離婚の財産分与で隠し財産は見つかる?調査方法と注意点を弁護士が解説

2026年02月19日

離婚の財産分与で隠し財産は見つかる?調査方法と注意点を弁護士が解説 

「夫が給与明細を見せてくれない」
「貯金はないと言われているが、少し不自然に感じる」

離婚の話し合いを進める中で、相手が財産をきちんと開示してくれているのか、不安を感じる方は少なくありません。
財産分与は、離婚後の生活設計にも関わる大切な問題です。十分な情報がないまま話を進めてしまうと、本来分けるべき財産を見落としてしまうおそれもあります。

結論として、状況に応じた法的手段を用いることで、隠されていた財産が明らかになるケースは一定数あります。

この記事では、これまで多くの離婚案件に携わってきた弁護士が、
・隠し財産が問題になる理由
・主な調査方法
・隠蔽が判明した場合に考えられる影響
について、できるだけ分かりやすく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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離婚の財産分与で「隠し財産」が問題になりやすい理由

 「通帳を手元に置かなければ分からないだろう」と考える方もいますが、実際には金融取引には記録が残るため、専門家が関与すると把握できる場合があります。

日本の制度上、一定の条件を満たせば、第三者機関を通じた調査が可能です。代表的な方法を2つご紹介します。

弁護士が利用できる「弁護士会照会(23条照会)」

 弁護士会照会とは、弁護士が所属する弁護士会を通じて、金融機関や企業に対し、必要な情報の提供を求める制度です。
個人からの問い合わせには対応しない金融機関でも、この制度を通じて、口座の有無や取引の存在が確認できることがあります。

※すべての情報が必ず開示されるわけではありませんが、有力な調査手段の一つです。

裁判所を通じた「調査嘱託」

離婚調停や離婚訴訟の中では、裁判所を通じて金融機関等に調査を依頼する「調査嘱託」という手続きが利用されることがあります。
裁判所からの正式な依頼となるため、回答が得られる可能性は比較的高く、財産関係を整理するうえで重要な手段です。

相手の財産を確認するための3つのステップ

いきなりすべてを弁護士に任せるのではなく、事前に情報の手がかりを整理しておくことで、調査がスムーズになることがあります。

自分で確認できる資料を整理する(別居前が望ましい)

同居中であれば、以下のような資料を確認できる場合があります。

・銀行や証券会社からの郵便物(封筒のみでも可)
・保険会社から届く控除証明書
・給与明細、源泉徴収票
・自宅に保管されている通帳やキャッシュカード

無理のない範囲で、存在を確認しておくことが大切です。

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弁護士に調査を依頼する

「金融機関が全く分からない」という場合でも、勤務先や居住地などから、一定範囲を対象に調査を行えることがあります。
事前に集めた情報をもとに、弁護士が調査対象を整理します。

裁判所の手続きを利用する

任意の話し合いで開示が進まない場合は、離婚調停を申し立て、調査嘱託を利用することになります。
財産開示に消極的な姿勢は、調停や裁判の中で考慮される事情の一つとなることもあります。

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よくある隠し場所として注意したい「へそくり」と「デジタル資産」

 「へそくり」は財産分与の対象になる?

 一般に、婚姻期間中に形成された財産は、名義にかかわらず財産分与の対象になります。
生活費をやりくりして貯めたお金であっても、婚姻中の協力によって形成されたと評価される場合は、分与の対象になるのが通常です。

ネット銀行・暗号資産・電子マネー

近年は、通帳のないネット銀行や暗号資産、電子マネーに資金が移されているケースも見られます。
以下の点を確認することで、手がかりが見つかることがあります。

・銀行口座から不明な送金がないか
・クレジットカード明細に取引所への支払いがないか
・スマートフォンに関連アプリが入っていないか

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隠蔽が判明した場合に考えられる影響

財産を意図的に開示しなかったことが判明した場合、単に「見つかった分を分ける」だけで終わらないケースもあります。

手続き上、不利に考慮される可能性

調停や裁判では、財産開示に誠実でない態度が、判断に影響する事情として考慮されることがあります。
結果として、分与方法や割合の判断に影響が出る可能性があります。

離婚後でも請求できる期間がある

離婚後に隠されていた財産が判明した場合でも、離婚から2年以内であれば、財産分与を求める申立てが可能です。
気づいた時点で、早めに専門家へ相談することが重要です。

財産隠しが疑われる場合は、早めの相談を

 「うまく隠されているのでは」と感じて、何もせずに話を進めてしまうと、後から対応が難しくなることもあります。
一方で、すべてのケースで隠し財産が存在するとは限らないため、冷静な見極めも必要です。

少しでも不自然に感じる点があれば、弁護士に相談することで、
・調査が可能か
・見込みはどの程度か
といった点を整理できます。

当事務所では、初回相談を無料で承っております。離婚問題でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

Q.相手が別居後に財産を使ってしまった場合はどうなりますか?

A. 財産分与では、別居時点の財産額を基準に算定されるのが一般的です。別居後の不合理な支出については、状況に応じて考慮される可能性があります。

Q.明確な証拠がなくても相談できますか?

A. はい、可能です。

「少し気になる」という段階でも、弁護士が状況を整理し、確認すべきポイントをお伝えできます。早めの相談が、結果的に選択肢を広げることにつながります。

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