盗撮の量刑・罰金の相場│初犯の刑罰・前科・執行猶予の可能性を弁護士が解説

最終更新日: 2026年08月06日

盗撮の罰金相場はいくら?初犯でも前科はつく?回避方法を解説

盗撮で捜査の対象になったとき、「罰金はいくらか」「前科はつくのか」「実刑になるのか、執行猶予はつくのか」は、多くの方が最も不安に感じる点です。

本記事では、盗撮の刑罰の全体像(撮影罪・迷惑防止条例などの法定刑)、罰金の相場、初犯・再犯での処分の違い、罰金でも前科は残るのか、実刑と執行猶予の分かれ目、そして量刑・処分を軽くするためにできることを、弁護士が解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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盗撮の刑罰の全体像|撮影罪・迷惑防止条例などの法定刑

「盗撮罪」という単独の罪名はなく、盗撮は行為や場所に応じて複数の法律で処罰されます。

中心となるのは2023年7月に施行された撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)で、これに迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反などが加わります。

法律・罪名

主な対象

法定刑(目安)

撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)

性的な部位・下着等の盗撮(盗撮の中心)

3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金

迷惑防止条例違反

公共の場所・乗物等での盗撮

都道府県により異なる(常習でより重い規定も)

軽犯罪法違反

条例で規制されない場面の補完(のぞき等)

拘留または科料

建造物侵入罪

盗撮目的でトイレ・更衣室等に侵入した場合

3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金

どの罪に問われるかによって、罰金で済むのか、懲役(拘禁刑)が見込まれるのかが変わります。

盗撮が何罪に当たるかの詳細は、次の記事で解説しています。

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盗撮の罰金の相場は30万〜50万円が一つの目安

盗撮で罰金となる場合、金額はおおむね30万〜50万円程度が一つの目安とされることが多いです。ただし、撮影の態様・被害者の数・常習性などによって変動し、これより高くなることもあります。

罰金はどのように決まるか(略式起訴・微罪処分)

比較的軽微な事案では、正式な裁判を経ずに書面で罰金が科される「略式起訴(略式命令)」となることがあります。

さらに軽微で被害が回復しているようなケースでは、検察官の判断で「微罪処分」として事件が処理され、前科がつかない形で終わることもあります。

もっとも、これらは自動的に決まるものではなく、被害弁償・示談などの事情が影響します。

 

【ポイント】
罰金で済むか、それとも正式起訴されて懲役(拘禁刑)を求められるかは、態様の悪質性・常習性・被害者との示談の有無で大きく変わります。
示談による被害回復は、処分を軽くする方向に働きます。

初犯の場合の処分|不起訴・罰金・執行猶予の分かれ目

初犯で、態様が悪質でなく、被害者との示談が成立している場合には、次のような比較的軽い処分に向かいやすくなります。

  • 不起訴(起訴猶予)
    示談が成立し被害が回復されている等の場合。前科はつかない
  • 略式起訴による罰金
    正式裁判を経ずに罰金。前科は残る
  • 正式起訴でも執行猶予
    懲役(拘禁刑)でも、初犯・反省・示談などの事情で執行猶予が付く可能性

逆に、常習性がある、被害者が多い、撮影内容が悪質、示談が整わないといった事情があると、初犯でも正式起訴され、実刑が視野に入ることがあります。

 再犯・常習・余罪がある場合は重くなりやすい

過去に同種の前科・前歴がある場合や、常習性・余罪が認められる場合は、罰金では済まず正式起訴されたり、実刑となるリスクが高まります。

再犯では、前回が罰金・執行猶予であっても、今回はより重い処分が想定されます。

余罪がある場合の捜査や見通しについては、別の記事もご覧ください。

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実刑と執行猶予の分かれ目

正式起訴され、裁判で懲役(拘禁刑)が言い渡される場合でも、その刑期が3年以下で、情状が考慮されれば、執行猶予が付くことがあります。

執行猶予が付けば、直ちに刑務所に収監されることはありません。

執行猶予が付きやすい方向に働く事情

  • 初犯である/前科がない
  • 被害者との示談が成立し、宥恕(処罰を望まない意思)が得られている
  • 深く反省し、再発防止に向けた環境(通院・家族の監督等)が整っている

実刑リスクが高まる事情

  • 常習性・余罪が多い、同種前科がある
  • 撮影内容が悪質、被害者が多数、被害回復がされていない

盗撮の多くは罰金・略式で処理されますが、悪質・常習の事案では懲役が求められ、実刑か執行猶予かが争点になります。

この見通しは事案ごとに大きく異なります。

盗撮で前科はつくのか

「罰金なら前科はつかない」と思われがちですが、罰金も刑罰であり、罰金刑を受ければ前科は残ります

前科がつかないのは、不起訴(起訴猶予・微罪処分など)で終わった場合です。

前科による主な影響

  • 一定の資格・職業で欠格事由となる場合がある
  • 再犯時に量刑が重くなりやすい
  • 前科情報が捜査機関に記録される

前科を避けるために最も重要になるのが、被害者との示談による不起訴です。

示談金の相場や進め方は、次の記事で詳しく解説しています。

盗撮の示談金・慰謝料の相場│金額の目安・ケース別・示談の進め方を弁護士が解説

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量刑・処分を軽くするためにできること

盗撮の処分を軽くするために有効なのは、次のような対応です。

いずれも、起訴・不起訴の判断までの限られた時間の中で進める必要があります。

  • 被害者との示談を成立させ、宥恕を得る(不起訴・執行猶予に向けて最重要)
  • 撮影データの削除など、被害拡大の防止と誠実な対応を示す
  • 再発防止に向けた環境調整(通院・家族の監督など)

逮捕されている場合も、在宅で捜査が進んでいる場合も、早期の弁護活動が結果を左右します。

逮捕の流れや会社に知られないための対応は、次の記事もご覧ください。

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【本人・家族からの直接交渉は避ける】

加害者本人やご家族が被害者へ直接連絡すると、かえって状況を悪化させ、量刑上の不利益につながるおそれがあります。
示談交渉は弁護士を通じて行ってください。

弁護士に相談するメリットと費用

量刑・処分の見通しは事案ごとに大きく異なり、罰金で済むのか、不起訴を狙えるのか、執行猶予を目指すべきなのかは、専門的な判断を要します。

弁護士に依頼することで、示談交渉を適切に進め、限られた時間の中で最善の対応を取ることができます。

弁護士費用は、着手金・報酬金・示談交渉に関する費用などで構成されるのが一般的です。費用の内訳や相場の詳細は、次の記事をご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 盗撮の罰金はいくらくらいですか?

事案によりますが、罰金となる場合はおおむね30万〜50万円程度が一つの目安とされることが多いです。

撮影罪では法定刑として300万円以下の罰金が定められており、態様や常習性によって金額は変わります。

Q2. 罰金を払えば前科はつきませんか?

罰金も刑罰であり、罰金刑を受ければ前科は残ります。前科がつかないのは、不起訴(起訴猶予・微罪処分など)で終わった場合です。

前科を避けたい場合は、示談による不起訴を目指すことが重要です。

Q3. 初犯なら必ず罰金や執行猶予で済みますか?

初犯は軽い処分に向かいやすい事情ですが、必ず罰金・執行猶予で済むとは限りません。

常習性・余罪・撮影内容の悪質性・示談の有無などが総合的に考慮されます。

Q4. 執行猶予はどのような場合に付きますか?

言い渡される懲役(拘禁刑)が3年以下で、初犯・反省・示談などの事情が考慮された場合に、執行猶予が付くことがあります。

示談の成立は、執行猶予の獲得にも有利に働きます。

Q5. 会社に知られたくないのですが、処分に影響しますか?

会社への発覚と刑事処分は直接連動しませんが、弁護士が窓口となって手続きを進めることで、周囲に知られるリスクを抑えながら対応できる場合があります。

状況によって取りうる方法が異なるため、早めにご相談ください。

Q6:押収されたスマホから、過去の盗撮(余罪)が見つかったらどうなりますか?

余罪として立件され、処分が重くなる可能性があります。

警察は押収したスマートフォンに対し、データ解析(いわゆるフォレンジック調査)を行います。
削除した画像や動画であっても、復元される可能性はあります。

もし過去の盗撮画像が多数見つかった場合、余罪についても立件され、その被害者とも示談が成立しなければ、罰金刑となってしまう可能性があります。心当たりがある場合には、取り調べで不利な供述をしてしまわないよう、早い段階で弁護士に正直に相談することが重要です。

Q7:罰金はいつ払うのですか?分割払いはできますか?

原則として一括払いで、分割は認められていません。

略式起訴の場合、裁判所から「略式命令」とともに納付書が届きます。
支払期限は、命令が出てから数日〜数週間以内とされるのが一般的です。

罰金は原則として現金一括納付であり、分割払いは認められていませんが、検察庁に相談して、延納や分納が認められることもあります。
期限内に納付できない場合、最終的には労役場留置(刑務所内で作業を行い、その作業料を罰金に充てる)となることがあります。
換算額は1日5,000円程度とされるケースが多く見られます。

Q8:警察署で「微罪処分」と言われましたが、これは何ですか?

警察限りで事件を終了させる手続きで、罰金や前科は付きません。

微罪処分とは、極めて軽微な事案で、被害者が処罰を望んでいない場合などに、警察の判断で検察官へ送致せず、警察限りで事件を終わらせる制度です。

これに該当すれば、罰金も前科も付きません。
ただし、盗撮事件については近年処分が厳しくなっており、微罪処分となるケースは少なくなっています。
過度な期待はせず、今後の対応について弁護士に相談することが望ましいでしょう。

まとめ

盗撮の罰金相場は30万〜50万円程度が一つの目安ですが、実際に罰金で済むのか、不起訴を狙えるのか、あるいは正式起訴されて実刑・執行猶予が争点になるのかは、態様・常習性・示談の有無によって大きく変わります。

罰金でも前科は残り、前科を避けるには示談による不起訴が重要です。見通しと最善の対応は事案ごとに異なるため、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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