盗撮で任意同行を求められたら?拒否は可能か、逮捕に至る可能性と当日の流れ

2026年02月02日

盗撮で任意同行を求められたら?拒否は可能か、逮捕に至る可能性と当日の流れ

「警察から『署まで来て話を聞かせてほしい』と言われた」 「職務質問でスマホを見られ、そのまま警察署へ連れて行かれそうだ」

盗撮事件において、警察から「任意同行(にんいどうこう)」を求められたとき、恐怖でパニックになってしまう方は少なくありません。

「任意」という言葉の通り、断っても良いのでしょうか? それとも、行ったらそのまま逮捕されてしまうのでしょうか?

結論から言えば、任意同行をむやみに拒否し続けると「逮捕」されるリスクが極めて高くなります。しかし、正しい対応をとれば、その日のうちに帰宅できる可能性も十分にあります。

この記事では、盗撮事件に詳しい弁護士が、任意同行を求められた際の正しい対処法、当日の取調べの流れ、そして逮捕を回避するためのポイントを解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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盗撮における「任意同行」とは? 逮捕との違い

まず、今のあなたの状況が法的にどういう状態なのかを理解しましょう。

逮捕との決定的な違い

「任意同行」と「逮捕」は、法的に明確に異なります。

逮捕

身体拘束を受け、自由に帰宅することはできません。法的な強制力があります。

任意同行

警察署などへの任意での同行を求められている段階で、形式上は応じるかどうかの選択肢があります。

盗撮事件では、その場で現行犯逮捕に至らなかった場合でも、事情聴取のために「署で詳しく話を聞きたい」として任意同行を求められることは珍しくありません。

警察が任意同行を求める2つのパターン

盗撮で任意同行となるには、主に2つのパターンがあります。

現場で声をかけられたケース

駅や店舗で挙動不審な動きをしており、警察官に職務質問された場合。「ここでは人目があるから」と、近くの交番や警察署への同行を求められます。

後日、電話がかかってきたケース

防犯カメラの映像や通信記録などから身元が判明し、後日、警察から電話で出頭を求められるケースです。

任意同行は拒否できる?断り続けるとどうなる?

「任意なら、行きたくない」と考えるのは当然です。しかし、ここの判断を誤ると事態は悪化します。

法律上は「拒否」が可能だが…

刑事訴訟法第198条には、「被疑者は…出頭を拒み、又はいつでも退去することができる」とあります。つまり、法律上は拒否できますし、取調べの途中で帰ることも可能です。

「任意であれば行かなくてもよいのでは」と考えるのは自然なことです。ただし、対応の仕方には注意が必要です。

拒否し続けると「逮捕状」が出るリスクがある

特に注意したいのは、正当な理由なく任意同行を拒否し続けたり、警察からの連絡に応じなかった場合です。

そのような対応が続くと、警察から
「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」
と判断される可能性があります。

この要件が満たされると、裁判官に対して逮捕状が請求され、後日、通常逮捕に切り替わることもあり得ます。

盗撮で逮捕された後の流れやリスクについては、以下の記事で解説しています。

盗撮で逮捕されたら?その後の流れと解雇・前科のリスクを解説

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2025/12/18

盗撮で逮捕されたら?その後の流れと解雇・前科のリスクを解説

どうしても行けない場合の「日程変更」の頼み方

「今日はどうしても外せない仕事がある」「子供の迎えがある」といった正当な理由がある場合は、拒否ではなく「日程調整」を申し出てください。

  • 「捜査には協力します」という姿勢を見せる
  • 「今日は〇〇の用事で行けないが、来週の〇日なら行けます」と具体案を出す

このように対応すれば、逃亡の恐れはないと判断され、別日の出頭を認めてもらえる可能性が高いです。

盗撮の任意同行当日の一般的な流れ

実際に警察署に行くと、どのようなことをされるのでしょうか。一般的な盗撮事件の流れを解説します。

取調べ(供述調書の作成)

取調室に通され、以下のようなことを聞かれます。

  • 盗撮した事実に間違いないか
  • いつ、どこで、誰を撮ったか
  • どのような体勢・方法で撮ったか
  • 過去にもやったことがあるか(余罪)
  • なぜやったのか(動機)

話した内容は「供述調書」という書類にまとめられ、最後に間違いがないか確認して署名・指印を求められます。

スマホ・PCの提出(領置)

盗撮事件では、使用したスマートフォンの提出を求められることが一般的です。

 「任意提出してほしい」と言われますが、拒否しても「差押令状」を取られて強制的に持っていかれるため、実質的に断れません。

 ※解析には数週間〜数ヶ月かかり、その間スマホは返ってきません。

盗撮証拠のデータ解析・復元については、以下の記事で解説しています。

盗撮画像を削除しても復元される? 警察の解析能力と証拠隠滅のリスク

コラム

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写真撮影・指紋採取

本人確認のため、写真撮影や指紋採取などが行われることがあります。いずれも原則として任意ですが、拒否すると手続きが長引く可能性があります。

帰宅

素直に捜査に協力した場合、手続きは2時間〜半日程度で終わることが多いです。 「逃げません」「証拠(スマホ)も出しました」という状況になれば、その日のうちに帰宅(在宅捜査へ移行)できるケースがほとんどです。

任意同行から「そのまま逮捕」されてしまうケース

次のような事情がある場合、逮捕の判断がなされることがあります。

容疑を否認した場合

明らかにスマホに盗撮画像が残っているのに「やっていない」「盗撮するつもりはなかった」と無理な否認をすると、「証拠隠滅の恐れあり」として逮捕される可能性が高まります。

住居不定や身元引受人がいない場合

一人暮らしで連絡がつかない、定職がないといった場合、「逃亡の恐れ」を疑われます。同居の家族などに「身元引受人」として署まで迎えに来てもらうことで、逮捕を回避できるケースが多いです。

余罪が重大・多数である場合

スマホの解析により、過去数年にわたって数百件の盗撮が見つかったり、動画を販売していたりする悪質なケースでは、その場で逮捕判断が下されることもあります。

任意同行を求められた時点で弁護士に相談すべき理由

警察から連絡が来た、あるいは「〇月〇日に出頭して」と言われている段階であれば、まだ弁護士に相談する時間があります。 警察署に行く前に弁護士に相談するメリットは非常に大きいです。

逮捕を回避するためのアドバイスができる

ご自身の状況(証拠はあるか、余罪はあるか)を聞き取り、「素直に認めるべきか」「黙秘すべきか」等の戦略を立てられます。適切な方針で臨むことが、逮捕回避への近道です。

弁護士が警察と日程調整できる

弁護士から警察へ連絡し、「本人は反省しており、逃亡もしません。〇日に出頭させます」と伝えることで、警察官の態度が軟化することがあります。

被害者の特定と示談交渉へ動ける

盗撮事件で不起訴(前科がつかない処分)を目指すには、被害者との示談が最重要です。弁護士がいれば、警察を通じて被害者に接触し、早期に示談交渉を開始できます。

盗撮事件の示談交渉と弁護士の役割については、以下の記事で解説しています。

盗撮の示談金相場はいくら?ケース別の金額目安と弁護士に依頼するメリット

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まとめ:警察からの呼び出しは無視せず、まずは相談を

盗撮で任意同行を求められた場合、連絡を無視したり、感情的に拒否することは得策とは言えません。状況に応じて適切に対応し、必要に応じて専門家の助言を受けることが、今後の負担を最小限に抑えることにつながります。

警察からの連絡に不安を感じている場合は、出頭前に一度弁護士へ相談することを検討してみてください。

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