上司との不倫が内包するリスクと適切な対処法を解説
最終更新日: 2023年10月31日
- 上司との不倫が発覚したときの適切な対処法を知りたい
- 上司との不倫が発覚したら生活にどのような影響が出るのか不安だ
- 不倫が発覚したら上司の配偶者からどれぐらいの慰謝料請求を受けるのだろうか
職場の上司は、仕事の相談にも乗ってくれる頼もしい存在でしょう。しかし、上司と部下の関係から、不倫関係になってしまう可能性もゼロではありません。
上司との不倫が発覚すれば、上司の配偶者から慰謝料請求を受けたり、職場にいられなくなったりする事態も想定されます。
そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、上司と不倫してしまう理由、上司との不倫が発覚した場合の適切な対処法等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 仕事姿が頼もしい、飲み会で密接になった等の理由で、上司と不倫関係になる可能性がある
- 上司との不倫が発覚したら、キャリアを失ったり、慰謝料請求を受けたりするおそれがある
- 上司との不倫が発覚したら、不倫関係を解消する他、弁護士と相談し今後の対応を話しあった方がよい
上司と不倫してしまう理由
人望が厚く社内で強いリーダーシップを発揮する上司に、憧れを抱く方は多いかもしれません。
しかし、良好だった上司と部下の関係から、不倫関係に進展してしまう可能性もあります。
こちらでは、上司と不倫してしまう理由を3つ説明します。
職場で顔を合わせるから
職場の上司とは、ほとんど毎日のように顔を合わせます。上司から見れば、家族よりも部下と接する時間の方が長いかもしれません。
上司と部下が様々なプロジェクトや、仕事を協力して進めていくうちに、親密な関係になる可能性もあります。
仕事姿が頼もしいから
歳が離れていて豊富な知識とキャリアを有する上司を日ごろから頼もしく感じていて、尊敬の感情から愛情に変わるケースが想定されます。
一方、上司の方も自分をよくサポートしてくれる若い部下に、愛情そして性的な興味を抱く場合もあるでしょう。
飲み会で密接になったから
上司と職場で顔を合わせるだけではなく、飲み会で親睦を深める機会があります。お酒が入れば気分は高揚し、普段より会話も弾みます。
上司から仕事上いろいろな経験を聞く他、上司の恋愛観や趣味について聞くうち、部下である自分と共通部分が多いことに気付いて、親密となっていく場合もあるでしょう。
上司との不倫が内包するリスク
上司と不倫関係となり肉体関係が継続している場合、お互い発覚しないように気を付けていても、職場や上司の配偶者にバレてしまう可能性があります。
不倫の発覚で、部下である自分に想定されるリスクは、主に次の3つが考えられます。
同僚にバレる
上司と共に営業先を回った帰り、二人でラブホテルへ入っているところを同じ職場の人に見られた場合、不倫の噂がいっきに広がる可能性があります。
また、同僚の中で上司の浮気相手である自分が、いろいろ重要な仕事を任されるといった状況であれば、「上司と肉体関係があるからだ」と、反感を買うケースもあるでしょう。
キャリアへの影響
上司との浮気が発覚したとしても、いきなり職場をクビになるリスクはまずありません。
ただし、次のような処分を受ける可能性があります。
- 上司と引き離され、別の支店に異動となる
- 不倫をした責任を取らされ、現在の担当から外されたり、減俸処分を受けたりする
仕事を誠実にこなし、実績を積み重ねていったとしても、上司との肉体関係が発覚し、これまでの努力が水の泡になる事態もあるでしょう。
何より、職場の人たちの冷ややかな目線に耐え切れず、仕事を辞める状況に追い込まれてしまうケースが考えられます。
慰謝料請求
上司と不倫をしていた場合、不倫された方の配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。
慰謝料の金額は、様々な事情(例:不倫の回数や期間等)で異なってきますが、その目安は下表の通りです(裁判離婚の場合)。
裁判離婚の場合 | 慰謝料の額 |
上司とその配偶者が離婚する場合 | 100万円~300万円 |
上司とその配偶者の婚姻が継続する場合 | 数十万円~100万円 |
上司の配偶者が慰謝料を請求する相手は、不倫相手である自分だけという場合もあれば、上司および不倫相手の自分となる場合もあります。
ケースによっては、数百万円に上る金額を支払う事態となるので注意が必要です。
ただし、上司と肉体関係を持つときに次のような上司の言葉を信じ、それを信じたことに過失が無いと主張・立証できれば、慰謝料の支払いを免れる可能性があります。
- 上司が配偶者との夫婦関係は崩壊しており、離婚の話し合いを進めていると言っていた
- 上司が自分に離婚届を見せ、上司本人と妻が記入したと思われる署名も確認できた 等
上司との不倫が発覚した場合の適切な対処法
上司との不倫が発覚したなら、慌てず速やかに次のような対応をとりましょう。
別れる
上司が配偶者との離婚に躊躇しているならば、キッパリと別れた方がよいでしょう。
次のような対応を行い、上司との関係を切ります。
- 上司と連絡のために利用していたSNS、LINE等の解約、上司のメールや電話の受信拒否
- 職場に異動を申し出る:不倫をした上司と距離をとるため
不倫した上司と二人だけで会う機会は極力避け、業務的な話以外は一切しない心がけが肝心です。
話し合い
上司の配偶者が不倫の事実はもちろん、浮気相手である本人のことも徹底的に調べ上げている場合があります。
もちろん上司の配偶者だけで調査したわけではなく、探偵社に依頼し不倫の確たる証拠を掴んでいる可能性が高いです。
配偶者が直接話し合いを申し込んできた場合、無視をすれば今度は裁判所に訴えられてしまうかもしれません。
このような事態を避けるため、なるべく配偶者と話し合いで決着できるように、不倫をした自分も問題解決に協力しましょう。
自分だけで交渉するのが不安ならば、弁護士に依頼し自分に代わって配偶者との話し合いを任せても構いません。
嘘をつかない
上司の配偶者と話し合う場合や、裁判所で自分の言い分を主張する場合でも、事実をありのままに告げ、問題の解決に協力していきましょう。
上司と浮気をしていないと言い張っても、上司と自分がラブホテル等に出入りする動画や画像を撮影されていた場合、もはや言い逃れはできません。
嘘をつけばそれだけ自分の立場は不利になります。上司の配偶者や親族に誠心誠意謝り、再発防止に努める姿勢が大切です。
冷静な対応
上司の配偶者や親族に不倫が発覚しても冷静な対応が肝心です。
不倫された側はエキサイトするかもしれませんが、たとえ自分が怒りをぶつけられても、次のような主張はNGです。
- 「上司が私と肉体関係を持ったのは、あなたにもう魅力を感じないからよ!」
- 「上司は私といるとき、妻であるあなたの文句しか言わなかった。あなたにも問題があっからじゃないの!?」
このような反論をしてしまうと、話がこじれてしまい問題の解決は難しくなります。
弁護士への相談
上司との不倫が発覚したなら、無理に自分だけで対応しようとせず、弁護士に相談しましょう。
離婚や不倫の問題に詳しい弁護士を見つけ出し、不倫に至った経緯や、自分が今後どのような対応をとりたいのかについて説明します。
弁護士は話をしっかりと聴いたうえで、次のアドバイスを行います。
- 慰謝料を請求してきた人(上司の配偶者)がいる場合、上司と浮気相手である本人の、性行為の確たる証拠を掴んでいる可能性があることの説明
- 上司との不倫のときに、妻子がいる事実を知っていた場合の対処法、夫婦関係がすでに崩壊していると聞かされていた場合の対処法を説明
- 慰謝料の請求金額が適正かどうかを説明
- 交渉で解決できるならどのような姿勢で望むか、交渉のときに予想される条件 等
弁護士は法律に深い知識を有していますが、弁護士全員が離婚や不倫の問題解決を得意としているわけではありません。
離婚や不倫の交渉や調停、裁判に豊富な実績を持っている弁護士かどうかは、まずホームページで確認してみましょう。
- 離婚や不倫に関する相談実績や解決実績が明記されている
- 離婚や不倫に関する話題や相談事例が豊富に掲載されている
- 離婚や不倫問題を解決する手順や弁護士報酬が明記されている
ホームページでこのような内容が確認できれば、経験豊かな弁護士がそろった法律事務所とみて間違いありません。
まとめ
今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、上司との不倫が発覚したときどのような対応をとるべきか等について詳しく解説しました。
上司との不倫が発覚し問題となった場合、自分にも言い分があるならば、弁護士に話しておきましょう。
上司の配偶者から慰謝料を請求されたときには、弁護士は依頼者の立場に立って主張・反論します。
上司との不倫が発覚してしまったら、なるべく早く弁護士に相談し、今後の対応の仕方を話し合いましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。