社内不倫でも会社に知られずに慰謝料請求はできる?夫の処分(降格・減給)を避けながら相手に請求する方法
最終更新日: 2025年12月17日
「夫の不倫相手は同じ会社の部下。慰謝料はきちんと請求したい」
「ただ、会社に知られて夫が降格したり、収入が減ったりするのは避けたい…」
社内不倫が発覚した際、多くの方がこのような葛藤を抱えます。
会社に事実が伝われば、不倫相手だけでなく夫自身も懲戒処分や人事異動の対象となり、結果として世帯収入や生活に影響が出る可能性があるからです。
結論から言えば、会社に知られることなく、不倫相手のみに慰謝料を請求することは十分に可能です。
むしろ、当事者双方が「会社には知られたくない」と考えているケースでは、冷静な交渉によって早期解決につながることも少なくありません。
この記事では、夫のキャリアや家計への影響を最小限に抑えつつ、不倫相手に法的責任を求めるための進め方について解説します。
社内不倫は「会社に知られる」と影響が広がる
まず、会社に知られた場合に想定される影響を整理しておきましょう。
就業規則や社内規定の内容によっては、当事者双方に以下のような対応が取られる可能性があります。
・戒告、減給、出勤停止などの懲戒処分
・部署異動や転勤(別居を伴うケースも含む)
・職場に居づらくなり、結果として退職に至るケース
夫の収入が減少したり、働き方が変わったりすると、生活への影響を受けるのはご家族全体です。
そのため、「会社には関与させず、不倫相手からのみ慰謝料を回収する」という選択は、現実的な解決策の一つといえます。
会社に知られずに進めるための基本的なポイント
水面下で解決を目指す場合、進め方を誤らないことが重要です。
弁護士が対応する際には、主に次の点を重視します。
請求書類は勤務先に送らない
慰謝料請求の際に用いられる内容証明郵便は、相手の自宅宛てに送付するのが原則です。
勤務先宛てに送ると、たとえ「親展」としても第三者の目に触れる可能性があり、社内に知られるリスクが高まります。
住所が分からない場合でも、弁護士であれば合法的な調査方法を用いて特定できるケースがあります。
示談条件に守秘義務を明記する
示談書には、慰謝料の支払い条件とあわせて、不倫の事実や示談内容を第三者に口外しないこと(守秘義務)を明確に定めます。
あわせて、違反した場合の対応(違約金など)を定めることで、会社や周囲に話が広がるリスクを抑えることができます。
求償権を放棄させる
不倫は法律上、双方の共同不法行為とされるため、不倫相手が慰謝料を支払った後、夫に対して負担分を請求する権利(求償権)が問題になることがあります。
示談時に「夫に対して一切請求しない」と明記することで、家計への影響を防ぐことができます。
相手側も「知られたくない」という事情を抱えている
社内不倫の場合、会社に知られたくないと考えているのは被害者側だけではありません。
不倫相手にとっても、職場での立場や評価に影響が出る可能性があります。
弁護士を通じて、「誠実な対応があれば、会社に連絡する意向はない」と伝えることで、相手が冷静に話し合いに応じ、早期に解決するケースも多く見られます。
裁判などの大きな手続を避け、示談での解決を目指すことが現実的な場合もあります。
すでに噂が出ている場合の対応
すでに社内で噂が出始めている場合でも、対応次第で影響を抑えられることがあります。
会社が問題視するのは、業務への支障や職場秩序への影響です。
弁護士を通じて、当事者間ではすでに示談が成立し、私的な問題は解決しているという事情を整理して説明することで、処分が見送られるケースもあります。
まとめ:生活を守りながら現実的な解決を目指す
社内不倫の問題では、感情的に会社を巻き込むことで、結果としてご自身やご家族に不利益が生じることもあります。
夫には家庭内で責任を取ってもらい、不倫相手には弁護士を通じて法的責任を求める。
このように、影響を最小限に抑えながら解決を図る方法もあります。
当事務所では、会社への影響を抑えつつ解決を目指す交渉についてもご相談をお受けしています。
まずは現在の状況をお聞かせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 相手の住所が分からず、会社しか情報がありません。
弁護士による調査で住所が判明する可能性があります。勤務先宛てに送る前に、一度ご相談ください。
Q. 夫が相手の連絡先を教えてくれません。
会社に知られるリスクを説明したうえで、冷静に話し合うことで協力が得られるケースもあります。弁護士が間に入ることも有効です。
Q. 夫に知られずに慰謝料請求を進められますか?
可能なケースもありますが、完全に知られずに進められるとは限りません。リスクを踏まえた進め方について、事前にご説明します。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。




