ケース2:新築マンションを建設するための立ち退き
最終更新日: 2023年11月18日
ご相談内容
Aさんは、昭和の頃から自身の土地に木造2階建て家屋を建てて、Bさんに60年以上もその建物を賃貸していました。
ところが、Aさんの土地の周辺では、最近、若年ファミリー層の人気もあって、テナント付き新築マンションが次々と建ち、地価が上昇してきました。また、Aさんの建物は、老朽化が激しく、改修して使うよりも、新しくマンションを新築する方がコストも抑えられました。
そこで、Aさんは、Bさんに退去してもらうことにして、賃貸借契約を更新しない旨の通知をしたところ、Bさんから、立ち退きは断固拒否するとの返答がありました。
交渉
Bさんの建物使用の必要性が相当程度認められる事案でありましたが、建物の老朽化は酷く、近隣からも問題をしばしば指摘されている状態で、新たに建替えを実施したいというAさんの必要性もかなり高い事案でした。
実際、類似裁判例でも立退料を認めることに消極的な見解も多く見られました。
とはいえ、Bさんも高齢で、立ち退きに応じてもらうにしても、代替物件を見つけることも困難であろうと思われ、生活の基盤を失うBさんの保護も重要でした。
そこで、法的手続に移行した際、結局は立ち退きに応じざるを得ない結論になる可能性が高いとの見通しを説明するとともに、早期解決のため、若干、相場金額よりも高いと思われますが、
移転費用と家賃数か月分相当額の150万円の支払いを提示したところ、すみやかに立ち退くとのことで和解に至りました。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。