LINE(ライン)は不倫・浮気の証拠となるのか?

LINE(ライン)は不倫・浮気の証拠となるのか?

2019年10月24日

1 はじめに

配偶者の不貞行為に気づいたら、不倫相手にすぐに慰謝料を請求したいと考える方も多いでしょう。

「既婚者であると分かって自分の配偶者に手を出した不倫相手を許すことはできないので、今すぐ連絡をして不貞行為について不倫相手を追及したい」、「不倫相手とのやり取りの中で不貞行為を自白させる自信がある」、そのように思う方もおられるかもしれませんが、一旦冷静になりましょう。

もし、不倫相手や配偶者が不貞行為の事実を否定したらどうしましょうか。

いくら不貞行為があったと言っても不倫相手が否定している場面では、不貞行為を主張するだけでは不倫相手に慰謝料を支払わせることはできません。また、不貞行為が配偶者にバレたと知れば、不倫相手は警戒し、その後は、不貞行為の証拠を掴むことが難しくなります。

ですから、配偶者が不貞行為をしていることは間違いないと思ったら、まずは不貞行為の証拠を固めましょう。

配偶者のLINEアプリやメールを見て不貞行為が発覚したというケースは非常によくありますので、今回は、LINEアプリやメールを不貞行為の証拠として使う場合の留意点についてご説明いたします。

2 そもそもLINE(ライン)やメールは不倫・浮気の証拠になるのか

証拠というと探偵の調査結果や録音などが想起され、メール、とりわけLINEアプリのようなアプリでの不倫相手とのや
り取りは証拠にならないのではないかと考える方も少なからずおられます。

もっとも、LINEアプリやメールでの配偶者と不倫相手との生々しいやり取りが、スクリーンショットやテキスト形式で裁判に証拠として提出されることは非常によくありますし、LINEアプリやメールだから証拠能力が否定されたり、証拠力が弱いと評価されることはありません。LINEアプリやメールでの証拠も探偵の調査結果などと同様、立派な証拠となります。

3 配偶者のメールやLINE(ライン)を見ることは違法か

配偶者が家の中で、どこに行くにもスマホを手放さなくなった、寝る時もスマホを持って寝ている、誰かとこそこそスマホで電話をして連絡を取り合っているなど、相手の行動がおかしく、スマホの中に不倫相手との不貞行為の証拠がある可能性を考え、配偶者のスマホを勝手に見ることはよくあります。

そして、スマホに残っている着信履歴をチェックしてみたら、不倫相手と思しき相手と何度も電話で連絡を取っている、メッセージのやり取りがある、自分の知らないチャットアプリを使って不倫相手とメッセージのやり取りをしていることがわかり、不貞行為を確信したというケースはよくあります。

このように、配偶者のスマホの中に不貞行為の証拠となるLINEアプリのメッセージやメールのやり取りがあった場合に、これを他の携帯やパソコンに移したり、写真に撮ったりすることは違法行為とはならないのでしょうか。

この点については、違法行為とはならず、証拠能力も認められる可能性が十分にある一方(実際、証拠能力が争われるケースは少ないです。)、許容されないプライバシー侵害であるとして証拠能力を否定した裁判例もあります。

そこで、LINEアプリやメールは、その入手方法・態様によっては裁判においては証拠能力を否定される可能性もなくはないということを一応、念頭に置いておくべきかと思います。

4 どのようなLINE(ライン)、メールの内容が不倫・浮気の証拠となるのか

不貞行為とは、平穏な婚姻生活を侵害する行為ですから、必ずしも性行為に限られるものではありませんが、争いなく不貞行為に該当するのはやはり、性行為です。
ですから、LINEアプリやメールの内容としても配偶者と不倫相手との間に性行為があったことを強く推認させるやり取りが求められます。

例えば、LINEアプリのメッセージやメールの文面に、不倫相手と配偶者との過去の性行為の内容を振り返ったやり取りがあったり、ラブホテルに行ったことについてのやり取りがあるケースはよくあります。
このようなやり取りがあった場合、不倫相手が配偶者との不貞行為を否定することは困難です。

他方、ラブホテルに行く約束をしているだけであれば、結局行かなかったとの反論が不倫相手からなされる可能性があります。

また、「愛してる」、「好きだよ」というようなやり取りはよく見られるところですが、好意はあったけれど性行為には及んでいないと不倫相手が反論をしてくることがありますし、このようなやり取りだけで性行為を認定することはできません。

原則として、かかる発言だけで、平穏な婚姻生活を害する不貞行為とも評価されません。

一方で、性行為には至っていないけれども、性的な行動やキスをしたことを推認させるやり取りのあるケースもあります。

これらの性的な行動やキスも不貞行為ですから、不倫相手に慰謝料を請求する根拠となります。
ただし、性行為よりも慰謝料金額は低くなるのが一般的です。

5 既婚者とは知らなかったという不倫相手の反論に備えた証拠集め

不倫相手から慰謝料を支払ってもらうためには、不倫相手において、配偶者が既婚者であることを知っていたか、少なくとも知っていて然るべきであったということが必要です(不貞行為に故意又は過失が必要です。)。

慰謝料請求をしたところ、婚活アプリで知り合ったので当然相手は独身だと思っていたという不倫相手の反論や、出会った当初からずっと独身だと聞いていたので既婚者だとは全く疑っていなかったという不倫相手の反論がなされることがしばしばあります。

そうした場合、不倫相手に故意又は過失があったという点は慰謝料を請求する配偶者において証明しなければなりません。

不倫相手において配偶者が既婚者であることを知っていたか否かについて証明する有力な証拠は、不倫相手と配偶者が私的にやり取りをしているLINEアプリのメッセージやメールです。

そのやり取りの中に例えば、「妻は実家に帰ってるから、今晩は会えるよ」、「離婚して一緒になりたい」といった配偶者の不倫相手に対する発言や、「早く離婚して」といった不倫相手の配偶者に対する発言があれば、不倫相手において相手が既婚者であることを知っていたことは容易に立証できるでしょう。

6 LINE(ライン)やメールの証拠以外での利用方法

LINEアプリのメッセージやメールの中に不貞行為が明らかにわかる内容はなかったという場合でも、不倫相手に慰謝料を請求する際の交渉で、そのようなやり取りが役に立つ場合はよくあります。

交渉においては、不倫相手において裁判は回避したい事情、不倫相手において一刻も早く慰謝料請求事件を解決しなければならない事情、不倫相手の経済力など様々な事情を踏まえ、最適な交渉方針を策定します。

LINEアプリやメールでのやり取りからは、これらの不倫相手に関する情報が多く得られる可能性があり、有益な情報が得られれば交渉を有利に進めることができます。

したがって、仮にLINEアプリやメールに不貞行為を推認させるようなやり取りがなかったとしても、証拠として保全することを怠らないようご注意ください。

7 最後に

以上、不貞行為についての慰謝料請求においてメールやLINEアプリを証拠として使用する場合の留意点についてご説明しました。

誰が見ても不倫相手との不貞行為が明らかな内容のやり取りがあれば問題ありませんが、そうではない場合も、弁護士において確認すれば、不貞行為を立証できるような場合もあります。

不貞行為を立証できるかどうか不安な場合は、一度証拠をもって不貞行為の慰謝料請求について経験豊富な弁護士にご相談ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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