必要となり、やむを得ず転居することになったため、「介護が終わるまで」という条件で、知人のBさんに期限の定めなくビルを賃貸しました。
Bさんは、1階を通販会社の事務所として使用し、2・3階には妻とともに居住していました。
その後、約5年が経過し、Aさんの母親が亡くなったことから、Aさんは東京の自宅へ戻るため、Bさんに対して立ち退きを求めましたが、Bさんはこれに応じませんでした。
春田法律事務所の対応と結果
自己使用の必要性と借主側の事情を整理し、適正な立退料で解決
弁護士はまず、Bさんに対して内容証明郵便により、6か月後の解約を通知しました。
これに対しBさんからは、「会社事務所として使用しているため立ち退きはできない」との連絡があり、その後、Bさん側にも弁護士が就くこととなりました。
事案を精査したところ、Bさんの会社は、Bさん夫妻2人で運営する小規模な通販事業であり、
事務所の移転自体は比較的容易であること
近隣には、安価に借りられる事務所や、同程度の広さ・家賃の賃貸マンションが複数存在していること
から、Bさん側の使用継続の必要性はそれほど高くないと判断されました。
一方で、Aさんは賃貸開始当初から「介護が終わるまでの利用」であることを明確に伝えており、自宅として再び使用する必要性も高い事案でした。
このため、一定の立退料を支払うことで、貸主側の正当事由は十分に補完できるとの見通しを立てることができました。
そこで、Bさん側の弁護士と過去の裁判例を踏まえて交渉を重ね、
事務所および住居の引越費用
新たな物件を借りる際の敷金以外の初期費用
などを考慮し、200万円の立退料を支払う内容で合意。
結果として、訴訟に発展することなく、円満に明け渡しを実現することができました。
