個人情報保護の強化は急務! 企業が法律事務所に相談すべき理由とメリット
2025年12月23日

近年、デジタル化の進展に伴い、企業が取り扱う個人情報の量は飛躍的に増加しています。同時に、個人情報漏洩のリスクや、2022年4月に全面施行された改正個人情報保護法への対応の重要性も高まっています。
「自社の個人情報管理体制は適法か?」「法改正への対応は十分か?」といった不安を抱える企業担当者様も多いでしょう。本コラムでは、個人情報保護における企業の役割と、法律事務所に相談することで得られる具体的なメリットについて解説します。
改正個人情報保護法が企業に求めること
2022年の改正個人情報保護法では、企業の義務や罰則が強化されました。対応を怠ると、社会的信用の失墜だけでなく、多額の罰金や損害賠償につながるリスクがあります。
データ漏洩時の報告義務の強化
一定の事態(例:不正の目的による漏洩、1,000人を超える漏洩)が生じた場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されました。
利用停止・消去等の請求権の拡大
本人からの個人データの利用停止や消去の請求に応じる要件が緩和され、企業はより迅速かつ的確な対応が求められます。
罰則の強化
法令違反に対する罰則が大幅に引き上げられました。
これらの法改正に対応し、企業が適正な個人情報管理体制を構築するためには、法律の専門家である法律事務所のサポートが不可欠です。
法律事務所に個人情報保護を相談するメリット
個人情報保護は、単なるITセキュリティの問題ではなく、法務・コンプライアンスの観点からの検討が必要です。法律事務所に相談することで、以下のような具体的なメリットが得られます。
法的リスクの正確な特定と対策の立案
弁護士は、最新の法令、ガイドライン、過去の判例に基づき、貴社の事業形態や個人情報の取り扱い実態に潜む法的リスクを正確に特定し、実行可能な対策を立案します。
- 個人情報の利用目的、取得方法、保管方法の適法性チェック
- 委託先・再委託先に対する監督体制の整備
- 海外へのデータ移転に関する適法性の確認
漏洩事故発生時の迅速かつ適切な対応
万が一、情報漏洩事故が発生した場合、初動の対応が企業の信用を左右します。法律事務所は、以下の対応をサポートし、リスクを最小化します。
- 個人情報保護委員会への報告手続きのサポート
- 被害者(本人)への通知文、謝罪文の作成と対応方針の策定
- 二次被害の拡大防止策の検討
- 損害賠償請求や訴訟への対応
社内規程・プライバシーポリシーの整備
企業に義務付けられるプライバシーポリシーや個人情報取扱規程などの社内規程を、法的な要件を完全に満たした形で作成・整備します。これにより、法令遵守を徹底し、組織的な個人情報管理を実現します。
法律事務所を選ぶ際のポイント
個人情報保護の相談先を選ぶ際は、以下の点に着目しましょう。
個人情報保護法、IT法務に精通しているか
関連法規に関する専門知識と豊富な実務実績を持つ事務所を選ぶことが重要です。
企業のビジネスを深く理解しているか
法的な正しさを追求しつつも、企業の業務遂行や事業戦略との両立が可能な実務的なアドバイスを提供してくれるかを見極めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q:個人情報保護法は中小企業にも適用されますか?
A:はい、適用されます。法改正により「5,000件要件」は撤廃され、現在はデータの件数に関わらずすべての事業者に個人情報保護法が適用されます。適切な対応が必須です。
Q:従業員の個人情報(マイナンバー等)も保護法の対象ですか?
A:はい、対象です。顧客情報だけでなく、従業員やその家族の個人情報(採用情報、健康診断データ、マイナンバーなど)も個人情報保護法の対象となります。
Q:漏洩が発生した場合、まず何をすべきですか?
A:まず、事実関係の確認と被害の拡大防止を最優先で行ってください。その後、速やかに法律事務所に相談し、個人情報保護委員会への報告義務や本人への通知義務の有無、その後の対応方針について専門的なアドバイスを受けることを強く推奨します。
Q:法律事務所に相談することで、情報セキュリティ対策も全て任せられますか?
A:法律事務所の主たる役割は、法的なリスクマネジメントとコンプライアンス体制の構築です。技術的なセキュリティ対策(ファイアウォール、暗号化など)については、IT専門業者やセキュリティコンサルタントと連携して進めることになります。ただし、情報処理安全確保支援士の資格も有するなど技術面でのサポートも合わせて提供している法律事務所もあります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。




