窃盗で捕まったら?流れや弁護士の選び方や費用も解説
最終更新日: 2024年01月27日
- 窃盗で捕まってしまった
- 窃盗で捕まったので弁護士に依頼したい
- 窃盗の対応に強い弁護士の特徴を知りたい
窃盗で捕まってしまったときは、早い段階で弁護士に依頼を行い、適切な対応を取ることが重要です。弁護士は自分自身に代わって様々な対応や手続きを行ってくれます。
多くの窃盗事件に関わった弁護士は経験豊富なため、的確で迅速な対応が期待できます。弁護活動を頼むときには、窃盗事件の弁護に強い弁護士であることはもちろん、より信頼できる弁護士を見つけることが非常に大切です。
そこで今回は、窃盗で捕まってしまったときに科される刑罰や、捕まってしまった後の流れについて解説したうえで、より適切な弁護士の選び方のポイントを解説します。
窃盗で捕まってしまった場合に適用される法律
自分自身が窃盗事件を起こしてしまった場合は、窃盗の罪によって逮捕される可能性があります。
窃盗には基本的に、刑法235条の窃盗罪が適用されます。窃盗罪が成立し有罪となったときは、10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金の刑罰を受けることになります。同じ窃盗事件でも、成年事件と少年事件では逮捕後の手続きや処分に違いがあります。
少年事件の場合は、家庭裁判所に送致されたのちに保護観察などの処分となります。少年事件は裁判官による裁きを受けないことから有罪になることはなく、前科はつきません。一方で成年事件の場合は、逮捕・勾留後に捜査が始まり、起訴・不起訴の判断を待つのが一般的です。
窃盗で捕まってしまった場合の流れを成年・未成年別に解説
窃盗で捕まってしまったときの処遇やその後の流れについて解説します。
- 成年事件の場合
- 少年事件の場合
それでは、1つずつ見ていきましょう。
成年事件の場合
1つ目は、成年事件の場合です。
20歳以上の方が窃盗で捕まってしまったときは、成年事件として扱われます。逮捕は現行犯逮捕もしくは通常逮捕となります。逮捕された後の流れは以下のようになります。
- 逮捕
- 勾留
- 起訴
- 刑事裁判
- 判決
逮捕後、48時間以内に警察から検察庁に送致されます。検察庁に送致されたのち、24時間以内に釈放か10日間の勾留が決まります。
なお、勾留は延長される可能性がありますが最大でも20日間です。その後、捜査に基づき起訴・不起訴のいずれかが決定されます。起訴されれば刑事裁判を受け、具体的な刑罰が言い渡されます。
少年事件の場合
2つ目は、少年事件の場合です。
未成年者には少年法が適用されます。少年事件は、逮捕後の処遇が成年事件の場合と異なることが特徴です。流れを簡単に整理すると以下のようになります。
- 逮捕
- 勾留
- 観護措置や少年審判の決定
- 最終的な処分の決定
未成年者が窃盗で捕まってしまったときは、捜査を受けたのち家庭裁判所に送致されます。そこで観護措置が必要と判断されれば、少年鑑別所に送られます。事件の内容次第では、在宅観護の措置がとられることもあります。
少年法に基づき、家庭裁判所が行う少年審判で最終的な処分が決定されます。少年審判では、保護処分や検察官送致、都道府県知事または児童相談所長送致のいずれかの処分が下されますが、不処分となる場合もあります。いずれも有罪判決ではありませんので、前科はつきません。
ここで検察官送致となるのは、重大犯罪のため刑事裁判が必要と判断されたケースです。このため検察官送致の処分が決まった場合は、成年事件と同じように刑事裁判が行われます。
窃盗で捕まってしまったときは、弁護士に依頼して被害者と示談交渉を行うことが重要です。示談交渉では、相手に示談金を受け取ってもらうことを了承してもらったうえで、具体的な示談金の額を決めていきます。
示談金には法的な額の取り決めはありませんが、窃盗による直接的な被害額の弁償と、迷惑料を合算したものと考えてておきましょう。示談交渉は、その対応に慣れている弁護士に依頼して行ってもらうのが望ましいといえます。
示談交渉の対応をスムーズできる方はそう多くありません。交渉に失敗すれば、前科がついたり刑罰がより重くなったりすることが考えられます。早い段階で適切な対応を行うことが示談交渉においては非常に重要となるため、窃盗事件や示談交渉の経験が豊富な弁護士への依頼は大変有効な策だといえます。
窃盗で捕まってしまった場合の弁護の流れ・費用
窃盗で捕まったら、どのような流れで弁護が行われ、費用はいくらかかるのでしょうか。下記より詳しく解説します。
- 事件解決までの流れ
- 弁護士費用
1つずつ解説します。
事件解決までの流れ
1つ目は、事件解決までの流れです。
弁護士に依頼するときには、基本的に以下の流れに沿って弁護活動を依頼していきます。
- 電話での相談・来所の予約
- 来所相談
- 委任契約を結ぶ
- 弁護士による弁護活動
- 裁判
弁護士に依頼するときには、まずめぼしい弁護士を見つけて電話相談を行います。契約を結ぶためには面談が必要があるため、最初は相談したいことの概要を伝え、面談の予約をします。
その後、面談をして詳しい相談をし、委任契約を結ぶことで正式に委任契約を結びます。契約を結んだ直後から、弁護士は弁護活動が可能となるため、必要に応じて警察への連絡や被害者との示談交渉を行っていく流れになります。
弁護士費用
2つ目は、弁護士費用についてです。
弁護士に依頼するときには、相談料・着手金・成功報酬の3つの費用が必要です。料金体系は事務所によって異なるため、お伝えする金額はあくまで目安ですが、相談料は30分あたり5,000円が相場といえるでしょう。
ただし、相談料は初回無料などのサービスを行っている事務所も少なくありません。料金だけがすべてではありませんが、弁護士に依頼するときには、相談料がよりお得なところを選ぶのも大切なポイントです。
着手金とは、依頼にあたって必ず支払う費用のことです。相場は30万円~50万円ですが、これは事件の内容によって大きく変わってきますし、成人事件と少年事件で費用感が異なる場合も多いといえます。
成功報酬とは、身柄解放、示談、不起訴、執行猶予などの成功結果に応じて発生します。相場は10万~30万円ですが、こちらもあくまで目安であることを覚えておきましょう。
窃盗事件で捕まってしまった場合、弁護士を選ぶポイント3つ
窃盗事件で捕まってしまった場合に頼りになる弁護士の見極めポイントを解説します。
- 依頼後、即日で活動開始する弁護士
- コミュニケーションを重要視している弁護士
- 窃盗事件の経験値が高く粘り強い交渉ができる弁護士
1つずつ見ていきましょう。
依頼後、即日で活動開始する弁護士
1つ目は、依頼後、即日で活動開始する弁護士です。
依頼後の動きは迅速である必要があります。起訴・不起訴が決まる前に示談成立に持っていければ、不起訴となる可能性が高まります。捕まってしまったときの弁護士への依頼は、スピードが勝負と言えます。
そのため、委任契約直後に即日で動いてくれる弁護士であることは非常に重要なポイントです。早めに動けば被害者に対して誠意を見せることにもつながり、加害者が感じている不安を取り除くことにもなるでしょう。
コミュニケーションを重要視している弁護士
2つ目は、コミュニケーションを重要視している弁護士です。
犯罪や法律に関することは、一般的にはわからないことだらけです。だからこそ捕まってしまったときは、本人も家族も強い不安感に駆られるものです。
だからこそ密なコミュニケーションを重要視している弁護士には、安心して依頼ができます。わかりやすい説明で今後の対応や予想される処遇、捜査の進捗報告などをこまめに伝えてくれる弁護士なら、不安や心配を感じることも少なくなります。
捕まった本人はもちろんですが、その家族の心配ははかり知れません。そんなとき、経験豊富な弁護士は家族の心情に配慮しつつ、現状と今後の動きをより丁寧に、わかりやすく説明してくれるため、不安を軽減しくれるでしょう。
窃盗事件の経験値が高く粘り強い交渉ができる弁護士
3つ目は、窃盗事件の経験値が高く粘り強い交渉ができる弁護士です。
これまでにたくさんの窃盗事件にかかわってきた弁護士は、経験と知見が豊富であるからこその粘り強い交渉にも期待ができます。少なくとも、これまでに20件~30件の窃盗事件の弁護をしてきた弁護士がよいでしょう。
弁護士を探すときには、窃盗事件に特化している点に目を向けて探すことがおすすめです。弁護士が得意としている分野や、実績をつんできた分野はそれぞれ異なるため、ホームページの情報や弁護士から提示されるこれまでの経歴などをよく確認したうえで、どの弁護士に依頼していくかを決めることをお勧めします
まとめ
今回は窃盗で捕まってしまったときの処分や、捕まってしまった後の流れとあわせて、より適切な弁護士の選び方のポイントを解説しました。
窃盗で捕まってしまったときには、まずは弁護士への依頼を考えましょう。早期に依頼し示談交渉を進めることで、刑罰の軽減や不起訴につなげられる可能性があるため、前科を免れることが期待できます。また、迅速に対処をすることは、被害者に反省・謝罪の意図や誠意を見せることにもつながります。
そのためには、コミュニケーションが豊富で、窃盗事件の弁護経験が豊富な弁護士を積極的に探し、心から信頼できる弁護士に依頼をすることでスピーディーな事件解決が期待できます。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。