ダブル不倫とは?ダブル不倫における慰謝料請求について

ダブル不倫とは?ダブル不倫における慰謝料請求について

2019年08月21日

1 はじめに

いわゆるダブル不倫とは、不倫をした二人がともに既婚者である場合をいいます。

一方だけが既婚者である場合には、その方の配偶者だけが慰謝料を請求することができるのですが、ダブル不倫の場合は、双方の配偶者が被害者であり慰謝料を請求できるという点で気を付けるべき点や、解決方法に違いがあります。

そこで、今回はダブル不倫の慰謝料請求についてご説明いたします。

2 不倫相手の配偶者から自分の配偶者への慰謝料請求に気を付けましょう

例えば自分の夫が不倫をしたので不倫相手の女性に慰謝料請求を考えている場合、その女性の夫もまた被害者ですから、自分の夫に慰謝料請求をしてくる可能性があります。

そうすると、せっかく不倫相手から慰謝料を支払ってもらったにもかかわらず、今度は自分の配偶者が慰謝料を払うことになり、仮に慰謝料の金額が同じであれば、プラスマイナスゼロになってしまいます。

もちろん、不倫が発覚して、離婚することになった場合には、家計は別々になるわけですから、不倫相手の配偶者から自分の配偶者に慰謝料請求がなされても構わないとことになります。

もっとも、その場合でも、自分の配偶者から養育費を支払ってもらう場合には、不倫相手の配偶者に慰謝料を支払った結果、経済的に困窮してしまい養育費の支払いに影響が出ることを懸念すべき場合もあるかもしれません。

3 慰謝料の金額は同じになるのか

ダブル不倫の場合、双方の配偶者が被害者として、不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
では、その慰謝料の金額は同じになるのでしょうか? 答えは、ノーです。

慰謝料とは、精神的苦痛という損害に対する賠償です。そして、不倫をされた被害者が被る精神的苦痛は、必ずしも同じにはなりません。

不倫慰謝料の金額は、婚姻期間、子の有無、不貞期間、別居・離婚の有無などの事情を踏まえて決まります。

ダブル不倫の場合、不貞期間など不貞行為の内容については、当然同じですが、婚姻期間の長さや、不倫が発覚した結果、別居・離婚に至るかどうかはそれぞれの夫婦によって自ずと異なってきます。

例えば、一方はこれからも婚姻関係を継続していくけれども、他方は離婚してしまった場合、離婚してしまった配偶者が被る精神的苦痛の方が大きいと判断されるでしょう。

その結果、慰謝料の金額にも違いが出てくることになります。

4 ダブル不倫の解決方法

(1)いずれの夫婦も離婚はせず、今後も夫婦関係を継続していく場合

不倫をした当事者である二人と被害者であるそれぞれの配偶者の4者間で和解をするケースが多いです。

この場合、それぞれが慰謝料を支払っても、結局はお金が行ったり来たりするだけで意味がありませんので、慰謝料の支払いはしないケースがほとんどです。

そして、不倫をした二人が今後接触をしないこと、不倫の事実を口外しないことといった誓約をする内容の和解書を作成することになります。

(2)いずれの夫婦も離婚することになった場合

離婚することになった場合には、家計が別になることから、基本的には自分の配偶者に対して慰謝料請求がなされても構わないと考えることになります。

そのため、不倫をした二人のそれぞれの配偶者が不倫相手に対して慰謝料請求をし、慰謝料の支払いを受けて終えることになります。

(3)一方は離婚することになったが、他方は婚姻関係を継続する場合

離婚することになった夫婦については家計が別になりますので、不倫をされた被害者は、自分の配偶者が慰謝料を支払うことになっても構わないと考えるのが通常ですから、不倫相手から慰謝料の支払いを受けることになります。

他方、夫婦関係を継続することになった夫婦は問題が生じます。

すなわち、不倫をされた被害者は不倫相手に慰謝料を請求してその支払いを受けることができますが、他方で、自分の配偶者も不倫相手の配偶者に慰謝料を支払うことになります。

しかも、相手の夫婦は離婚しているため、自分の配偶者が相手に支払う慰謝料の金額の方が、自分が不倫相手から支払ってもらう慰謝料の金額よりも大きくなるのが通常です。そのため、家計全体としては、プラスマイナスゼロどころか、マイナスになってしまうのです。

このようなケースでは、できる限り自分の配偶者が支払う慰謝料の金額と自分が不倫相手から支払ってもらう慰謝料の金額の差が大きくならないように交渉していくこととなります。

5 不倫相手の配偶者は不倫を未だ知らない場合に気を付けること

不倫相手の配偶者が未だ不倫の事実を知らない場合、不倫を知った後に自分の配偶者に対して慰謝料請求をしてくる可能性があります。

そうしますと、自分が支払いを受けた金額と同じ金額を、配偶者が不倫相手の配偶者に支払うことになれば、家計全体としてはプラスマイナスゼロになってしまいますし、不倫相手の配偶者に支払う慰謝料金額の方が多いとむしろマイナスになってしまいます。

したがって、このようなケースでは、まず不倫相手がその配偶者に不倫の事実を言ってはならないことを和解条件とするとともに、万一、不倫の事実を知り慰謝料請求をしてきた場合には、相手の配偶者に支払った金額と同額を不倫相手に支払ってもらうような条項を和解書に盛り込むと良いでしょう。

6 最後に

以上、ダブル不倫の場合の慰謝料請求についてご説明しました。

できる限り有利に解決するためには、ダブル不倫の法律問題について経験、ノウハウが豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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