寺院規則の変更

最終更新日: 2023年11月17日

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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規則変更の概要

宗教法人は設立時に宗教法人法12条1項各号に掲げられた事項を寺院規則に定めて所轄庁の認証を受ける必要があります。

そして、例えば、公益事業や収益事業を始める場合など寺院規則を変更が必要となったときには、(1)寺院規則所定の手続を経て、(2)所轄庁の認証を受けることとなります(宗教法人法26条、28条)。

このように所轄庁の認証制度によって、宗教法人法のコンプライアンスを担保しようとしているのです。

宗教法人内部の手続(寺院規則)→所轄庁の認証(宗教法人法)

なお、包括被包括関係を廃止する場合には、公告や包括宗教団体への通知の手続きも必要となります。

寺院規則の変更手続

寺院規則所定の手続き

責任役員会決議、総代の同意、包括宗教団体の承認など寺院規則には規則変更の手続きが規定されていますので、そのとおりに手続きを履践する必要があります。

所轄庁の認証

寺院規則所定の手続きを履践した後は、所轄庁に寺院規則変更の認証を申請します。

申請の際には、認証申請書、変更しようとする事項を示す書類(規則の新旧対照表など)、規則で定めた手続を経たことを証する書類(責任役員会議事録、総代の同意書など)を提出します。

寺院規則所定の手続きを履践している限り、所轄庁は認証決定をしなければなりません。

このように所轄庁の審査は形式的に要件具備を審査するだけなのが原則ですが、檀信徒などから所定の手続きが履践されていないなどの情報提供があったときには、認証にあたり事実の有無を調査することができます(最高裁S41.3.31)。

なお、檀信徒の一部から反対があったとしてもそれだけでは認証決定がなされない理由にはなりませんが、不満のある檀信徒から規則変更認証に対する審査請求や取消訴訟を提起される可能性もありますので、そのような檀信徒とはできる限り協議を尽くすべきでしょう。

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