刑事事件の弁護士費用を解説!料金の詳細と依頼のポイントを詳しく紹介
最終更新日: 2023年09月18日
- 刑事事件を起こしたとき、弁護士を立てるにはどれ位の費用がかかるのだろう
- お金に余裕がなくても国選弁護人は無料と聞いた、本当だろうか?
- 自分が費用を払ってでも弁護士(私選弁護人)に依頼する必要はあるのだろうか
刑事事件を起こした場合や、刑事事件を起こしたと疑われた場合、被疑者を法律的にも、精神的にもサポートするのが弁護士です。
たとえ警察から逮捕された後でも、弁護士(私選弁護人)ならばすぐに面会へ駆けつけ、最善の対応を話し合います。
ただし、頼もしい存在となる弁護士ですが、費用はどの位になるのか、不安な方々も多いでしょう。
そこで今回は、数多くの刑事事件に携わってきた専門弁護士が、刑事事件でかかる弁護士費用(目安)、弁護士費用をかけるメリット等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 国選弁護人は基本的に無料だが、自由に弁護士を選べない他、勾留後からの対応となる
- 私選弁護人の報酬は100万円程度が目安となる
- 費用は高くても私選弁護人を選べば、経験豊かで対応の早い弁護士に弁護を任せられる
刑事事件でかかる弁護士費用とは
警察に逮捕された後は取り調べ等を受け、検察から起訴されて刑事裁判が行われます。そのようなとき、被疑者一人だけで対応するのではなく、弁護士を呼んでサポートが受けられます。
被疑者とその家族の中には、弁護士費用が気になる方々も多いでしょう。こちらでは、国選弁護人・私選弁護人の費用について解説します。
国選弁護人の費用は基本的に無料
経済的な貧困等で弁護士を選任できないならば、国費で裁判所から弁護士を選任してもらえる「国選弁護制度」が利用できます(刑事訴訟法第37条の2)。
本制度を利用すれば、基本的に無料で弁護士(国選弁護人)を立てられます。
ただし、被疑者が自由に国選弁護人を選任できないばかりか、国選弁護人を呼べるのは勾留後からです。自由なタイミングで被疑者の望む弁護士を呼べない点がデメリットです。
私選弁護人の費用には差がある
被疑者または家族が依頼して立てる「私選弁護人」は、刑事事件の実績が豊富な弁護士を自由に選べ、どのタイミングでも面会が可能です。
被疑者側で自由に弁護士を選びたい場合は、連絡の取り易さ、実績の確認等も必要ですが、弁護士費用はどの位なのかよくチェックしましょう。
なぜなら法律事務所ごとで、自由に弁護士費用は設定できるので、料金に差が出てしまうからです。
弁護士費用は基本的に「着手金」「成功報酬」の2つで構成されます。着手金は被疑者・家族の望むようなよい結果がでなくとも、必ず支払わなければいけません。
なお、一般的に依頼者が逮捕されている事件や裁判事件、犯行を否認する事件の場合、費用は高額になる傾向があります。
刑事事件でかかる弁護士費用の詳細
弁護士費用は着手金や成功報酬の他、様々な費用がかかります。弁護士への相談料や日当等についても確認する必要があるでしょう。
相談
一般的に法律事務所で法律相談を行うと、30分で5,000円〜が目安です。一方で当事務所をはじめ、法律事務所の中には面談、電話、LINE、メールいずれの相談も初回無料で対応する事務所もあります。
また、刑事事件を起こした依頼者が相談後に警察から逮捕された場合、すぐに弁護士が面会対応するという依頼者に配慮したサービスを提供する法律事務所もあります。
本サービスを設けている法律事務所ならば、事件化されるかもしれない不安な状況下でも、弁護士に継続かつ安心して相談ができます(費用:10万円程度)。
着手金
着手金は依頼するときに必ず支払う弁護士費用です。弁護士に依頼し、被疑者・家族の望むようなよい結果が得られなくとも負担しなければいけません。
着手金は依頼者がどのような状態かで、その金額が変化します。
- 逮捕されていない・釈放されている:約30万円
- 逮捕されてしまった:約50万円
成功報酬金
弁護士に依頼し被疑者・家族の望むようなよい結果となった場合に支払う費用です。
- 逮捕・勾留阻止:約20万円
- 勾留短縮:約10万円
- 保釈:10~30万円
- 示談・不起訴:20~50万円
- 執行猶予:0~50万円
なお、着手金と成功報酬を合わせれば、総額100万円程度はかかります。
特に逮捕・勾留阻止の依頼は約20万円かかるものの、この弁護が成功すれば自宅へすぐに戻れて、逮捕・勾留による精神的・肉体的な負担が大きく軽減されます。
日当
状況に応じた日当が発生する法律事務所もあります。接見日当・裁判日当は基本的に無料となっている場合も多くあります。ただし、法律事務所から遠方のケースならば日当が発生する可能性もあります。
法律事務所では全国対応をしている事務所があるので、自分の地域では日当が発生するのか、発生するならば金額はどれ位となるのか、よく確認しておきましょう。
自首同行
自首同行とは、依頼者が自首したいとき、一緒に弁護士が同伴するサービスです。
弁護士が自首の日時を調整し、自首の経緯を警察官に説明します。
十分に弁護士と相談したうえで自首同行してもらえるので、逮捕されてからあわてて弁護士を呼ぶよりも、冷静な対応ができるでしょう。
一般的に費用は約10万円程度ですが、たとえば事件化したならば着手金から同額分を控除するといった法律事務所もあります。
刑事事件の弁護士費用をかけるメリット
私選弁護人には弁護士費用を支払う必要があります。
しかし、弁護士に私選弁護人を依頼すれば、主に次のようなメリットがあります。
実績豊富な弁護士に依頼できる
被疑者・家族は弁護士を自由に選べるので、刑事事件に実績が豊富で、被害者への示談交渉を得意とする専門家に依頼できます。
逮捕・勾留阻止はもちろん、被害者側と示談が成立すれば、検察官が不起訴処分を決定する可能性も高くなります。
刑事事件をなるべく穏便に解決したい場合は、私選弁護人を立てた方がよいでしょう。
思い通りのコミュニケーションを取れる
国選弁護人とコミュニケーションがとれるのは、早くとも勾留後からです。一方、私選弁護人ならば、たとえ逮捕直後でもすぐに連絡が取れます。
迅速に弁護士が面会へ来れば、警察官から取り調べを受ける場合のコツ、その後の対応も話し合えて、被疑者(依頼者)は安心できます。
刑事事件で弁護士に費用をかけて依頼するときのポイント
弁護士費用を支払う以上、対応は早く、連絡が取り易く、どんな困難な状況でも諦めない弁護士に依頼したいものです。
弁護士を選ぶポイントとして、まず法律事務所のホームページを確認してみましょう。
即弁護活動を開始する
「依頼後、即対応」とホームページで明記している法律事務所ならばすぐに動き出してもらえることが期待できます。
被疑者が逮捕前に弁護士へ弁護を依頼していないと、逮捕後は警察官からスマートフォン等を取り上げられてしまうため、私選弁護人となる弁護士を選べません。
しかし、被疑者の逮捕の一報を知った家族が弁護士に相談し、依頼することも可能です。
依頼後すぐに行動を開始できる弁護士ならば、刑事手続きの早い段階から関われて、早期の釈放も期待できます。
いつでも連絡可能
弁護士に迅速な弁護活動を行ってもらうには、連絡手段も重要となります。
電話以外の連絡方法を用意しているのか、休日も連絡可能なのかもホームページで確認しましょう。
いつ何時逮捕されるかわかりません。逮捕が深夜となってしまう事態も十分考えられます。休日、昼夜を問わず対応する法律事務所ならば安心です。
困難な状況でも諦めない
被害者との示談交渉が決裂したり、刑事裁判で裁かれる事態となっても、決して諦めない弁護士を選びましょう。
弁護士が懸命に弁護活動を行っても、検察官が起訴を決定し、刑事裁判が開かれる可能性はあります。
そのようなときに、集めた証言・証拠を最大限に活かし、執行猶予判決や減刑を得るための努力を続ける弁護士が最適です。
諦めない弁護士を選ぶには、次の内容をホームページで確認しましょう。
- 刑事事件の実績が具体的に明記されている
- 刑事事件に関する記事が豊富
- 刑事事件の事例集が多い
このような内容が掲示されていれば、刑事事件を数多く扱ってきた、経験豊かな粘り強い弁護士であるとわかります。
まとめ
今回は多くの刑事事件に携わってきた専門弁護士が、弁護士費用の目安、私選弁護人を選ぶ必要性等について詳しく解説しました。
被疑者側が弁護士(私選弁護人)を選んで刑事手続きや裁判に望めば、不起訴または減刑となる可能性が高まります。
逮捕されそうなとき、または逮捕されたとき、速やかに弁護士へ相談し弁護を依頼してみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。