不倫の代償!社会的制裁や慰謝料について専門弁護士が解説
最終更新日: 2023年12月08日
不倫をしたら配偶者にどのような代償を払うの?
代償として支払う慰謝料はどれくらい?
不倫相手に対して支払う代償はらうことはあるの?
不倫問題は犯罪ではありませんが、民法上は違法行為です。そのため、何事もなく終わる不倫もあれば、人生が一変するような大きな代償を払うこともあります。
今回は、不倫に伴う代償について、不倫問題を数百件解決してきた専門弁護士が解説します。
不倫をした配偶者が払う代償
不倫をした配偶者はその人生を一変させるほどの様々な代償を払うことになります。以下いくつか見て行きましょう。
- 子どもと財産を失う代償
- 離婚できず別居が続く代償
- 仕事を失う代償
子どもと財産を失う代償
不倫をした結果、配偶者と離婚することがあります。
離婚をして配偶者が子どもの親権者になると、子どもとの面会は月に1回できるかどうかになってしまうこともありますし、不倫した親と会いたくないと子どもが言えば月1回の面会すらできません。
また、離婚の際には財産分与や慰謝料の支払いによって、自宅をはじめ大半の財産を失うこともあります。
このように不倫をして離婚するときには大きな代償を払うこととなります。
離婚できず別居が続く代償
一方、離婚をしない場合にも大きな代償を払うことがあります。
離婚はしないけれども別居することになったときは、収入が大きい方の配偶者が他方に対して生活費として婚姻費用を毎月支払う義務があります。不倫をした配偶者の収入が大きいときは、不倫をした配偶者が婚姻費用を支払います。
例えば、14歳未満の子が1人、不倫をした配偶者の年収が600万円、不倫をされた配偶者の年収がゼロであれば、毎月約13万円の婚姻費用を支払う必要があります。
この婚姻費用の支払いは離婚が成立するか夫婦の一方が亡くなるまで続きます。不倫をすると有責配偶者として自分からは離婚ができなくなりますので、配偶者が了承してくれないと離婚ができません。
そのため、家族の実体が無くなっているにもかかわらず、何年も何年もこのような婚姻費用を払い続けなければならなくなるのです。これも大きな代償です。
仕事を失う代償
さらに家庭内だけでなく、職場においても代償を払うことがあります。
社内不倫だった場合、それが職場にばれたときは、職場から何らかの処分を受ける可能性があります。懲戒処分は免れたとしても、異動、左遷などの制裁人事を受けることがありますし、職場に居づらくなり自主退職せざるを得なくなるかもしれません。
このように社内不倫をした場合には、職を失う代償を払うことがあるのです。
不倫相手が払う代償
不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手も代償を払うことになります。以下見て行きましょう。
- 高額な慰謝料を払う代償
- 職場にいられなくなる代償
高額な慰謝料を払う代償
まず、不倫相手の払う代償は、不倫された配偶者に対する慰謝料の支払いです。低い場合でも数十万、高いときは数百万円もの慰謝料を支払うことになります。
このように不倫相手においても経済的に大きな代償を払うことになります。
職場にいられなくなる代償
また、社内不倫の場合、職場で代償を払うのは不倫をした配偶者だけではありません。
不倫相手も職場で白い目で見られたり、露骨な嫌がらせを受けることがありますし、不倫をした配偶者と同様、左遷、異動の制裁人事を受けることもあります。そして、職場に居続けることが辛くなり退職を余儀なくされるかもしれません。
このように不倫相手も経済的な代償のみならず職を失う代償を払うことがあります。
不倫の代償として支払う慰謝料はいくら?
不倫をした配偶者や不倫相手は代償として慰謝料を支払います。この代償として支払う慰謝料はどれくらいなのでしょうか。
交通事故の慰謝料は入院期間、通院期間をもとにその金額を算定する方法が確立されています。しかし、不倫の慰謝料についてはその算定方法がそこまで明確には確立されていません。
そのように明確な算定方法がない中でも、不倫の結果、離婚するときは200万円、離婚しないときは100万円という考え方は多くの弁護士、裁判官の間で争いがありません。
そして、不倫の慰謝料は、婚姻期間の長さ、不倫期間の長さ、従前の夫婦関係の良し悪し、不倫による妊娠・出産の有無、不倫相手の反省態度などの諸々の事情によって、上記の100万円、200万円から慰謝料の金額が増減します。
例えば、婚姻期間が1年未満と短く、離婚しない場合、慰謝料は100万円から減額され70万円ほどになる可能性が高いですし、不倫期間が20年以上など長期で、離婚する場合、慰謝料は500万円ほどになることもあります。
慰謝料の増減金額はこの事情があれば幾らというように明確ではなく、弁護士や裁判官の感覚によるとことが大きいところがまた、不倫の慰謝料の算定を不明確にしてしまっています。
不倫をした配偶者が不倫相手に払う代償
最後に、不倫当事者間で払うことになる代償を見て行きましょう。
不倫解消の際に払う代償
不倫関係を解消する際に揉めてしまうことはよくあります。
喧嘩別れになるだけであればまだ良いのですが、別れるなら家族や会社に不倫をばらすなどと脅されて別れられず、日々、怯えながら生活することを強いられることがあります。
また、別れること自体には同意してもらったものの、その代わりに、手切れ金、慰謝料を求められることがあります。この場合も、それを払わないのであれば家族や会社に不倫をばらすと脅されるのです。
このように家族や会社などに知られたくない関係という不倫関係の弱みが、不倫相手との関係解消の際に利用され、代償を払うことになるケースはよくあります。
妊娠・出産の代償
また、不倫相手が妊娠して、中絶することは拒否して出産することがあります。
不倫相手との間の子とはいえ、自身が父親であることに変わりはありませんので、認知を求められることはありますし、それを拒否すれば家庭裁判所に申立てをして強制的に認知させられることもあります。
そうしますと、自身の戸籍に子として記載されることになり、いつか妻に知られてしまうのではないかと怯えながら生活することになります。
また、不倫相手との間の子に対しては、養育費を20年間もの長期にわたって支払うことになるのです。
とりわけ短期間の遊び程度の不倫関係だった場合には、そのような浅い関係だったにもかかわらず向こう20年もの間、養育費の支払負担を負うことは精神的にも負担となるでしょう。
このように、不倫相手が妊娠、出産した場合にも大きな代償を払うこととなります。
まとめ
以上、不倫問題において払うことになる代償について解説しました。
不倫相手に慰謝料を請求したい、慰謝料を請求された、不倫相手との間で揉めている、いずれの場合も最善の解決のためには、不倫問題を専門とする弁護士にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。