依頼者が抱えていた課題
長年営業してきた店舗の立ち退きを求められ、売上減少が避けられない状況だった
依頼者であるAさんは、有名な繁華街において、10年以上にわたり小さな居酒屋を経営してきました。
立地条件に恵まれていたこともあり、月の売上は約400万円と安定していました。
ところが、店舗建物のオーナーであるBさんから、「自社ビルを新築したい」との理由で店舗の立ち退きを求められることになりました。
Aさんとしては、この場所を離れることになれば、同じ条件の立地で代替店舗を見つけることは困難であり、売上が大きく減少する可能性が高いと強い不安を抱いていました。
もっとも、Aさんは長年の関係を踏まえ、裁判までして強く争う意向はなく、一定の補償が得られるのであれば立ち退きに応じる余地もあると考えており、適正な補償額について当事務所へご相談されました。
春田法律事務所の対応と結果
正当事由の弱さを踏まえた強気の交渉により、希望額での解決を実現
弁護士はまず、Aさんが立ち退いた場合に備え、近隣で同程度の条件を満たす代替物件が存在しないことを確認しました。
そのうえで、立ち退きによって生じる営業上の損失を補填できるだけの立退料が支払われるのであれば、合意による解決を目指す方針としました。
Bさんとの交渉では、当該店舗の立地条件が非常に良好であることから、借家権の評価額が争点となりました。
Aさん側は、借家権価格が3,000万円を下回らないとする不動産鑑定を提出し、営業損害等も踏まえると、最低でも1,000万円の立退料が必要であると主張しました。
これに対し、Bさん側は借家権価格を2,000万円とする査定書を提出し、立退料として600万円を提示するなど、双方の主張には大きな開きがありました。
もっとも、本件では、
代替物件の確保が極めて困難であること
仮に明渡訴訟となった場合でも、Bさん側の正当事由が認められる可能性は低いと見込まれたこと
から、Aさん側としては裁判になっても不利ではない状況でした。
そこで弁護士はその見通しを踏まえ、Bさんが最終的に譲歩する可能性が高いと判断し、強気の交渉を継続しました。
交渉開始から数か月が経過し、交渉が硬直状態となる中で、Bさん側が態度を軟化させ、最終的にAさんの希望額である1,000万円の立退料を提示。
Aさんはこの条件で和解し、納得のいく形で立ち退き問題を解決することができました。
