離婚を切り出す前に。後悔しないための準備とチェックリスト

2024年09月19日

離婚を切り出す前に。後悔しないための準備とチェックリスト

離婚は人生における大きな転換期であり、肉体的にも精神的にも大きな負担を伴います。感情的な混乱の中で冷静な判断をすることは難しく、後々になって「あの時こうしておけば…」と後悔するケースも少なくありません。

円満な離婚、そして離婚後の新しい生活をスムーズにスタートさせるためには、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

この記事では、離婚の準備として知っておくべきこと、やっておくべきことを解説します。この記事で紹介した内容を参考に、計画的に離婚の準備を進めてください。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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離婚を決意する前に

離婚を決意する前に

離婚は人生の大きな決断であり、一人で抱え込むには大変な悩みです。決断を下す前に、以下のことをじっくりと考えてみましょう。

離婚したい理由を具体的に書き出してみる

・夫婦関係で何が一番つらいのか?

・具体的にどのようなことが我慢できないのか?

・離婚することで何が改善されるのか?

など、できるだけ具体的に書き出すことで、自分の気持ちや状況を客観的に見ることができます。

離婚は衝動的な決断ではなく、冷静に現状を分析することが大切です。一時的な感情に振り回されず、長期的な視点で考えてみましょう。

周囲の人や専門家に相談してみる

弁護士やカウンセラーに相談することで、法律的な問題や心の悩みについて相談することができます。初回相談が無料の弁護士事務所もありますので、一度相談してみることをおすすめします。

また信頼できる友人や家族にも相談してみると、新たな視点を得られるかもしれません。

離婚の準備リスト

離婚の準備リスト

離婚後の生活費を確保できるか

離婚理由を整理し、証拠を揃えたか

離婚条件をリストアップしたか

離婚手続きについて理解しているか

それぞれ具体的に解説していきます。

離婚後の生活費を確保できるか

離婚後は、住居や生活費など、生活の基盤となる部分を一人で支えていく必要があります。特に、専業主婦(夫)だった方は、経済的な自立に向けて早めの準備が必要です。

まずは、現在の生活費を把握し、離婚後の収入で生活していけるかどうかをシミュレーションする必要があります。その上で、必要であれば、生活レベルを見直したり、節約方法を検討したりする必要があります。

子供がいる場合

子どもがいる場合は、元配偶者に養育費を請求することができます。養育費の金額は、子どもの年齢、生活水準、親の収入などを考慮して決定されます。

弁護士や司法書士に相談することで、適切な養育費の金額を算定してもらうことができます。

共有財産がある場合

結婚中に夫婦で築いた共有財産がある場合は、財産分与を受けることができます。財産分与の割合は、夫婦の貢献度や財産の状況などを考慮して決定されます。

配偶者の不貞などがある場合

配偶者の不貞や、暴力を受けていたなどの場合、慰謝料を請求できる可能性があります。

公的支援を活用する

子どもがいる場合は、児童扶養手当を受給できる可能性があります。また収入が少なく、生活が困難な場合は、生活保護を受けることができます。

住んでいる地域によっては、シングルマザー向けの支援制度がある場合がありますので、離婚前にしっかり調べておくことが大切です。

離婚理由を整理し、証拠を揃えたか

離婚理由は、今後の離婚手続きにおいて非常に重要な要素となります。しっかりと整理しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

離婚理由を整理することで、以下のようなメリットがあります。

・相手に離婚の意思を伝える際に、具体的な理由を提示することができ、より円満な話し合いを進めることができる。

・弁護士や司法書士に相談する際に、具体的な理由を伝えることで、より適切なアドバイスを受けることができる

・離婚調停や裁判になった場合、離婚理由を明確にすることで、有利に事を運ぶ可能性がある。

離婚理由を整理する際のポイント

「性格が合わない」など漠然とした理由ではなく、「配偶者が度々暴力を振るう」「浮気を繰り返す」など、具体的なエピソードを書き出すことで、より客観的に状況を把握できます。

書き出す際は、感情的な表現ではなく、事実を淡々と書き出すように心がけましょう。

また慰謝料請求を行う場合、証拠収集が最優先事項となります。暴力や浮気などの証拠となるものがあれば、一緒に整理しておきましょう。

離婚理由の例

配偶者の暴言、暴力:具体的な言動や頻度を記載します。

配偶者の不貞行為:相手の不貞の状況、証拠となるものなどを具体的に記載します。

性格の不一致:具体的にどのような点が合わないのか、具体的なエピソードを記載します。

経済的な問題:収入の状況、浪費癖など、具体的な状況を記載します。

離婚条件をリストアップしたか

離婚の条件は、夫婦の状況や、子供の有無などによって大きく異なります。しかし、一般的に以下の点が挙げられます。

離婚条件は、書面で残しておくと、後々トラブルになるのを防ぐことができます。

親権

子供がいる場合は、どちらが親権を持つのかを決定します。

養育費

子供がいる場合は、養育費の金額や支払い方法、支払い期間を明確にしましょう。

面会交流

親権を持たない親が、子供と会える時間や場所などを決めます。

財産分与

夫婦で築いた財産をどのように分けるか、具体的にリストアップしましょう。

慰謝料

相手に慰謝料を請求する場合、その根拠を明確にしておきましょう。

離婚手続きについて理解しているか

離婚手続きについて理解しているか

離婚の手続きは、夫婦の状況や合意の有無によって大きく異なります。一般的に、以下の3つの方法があります。

協議離婚

夫婦間で話し合い、離婚条件を合意して離婚する方法です。

調停離婚

夫婦間で合意ができない場合、家庭裁判所で調停手続きを行います。

裁判離婚

調停が不調に終わった場合、裁判で離婚を認めてもらう必要があります。

離婚を切り出すタイミング

離婚を切り出すタイミング

離婚を切り出す前に、本記事で紹介している事前準備をしっかり行うことが重要です。

特に離婚の理由となる証拠は、相手が削除してしまう可能性もあるため、必要に応じて、事前にしっかりと集めておきましょう。

離婚を切り出すタイミングを考える上でのポイント

離婚は非常にデリケートな問題であり、状況によって最適なタイミングは異なります。

DVなどの危険性がある場合は、安全な状況を確保してから切り出すことが大切です。

子供がいる場合は、子供の年齢や心の状態などを考慮し、できるだけ子供の負担にならないタイミングを選ぶようにしましょう。

離婚を切り出す際の注意点

離婚を切り出す際は、感情的にならず、冷静に相手に伝えましょう。なぜ離婚したいのか、具体的な理由を相手に伝えることで、相手も理解しやすくなります。

また話し合いの内容を記録しておくと、後々トラブルになった場合に役立ちます。

まとめ

離婚は人生において大きな決断ですが、準備を怠ると、後々後悔する可能性があります。この記事で紹介した内容を参考に、慎重かつ計画的に離婚の準備を進めてください。

春田法律事務所では、離婚に関するご相談を承っております。無料相談も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。お客様の状況を詳しくお伺いし、適切なアドバイスをさせていただきます。

 

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