個人再生の費用相場を徹底解説|「払えない」と感じたときの分割払いという選択肢

2026年02月20日

個人再生の費用相場を徹底解説|「払えない」と感じたときの分割払いという選択肢

個人再生の費用相場を徹底解説|「払えない」と感じたときの分割払いという選択肢

個人再生を検討する際、多くの方が気になるのが「手続きにどれくらい費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
「自己破産より費用が高いと聞いた」「住宅ローンを抱えた状態で、まとまった金額を用意できるか不安」など、費用面で迷われる方は少なくありません。

確かに、個人再生は債務整理の中では比較的費用がかかる手続きです。ただし、あらかじめ多額の資金を用意していなければ利用できない制度、というわけではありません。
本記事では、個人再生にかかる費用の目安や内訳、実際によく使われている支払い方法について、順を追って解説します。

なお、「そもそも個人再生とはどのような手続きなのか」「自分が条件を満たしているか知りたい」という方は、先に以下の記事で基礎知識をご確認ください。

個人再生とは?借金を大きく減らし、マイホームを守るための仕組みと条件

コラム

2026/02/17

個人再生とは?借金を大きく減らし、マイホームを守るための仕組みと条件

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

詳しくはこちら

個人再生費用の総額シミュレーション

個人再生にかかる費用は、「裁判所に納める実費」と「弁護士費用」を合計した金額になります。

手続きの種類

目安

ポイント

小規模個人再生

約40万〜70万円

主に会社員や個人事業主の方が利用する、最も一般的な手続きです。

給与所得者等再生

約45万〜75万円

債権者の同意が不要な点が特徴で、その分やや費用が高くなる傾向があります。

住宅ローン特則利用

+5万〜10万円

自宅を残すための追加対応が必要になるためです。

※あくまで相場であり、事案の内容や裁判所、依頼先によって前後します。

内訳(1):裁判所へ支払う費用(実費・予納金)

裁判所の手続きを進めるために必要となる、いわば定額的な費用です。

・収入印紙・郵券代(約1万〜2万円)
 申立て手数料や、債権者へ通知を送るための切手代です。

・官報掲載費(約1万4,000円前後)
 個人再生の開始決定などが、国が発行する官報に掲載されます。

・個人再生委員の予納金(約15万〜25万円)
 裁判所が中立的な立場の弁護士(個人再生委員)を選任した場合に必要となる費用です。

※裁判所ごとの運用に注意
東京地裁のように原則として再生委員が選任される裁判所もあれば、弁護士が代理人に就いている場合は選任されない(=予納金が不要)裁判所もあります。
この点で、地域差により総額が変わることがあります。

内訳(2):弁護士費用(サポート報酬)

個人再生は、提出書類の量が多く、「再生計画案」という専門的な書類の作成も必要になるため、任意整理などと比べると弁護士費用は高めに設定される傾向があります。

主な内訳は以下のとおりです。

・着手金
 依頼時に発生する費用で、手続き準備や申立て対応に充てられます。

・報酬金
 再生計画が認可され、借金の減額が確定した段階で発生します。

・住宅ローン特則に関する加算
 金融機関との調整や書類作成が複雑になる場合に設定されることがあります。

※着手金・報酬金ではなく、依頼時に手数料という名目にして着手金・報酬金という区別をしない形の支払いとなることも多いです。

「今すぐまとまったお金がなくても進める」ための3つの工夫

「一括で数十万円を支払うのは難しい」という方でも、実際は次のような方法が取られることが一般的です。

受任通知による返済の一時停止

弁護士に依頼すると、債権者に受任通知が送られ、貸金業者への返済や督促が止まります
これまで毎月返済に充てていた費用を、弁護士費用の積み立てに回すことができます。

弁護士費用の分割払い

多くの法律事務所では、分割払いに対応しています。
裁判所へ申立てを行うまでの準備期間(おおむね3〜6ヶ月)を利用し、無理のない金額で分割して支払う形が一般的です。

履行テスト(積立金)の活用

個人再生では、将来の返済能力を確認するため、数ヶ月間の積立(履行テスト)を行うことがあります。
この積立金は、最終的に個人再生委員への予納金に充てられるケースも多く、追加の負担を抑えられることがあります。

よくある質問(FAQ)

Q.司法書士に依頼した方が費用は安くなりますか?

A. 地域によっては、結果的に弁護士に依頼した方が総額を抑えられる場合があります。
司法書士は裁判所の代理人になれないため、個人再生委員がほぼ必ず選任され、予納金が追加で必要になる運用の裁判所もありますし、開始決定後の再生計画案の作成などについて、個人再生委員や裁判所とご自身でやりとりすることは難しいことだと言わざるを得ません。
表面的な費用だけでなく、トータルコストで比較することが重要です。

Q.自己破産より費用が高くなる理由は何ですか?

A. 個人再生は、借金を減額したうえで返済を続けるための計画を作成・管理する手続きだからです。
返済計画の作成や監督が必要になる分、手続きの負担が大きく、費用にも反映されます。

Q.借金額がそれほど多くなくても、費用は同じですか?

A. 手続きの内容自体は変わらないため、基本的には同程度の費用がかかります。
借金額によっては、任意整理の方が全体の支出を抑えられる場合もあるため、減額効果と費用のバランスを見て判断します。

まとめ:費用だけでなく「どれだけ借金が減るか」も考える

個人再生を検討する際は、支払う費用だけでなく、どれだけ借金が減額されるにも目を向けることが大切です。

たとえば、
・借金500万円の場合: 約400万円が減額され、返済は約100万円に
・借金1,000万円の場合: 約800万円が減額され、返済は約200万円に

このように、減額される金額との比較で考えると、50万〜60万円前後の費用が、生活を立て直すための合理的な選択となるケースも少なくありません。

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