家族が逮捕されたときにすべきこと|生活・職場への影響も解説
最終更新日: 2026年01月26日

「警察から突然、家族を逮捕したと電話がかかってきた」
「もし自分が逮捕されたら、家族に連絡されてしまうのだろうか?」
刑事事件における「家族への連絡」は、逮捕されたご本人にとっては「バレるかどうかの瀬戸際」であり、連絡を受けたご家族にとっては「緊急事態の始まり」です。
この記事では、逮捕された際の警察から家族への連絡について、「連絡を拒否したいご本人の視点」と「警察から連絡を受けたご家族の視点」の双方から、今後の正しい対応と法的なルールを解説します。
原則としての警察の対応
警察は、被疑者を逮捕した際、弁護士を呼ぶ権利の告知とあわせて、家族への連絡について希望を確認することが一般的です。
これは、身柄を拘束する以上、人道的な配慮や、着替えや現金などの差し入れが必要になる場合があるためです。
もっとも、逮捕されたからといって、警察が必ず家族へ連絡しなければならないという法律上の義務があるわけではありません。
【本人向け】連絡を控えてもらえる可能性があるケース
次のような条件がそろっている場合、本人の意思が尊重され、警察が家族への連絡を控えることがあります。
・本人が成人である
・家族と同居しておらず、独立して生活している
・本人が明確に「家族への連絡を控えてほしい」と意思表示している
このような場合、警察が事情を踏まえ、本人の希望を尊重する対応をとることがあります。
特に、痴漢・盗撮・万引きなど、家族関係に影響が出やすい事件や、比較的軽微で早期の釈放が見込まれる事案では、柔軟な対応がなされることもあります。
【本人向け】連絡を避けられないケース
一方で、本人が連絡を望まなくても、警察の運用上、家族への連絡が必要になる場合があります。
未成年の場合
被疑者が未成年である場合、保護者への連絡は必須です。本人の意思にかかわらず、警察は必ず保護者に連絡を行います。
身元引受人が必要な場合
釈放にあたり「身元引受人」が必要と判断された場合、家族などが迎えに来なければ釈放されないことがあります。この場合、家族への連絡は避けられません。
【本人向け】連絡を控えても、知られてしまう可能性がある場面
警察から直接の連絡がなかったとしても、次のような事情から、結果的に家族に知られてしまうことがあります。
同居している場合
本人が長時間帰宅しなければ、家族が心配して警察に問い合わせたり、行方不明届を出したりすることがあります。
家宅捜索が行われる場合
事件内容によっては、自宅への家宅捜索が行われることがあります。この場合、家族に知られずに対応することは困難です。
会社を通じて発覚する場合
警察が会社へ直接連絡することは必要性がない限りありませんが、勾留により無断欠勤が続くと、会社から緊急連絡先へ連絡が入り、そこから事情が伝わることがあります。
【本人向け】家族に知られずに解決するための現実的な対応
家族に知られる可能性をできるだけ抑えるためには、早期に釈放されることが重要です。
逮捕後、勾留が決定される前に弁護士が対応し、早期釈放が認められれば、短期間の不在で済む可能性が高まります。
【家族向け】家族が逮捕されたらまずすべきこと
落ち着いて情報を整理する
まずは警察から伝えられる内容を整理しましょう。
- 逮捕された日時と容疑内容
- 拘束されている警察署名
- 面会の可否(接見禁止の有無)
メモを取り、無用な混乱を避けるためにも家族内で情報を共有します。
無闇に他人に話さない
気持ちを誰かに話したくなるかもしれませんが、うっかり話したことが職場や近所に伝わるリスクがあります。安易な相談は避け、必要最低限の範囲にとどめましょう。
できるだけ早く弁護士に相談を
刑事事件は時間との勝負です。初動の判断が結果を大きく左右します。
早期に弁護士に依頼することで、勾留回避や示談、実名報道の防止など、対応の幅が広がります。
逮捕後の流れを把握しよう
家族が逮捕されたあと、「今どうなっているのか?」「今後どうなるのか?」が分からないことが、さらなる不安につながります。ここでは刑事事件の基本的な流れを簡潔に解説します。
逮捕から起訴・釈放までの流れ
段階 | 時期 | 内容・対応可能なこと |
逮捕 | 0日目 | 最大48時間、警察の取り調べを受ける。家族は面会できないことが多い。 |
送検 | 逮捕から48時間以内 | 検察に身柄が送られる。検察官が勾留請求の有無を判断する。 |
勾留決定 | 送検から24時間以内 | 裁判官が勾留を認めれば最大10日間の勾留へ。延長もありうる。 |
勾留延長 | 勾留中に最大10日延長 | 合計最大20日間まで延長可能(=逮捕から23日間拘束)。 |
起訴 or 不起訴 | 勾留満了時 | 証拠・示談等の状況によって検察官が判断。 |
保釈(起訴後のみ) | 起訴後すぐ〜判決まで | 弁護士が保釈請求し、裁判所が認めれば身柄解放。 |
裁判・判決 | 数週間〜数ヶ月後 | 公判を経て有罪・無罪が確定。執行猶予付き判決の可能性も。 |
ポイント:早期対応が結果を左右する
- 送検前・勾留判断前に弁護士が動けば、釈放される可能性が高まる
- 示談成立や身元引受人の提示も勾留回避・不起訴につながる重要な要素
- 否認事件では勾留が長引く傾向があるため、戦略的な対応が必要
逮捕後の手続きは短い時間の中で次々と進んでいきますが、実はこの初動対応こそがその後の結果を大きく左右します。
特に、送検前や勾留の判断が下される前に弁護士が迅速に動くことができれば、身柄を解放してもらえる可能性が高くなります。
また、被害者との示談が成立していることや、家族が身元引受人としてしっかり支える姿勢を示せることも、勾留の回避や不起訴処分を得るうえで非常に重要なポイントです。
さらに、本人が容疑を否認している事件では、事実確認に時間がかかる分、勾留が長引きやすい傾向があります。こうしたケースでは、より慎重かつ戦略的な弁護活動が求められます。
逮捕が家族に与える影響とは?
職場への影響
逮捕された本人が会社勤めをしている場合、勾留が長引くことで無断欠勤が続き、最悪の場合は懲戒処分や解雇につながるおそれがあります。
また、事件のことが職場内に知られてしまうと、本人のイメージが悪化し、同僚との人間関係がぎくしゃくするなど、職場での孤立を招くケースもあります。
ただし、弁護士が早期に動いて釈放にこぎつければ、会社への影響を最小限にとどめ、これまで通り働き続ける道が残されることもあります。
子どもや家庭への影響
家庭を持つ人が逮捕されると、家族、とくに子どもへの影響も深刻です。
「お父さんが逮捕された」といった情報が学校で広まれば、子どもが登校しづらくなったり、保護者のあいだで噂されて肩身の狭い思いをする可能性もあります。場合によっては、精神的ショックから不登校になることもあるため、注意が必要です。
こうした状況では、家族全体の心のケアも欠かせません。外部の相談機関や支援制度の活用も検討しましょう。
近所・親戚への影響
逮捕の事実がマスコミに報道され、しかも実名が出てしまった場合、その情報は一気に周囲へと広まります。
とくに近所や親戚など顔見知りの多い地域では、「何があったの?」「どんな事件だったの?」と詮索され、居づらくなることもあります。
誰にも相談できず孤立してしまわないよう、信頼できる第三者や専門家に早めに相談することが重要です。
逮捕における「家族への連絡」について弁護士ができること
この問題は、弁護士が関与することで、対応の幅が大きく広がります。
本人のためにできること
逮捕後、弁護士はすぐに警察署で本人と接見し、希望を確認します。
「家族や職場には知られたくない」という意思があれば、その内容を警察に伝え、連絡を控えるよう働きかけます。
あわせて、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを主張し、勾留を回避して身体拘束期間が長期化するのを避けるための活動を行います。
勾留が認められなければ、逮捕から数日で帰宅できる可能性があります。
家族のためにできること
逮捕直後は、家族であっても面会できない、あるいは警察官の立ち会いが必要な場合があります。
その点、弁護士は警察官の立ち合いなく、時間等も制限なく本人と面会でき、状況を正確に把握できます。
弁護士に依頼すれば、
・何の容疑で逮捕されているのか
・本人の体調や様子
・今後の見通し
などを確認し、ご家族へ正確に伝えることが可能です。
よくある状況と対応例
高校生の息子が万引きで逮捕。早期釈放で学校に知られず済んだ
17歳の男子高校生がスーパーでの万引きで逮捕され、母親が弁護士に相談。
すぐに母親が身元引受人として対応し、弁護士が検察官に釈放を働きかけ、勾留を回避。学校にも連絡されず、通常通り通学を継続できた。
痴漢で夫が逮捕。示談成立で不起訴に
会社員の夫が通勤中に痴漢容疑で現行犯逮捕。妻が弁護士に相談し、被害者との示談を成立させて不起訴処分に。
会社にも逮捕を知られることなく、処分なしで復職できた。
暴行事件で逮捕。執行猶予付きで生活への影響を最小限に
飲酒トラブルで暴行事件に発展。
弁護士が示談をまとめ、起訴されたが執行猶予付き判決を獲得。家族の経済的・精神的ダメージも抑えられた。
※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。
6.よくあるご質問(FAQ)
Q:弁護士費用はどのくらいかかりますか?
初回相談無料の事務所もあります。着手金+成功報酬で20〜50万円が相場です。分割支払いに応じる事務所も多くあります。
Q:職場や近所にバレない方法はありますか?
勾留を避ければ出勤継続でき、会社に知られるリスクを下げられます。
また、実名報道を防ぐためにも、弁護士による迅速な対応が有効です。
Q:接見禁止といわれたけど、家族も面会できない?
接見禁止が付くと家族は会えません。
ただし弁護士は接見禁止の対象外なので、代わりに本人と面会し情報収集ができます。
Q: 被害者に直接謝りに行っても大丈夫?
逆効果になる可能性があります。
示談交渉は必ず弁護士を通じて行いましょう。
Q:未成年の逮捕でも前科がつく?
家庭裁判所に送致されるケースが多く、前科は原則つきません。
ただし内容によっては保護観察処分などを受ける場合もあります。
Q:保釈ってすぐできるもの?
保釈は起訴後にしか請求できません。
逮捕後すぐの段階では勾留そのものを回避したり、勾留期間を短くする働きかけが重要になります。
Q:家族が容疑を否認している場合はどうなりますか?
否認事件では勾留期間が延びやすくなります。
だからこそ、弁護士による迅速な戦略立案と対応が不可欠です。
まとめ:不安を感じたら、早めに弁護士へ相談を
警察から家族への連絡について、押さえておきたいポイントは次のとおりです。
ご本人の方へ
成人の場合、警察に対して家族への連絡を控えてほしいと希望を伝えることは可能ですが、必ずしもそのとおりになるとは限りません。
家族に知られずに解決できる可能性を高めるためには、逮捕後できるだけ早い段階で弁護士に相談し、連絡に関する意向の伝達や、早期釈放に向けた対応を検討することが重要です。
ご家族の方へ
警察から連絡があった場合、捜査や手続きはすでに進んでいます。逮捕直後は、ご家族であっても面会が制限されることが多いため、弁護士を通じて状況を確認し、今後の見通しを把握することが現実的な対応となります。
「家族に知られずに対応したい」「突然警察から連絡があり、どう行動すればよいか分からない」――このような場合でも、早めに弁護士へ相談することで、落ち着いて状況を整理し、適切な対応を取ることができます。
不安を感じた段階で、刑事事件に詳しい弁護士へ相談することが、安心につながる第一歩です。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。




