後遺障害診断書の書き方で結果が決まる!認定率を上げる医師への頼み方とチェックポイント
2026年04月06日

「そろそろ症状固定ですね。後遺障害診断書を書きましょうか」
主治医からそう言われたとき、その診断書の内容をすべて「医師任せ」にしようとしていませんか?
交通事故の賠償金(示談金)を大きく左右する「後遺障害」の認定。その審査において、合否を100%決定づけると言っても過言ではないのが、この「後遺障害診断書」です。
実は、医師に「お任せ」で書いてもらった診断書をそのまま提出してしまい、本来なら認定されるはずの症状なのに「非該当(認定されない)」になって泣き寝入りする被害者が後を絶ちません。
この記事では、なぜ診断書の書き方がそれほど重要なのか、適切な認定を勝ち取るための項目別チェックポイント、そして医師に協力的に書いてもらうためのノウハウを徹底解説します。
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なぜ「後遺障害診断書の書き方」がすべてを決めるのか?
後遺障害の審査を行っている機関(損害保険料率算出機構)は、被害者本人と直接面談をして「どれくらい痛いですか?」と聞いてくれるわけではありません。
審査はすべて、提出された「後遺障害診断書」と「画像データ(MRIやレントゲン)」などの書類のみで行われます(書面審査主義)。
つまり、ご自身がどれだけ毎日の痛みや生活の不便さを抱えていても、それが「診断書に医学的な所見として書かれていなければ、存在しないものとして扱われる」という非常に厳格なルールが存在するのです。
医師は「治療のプロ」だが「認定のプロ」ではない
「お医者さんが書いてくれるのだから、完璧なはずだ」と思うかもしれません。しかし、多くの医師の最大の使命は「ケガを治すこと」であり、自賠責保険が定める細かい後遺障害の認定基準や、損害賠償の実務まで熟知しているわけではありません。
そのため、審査に必要な重要な検査結果が抜け落ちていたり、被害者にとって不利になる表現が何気なく書かれてしまったりすることが頻繁に起こるのです。
後遺障害の基礎知識については、こちらの記事をご覧ください。
【項目別】後遺障害診断書の正しい書き方とチェックポイント
適切な等級を獲得するためには、診断書の各項目が「後遺障害の認定基準を満たしているか」を被害者側でチェックする必要があります。特に重要な3つのポイントを解説します。
「自覚症状」の欄:漏れなく、具体的に、一貫して書かれているか
被害者が感じている痛みやしびれを記載する欄です。
NGな書き方
「首周辺に痛みあり」などの漠然とした表現。事故当初は訴えていなかった「腰の痛み」などが急に付け足されている。
正しい書き方
「常に首の右側から右腕にかけてのしびれと鈍痛があり、雨の日は特に悪化する」など、痛みの部位、性質(常時か、波があるか)、程度を具体的に記載してもらう。事故直後から一貫して訴え続けている症状であることが重要です。
「他覚症状および検査結果」の欄:痛みの原因が客観的に証明されているか
ここが最も重要な欄です。自覚症状を裏付けるための医学的な証拠を記載します。
NGな書き方
「特になし」や、レントゲンの結果のみが書かれている(むちうちの場合、レントゲンだけでは不十分です)。
正しい書き方
MRI画像による神経圧迫の所見や、「スパーリングテスト陽性」「ジャクソンテスト陽性」「深部腱反射の異常」といった神経学的検査の結果が明記されていること。これらの検査を行っていない場合は、医師に依頼して実施してもらう必要があります。
「障害内容の増悪・緩解の見通し」の欄:将来も治らないことが伝わるか
今後の症状の見通しを書く欄です。「後遺障害=将来にわたって回復が困難な症状」であるため、ここの書き方で非該当になるケースが多発します。
NGな書き方
「数ヶ月で治癒する見込み」「リハビリにより軽減する」など。(※これらは「後遺障害ではなく、いずれ治るケガだ」と審査機関に宣言しているようなものです)
正しい書き方
「症状固定状態であり、今後の大幅な改善は見込めない」「長期にわたり症状が残存する見込み」など、後遺障害として永続する可能性が高いというニュアンスで記載してもらう必要があります。
医師に協力的に診断書を書いてもらうための頼み方
医師に診断書の書き方をお願いする際、「ここはこう書いてください」と直接的に指示を出すと、トラブルになることがあります。
スムーズに協力してもらうためには、以下の工夫が有効です。
日常生活の支障をメモにして渡す
「仕事で重いものを持つときに右腕がしびれて落としてしまう」など、具体的なエピソードをまとめたメモを診察時に渡し、それを参考に書いてもらうようにお願いする。
弁護士から「医療照会」として依頼する
被害者本人から言いにくい場合は、弁護士から医師に対して「認定基準に照らして、〇〇の検査結果を記載していただけないでしょうか」という書面(医療照会書)を送り、医学的見地から専門家同士でやり取りを行うのが最も確実で安全な方法です。
後遺障害診断書に関する個別具体的なよくある質問(FAQ)
Q:主治医に「むちうち程度では後遺障害診断書は書けない」と言って拒否されました。どうすればいいですか?
A:医師には診断書を作成する義務(医師法第19条)があるため、原則として拒否できません。
とはいえ、無理やり書いてもらっても内容が薄く、非該当になる確率が高くなります。医師が「後遺症ではない(治っているはずだ)」と思い込んでいるケースも多いため、弁護士が介入して、自賠責の認定基準(14級9号などの「推定」で足りる基準)を説明し、理解を得た上で作成を依頼するのがベストです。
Q:出来上がった診断書を見たら、検査結果が空欄でした。医師に書き直しをお願いしてもいいのでしょうか?
A:はい、保険会社(または審査機関)へ提出する前であれば、書き直しや追記の依頼は可能です。
ただし、一度提出してしまって非該当の結果が出てから「実は検査結果が抜けていました」と後出ししても、結果を覆すのは非常に困難です。必ず「提出する前」に確認することを強くお勧めします。
Q:すでに保険会社任せ(事前認定)で診断書を提出してしまい、「非該当」になりました。別の病院で診断書を書き直してもらえば認定されますか?
A:別の病院で書き直してもらうだけでは不十分です。「異議申し立て」の専門的な手続きが必要です。
結果を覆すためには、なぜ非該当になったのかを分析し、これまでの通院先(主治医)からの新たな意見書や、より精密なMRI画像などを追加して再申請(被害者請求)しなければなりません。自力での解決は困難であるため、弁護士へご相談ください。
Q:事故の時は物損で処理し、今は整骨院に通っています。整骨院の先生に後遺障害診断書を書いてもらえますか?
A:いいえ、整骨院の先生(柔道整復師)は後遺障害診断書を作成できません。作成できるのは「医師」だけです。
また、そもそも「物損事故」のままでは後遺障害の申請自体ができません。審査機関は「物損程度の事故で後遺障害は残らない」と判断します。整形外科への通院実績がなく、物損事故のままである場合、後遺障害の認定は基本的に認められません。すぐに整形外科を受診し、警察で人身事故への切り替え手続きを行ってください。
後遺障害診断書の作成依頼・内容チェックは弁護士へ!
後遺障害の認定は、「診断書が書き上がってから」あるいは「非該当になってから」弁護士に相談するのでは遅すぎることがあります。
一番確実なのは、「主治医から症状固定(治療終了)の話が出たタイミング」、できれば治療中の早い段階で弁護士に依頼しておくことです。
弁護士が事前に入ることで、必要な検査の漏れを防ぎ、医師へ的確な診断書の作成依頼(または完成後の内容チェック)を行うことができ、適正な等級を獲得できる確率が飛躍的に高まります。
「来週、後遺障害診断書を書いてもらう予定だ」
「医師が協力的ではなく、どう書いてもらえるか不安」
このような方は、診断書を保険会社へ提出してしまう前に、弁護士へ相談することをおすすめします。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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