離婚協議書には何を書く?子どもの将来を守るために知っておきたい内容と進め方

最終更新日: 2026年04月06日

離婚協議書には何を書く?子どもの将来を守るために知っておきたい内容と進め方

「離婚協議書って、何を書けばいいの?」「そもそも作らないとダメ?」――そんな疑問や不安を感じている方は少なくありません。

特にお子さんがいるご家庭や、夫婦で築いてきた財産がある場合には、離婚後の生活をスムーズに進めるためにも、しっかりとした離婚協議書を作成しておくことがとても重要です。

この記事では、離婚協議書に盛り込むべき内容や、夫との話し合いがうまく進まないときの対処法を、実際の相談事例とともにご紹介します。

また、弁護士に依頼することでどんなサポートが受けられるのかも、わかりやすく解説。
「離婚に向けて動き出したいけれど、何から手を付ければいいかわからない…」という方も、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士
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職員が丁寧にお話を伺います初回無料

離婚協議書とは?作成する目的とメリット

離婚協議書とは、夫婦が話し合って決めた離婚条件を文章にしたものです。

協議離婚の場合、役所に提出する「離婚届」だけでも法的には離婚できますが、離婚届には親権に関する取り決めの欄しかなく、後々親権以外の部分でトラブルに発展する可能性があります。

たとえば、

  • 養育費が約束通りに支払われない
  • 財産分与の合意がなかったとして争いになる
  • 子どもの面会交流で揉める

こうした問題を避けるためにも、離婚協議書で離婚に際して決めておくべき内容について合意した内容を明文化しておくことが重要なのです。

さらに、この協議書を「公正証書」にしておくことで、将来トラブルが起きた場合に裁判をせずに強制執行(例:給料差押えなど)が可能になるという強力なメリットもあります。

離婚協議書に書くべき主な内容

離婚協議書に盛り込むべき基本項目は、以下の通りです。

項目は多いですが、ひとつひとつが将来の生活や子どもの安心を守るための大切な取り決めです。

離婚することへの合意

まずは、夫婦双方が合意して離婚することを明記します。

たとえば「夫○○○○と妻○○○○は、協議の上、2025年○月○日をもって離婚することに合意した」など。

親権と監護権の取り決め

未成年の子どもがいる場合は、どちらが親権を持つのかを必ず記載する必要があります。

必要に応じて、「日常的に子どもと暮らすのはどちらか(監護者)」も明確にしておきましょう。

養育費の金額と支払方法

養育費については、以下のような内容を具体的に決めます。

  • 月額いくら支払うか
  • 支払方法(例:毎月○日に○○銀行の指定口座へ振込)
  • 支払期間(例:子が満20歳になるまで)

また、「大学等進学時の費用はどうするか」「病気・けがなどの緊急時の費用負担はどうするか」なども事前に話し合っておくと安心です。

養育費の相場と具体的な計算方法、未払い時の対処法

養育費は、子どもの健やかな成長を支えるための大切な費用です。金額をどのように決めるか、未払い時の対策まで具体的に定めておくことが重要です。

【養育費算定表の徹底解説】

日本では、裁判所が公開している「養育費算定表」が養育費の目安となります。

この算定表は、両親の収入や子どもの人数、年齢に応じて養育費の目安を算出するためのものです。

 

【養育費算定表の基本的な見方】

  • 義務者(支払う側)と権利者(受け取る側)の収入:
    それぞれの年収(給与所得者・自営業者で算定表が異なります)を確認します。
  • 子どもの人数と年齢:
    未成年の子どもの人数と年齢(0~14歳、15歳以上)を確認します。

算定表の縦軸と横軸でそれぞれの収入をたどり、交差する部分が養育費の目安となります。

たとえば、父親の年収が500万円、母親の年収が100万円で、10歳未満の子どもが1人いる場合、4〜6万円程度が目安となります(※父母双方ともに給与収入の場合の金額です。自営の場合はこれと異なります)

※養育費算定表はあくまで目安であり、個別の事情(特別な教育費用、医療費など)に応じて増減する場合があります。

算定表を正しく理解し、ご自身のケースに合わせた適切な金額を設定することが重要です。

【支払い期間と終期】

養育費の支払い期間は、一般的に子どもが成人するまでとされます。民法改正により成人年齢は18歳になりましたが、養育費に関しては実情に合わせて「20歳まで」と定めるケースが多いです。

 

【具体的な決め方】

  • 支払期間 (例: 子が満20歳になるまで)
  • 支払方法 (例: 毎月○日に○○銀行の指定口座へ振込)
【特別な費用の取り決め】

基本の養育費以外に、以下のような費用についても別途協議し、取り決めておくことをおすすめします。

  • 大学等進学時の費用:
    大学の入学金、授業料、一人暮らしの費用など、多額になる可能性のある費用について、負担割合や積立方法を定める。

  • 医療費:
    子どもが特定の病気や障がいを抱えている場合、通常の医療保険ではカバーできない治療費や介護費用について。

  • 習い事・塾代:
    スポーツや芸術系の習い事、受験のための塾代など、高額になるものについて。
 【養育費が未払いになった場合の対処法】
  • 強制執行:
    離婚協議書を公正証書にしている場合、「養育費が支払われなくなった」という時に、相手の給料や財産を差し押さえる強制執行を行うことができます。これにより、裁判をせずに養育費を回収することが可能です。

  • 弁護士への相談:
    未払いが発生した場合は、速やかに弁護士に相談し、適切な対処法を検討することが重要です。

面会交流のルール

離れて暮らす親と子どもの交流(面会交流)も、トラブルになりやすいポイント。

以下のように具体的に決めておきましょう。

  • 月に何回会うか、どの曜日・時間帯にするか
  • 誕生日やクリスマスなど特別な日の対応
  • 面会場所や送迎の有無

財産分与の内容

夫婦で築いてきた財産(不動産、預貯金、車、保険など)について、どのように分けるかを明確にします。

名義変更の時期や、住宅ローンが残っている場合の取り扱いにも注意が必要です。

財産分与の基本を解説:対象財産、割合、計算例、注意点

財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して築き上げた財産を、離婚時にそれぞれの貢献度に応じて分配する制度です。 「離婚協議書の内容」の中でも特に複雑でトラブルになりやすい項目であり、詳しく定める必要があります。

【財産分与の対象となる財産】

財産分与の対象となるのは、婚姻中に夫婦の協力によって築き上げた「共有財産」です。

種類

具体例

説明

現金

預貯金(夫婦どちらかの名義でも婚姻中に築いたもの)

名義は関係なく、結婚後に貯めたものは共有財産です。

不動産

自宅、別荘、土地など

婚姻中に購入した不動産(住宅ローンが残っていても対象)。売却して現金化するか、一方が取得して代償金を支払う。

自動車

夫婦が所有する車

婚姻中に購入した車。

有価証券

株式、投資信託、債券など

婚姻中に形成された資産。評価時点に注意が必要です。

退職金

婚姻期間に対応する部分

将来確実に支給される退職金や既に支給された退職金は分与の対象となりえます。

年金

厚生年金、共済年金(婚姻期間に対応する部分)

年金分割制度を利用して、婚姻期間中の年金記録を分割できます。

その他

家電、家具、ゴルフ会員権、保険解約返戻金など

価値のあるものは全て対象となりえます。

財産分与の対象となる財産の範囲は意外と広いです。退職金や年金は忘れられがちですが、これらも重要な共有財産となるため、必ず確認しましょう。

一方で、婚姻前から各自が持っていた財産や、婚姻中でも相続・贈与によって得た財産は「特有財産」と呼ばれ、原則として財産分与の対象とはなりません。

【財産分与の割合】

財産分与の割合は、原則として夫婦それぞれ「2分の1です。これは、夫が外で働き、妻が専業主婦で家庭を支えていた場合でも、その貢献は同等と考えるのが現代の法的な考え方です。 

ただし、一方が多大な特殊な貢献(例:特別な才能や努力で莫大な財産を築いた場合など)をしたと認められる場合には、例外的に割合が変更されることもあります。

【住宅ローンが残る不動産の取り扱い】

住宅ローンが残っている不動産は、財産分与を複雑にする要因の一つです。

  • オーバーローン(負債>資産)の場合:
    不動産を売却してもローンを完済できない状態。
    売却代金でローンを返済し、残った債務は夫婦でどう負担するかを協議。
    任意売却や自己破産も選択肢として検討されることがあります。

  • アンダーローン(資産>負債)の場合:
    不動産を売却すればローンを完済でき、残金が発生する状態。
    一方が不動産を取得し、もう一方に代償金を支払う(前述の例)。
    不動産を売却し、売却益を分与する。

 

注意点:

  • 名義変更:
    ローンの名義と物件の名義が異なる場合、複雑な手続きが必要。

  • 連帯保証人:
    一方がローンの連帯保証人になっている場合、離婚後もその責任が残るため、金融機関との交渉が必要です。
【財産隠しへの対処法】

相手が財産を開示しない、または一部を隠している疑いがある場合、財産分与が公正に行われません。

  • 財産調査の方法:
    預貯金通帳のコピー、源泉徴収票、不動産の登記簿謄本、保険証券など、できる限りの資料を収集する。
    弁護士に依頼することで、弁護士会照会制度などを利用して財産調査を行うことも可能です。

  • 財産開示手続:
    裁判所を通して相手に財産を開示させる手続きです。しかし、時間と費用がかかるため、まずは弁護士と相談し、効果的な手段を検討しましょう。

慰謝料(ある場合)

不貞行為やDVなど、精神的苦痛が原因で離婚に至った場合は、慰謝料の支払いについても記載します。

金額・支払方法・期限などを具体的に決めましょう。

年金分割

厚生年金に加入していた期間中の記録は、離婚後に分割できる場合があります。

分割割合や手続き方法についても、必要に応じて盛り込みます。

その他

  • 住宅ローンの名義や支払い継続の有無
  • クレジットカード・保証人関係の整理
  • 公正証書化するかどうかの合意

離婚・慰謝料について
弁護士に状況をお伝えください

協議・調停・訴訟など、対応の流れをご説明します

よくある状況と対応例

子どもの将来を見据えた協議書を作りたいが…(30代女性・小学生の子ども1人)

「夫のモラハラに耐えかねて、離婚を考えるようになりました。子どものためにも穏やかに別れたいのですが、どこまで話し合えばいいのか、何を決めればよいのかが分かりません。」

このようなケースでは、モラハラ気質の夫と離婚の話し合いをすることは困難ですから、まず、弁護士が介入し、相談者と夫が直接やり取りする必要がなくなることが大きなメリットです。

そして、弁護士介入後は、親権を相談者が持ち、養育費を可能な限り高額になるよう夫側を説得し、面会交流のルールを相談者の希望を伺いながら丁寧に、離婚条件を設定していきました。

さらに、養育費の不払いを防ぐため、公正証書を作成。弁護士が代理人として介入することで、夫婦双方が感情に流されず、お子様の福祉を重視した冷静な合意形成が実現できました。

夫が協議に応じず、話がまとまらない(30代女性)

「離婚には合意しているのに、財産分与の話になると夫が、貯金を開示しれくれず、『それは俺の金だ』等と拒否してきて、全く進みません…。」

こちらのケースもやはり当事者同士の解決は困難なため、弁護士が代理人として介入する必要性が高いケースです。

法律上の財産分与の考え方を丁寧に説明し、財産の開示をさせた上で、退職金や不動産、生命保険等も含めた適正な分割案を提示しました。

専門家が入ることで、はじめは攻撃的であった夫も冷静になり、感情的な衝突を避けつつ相談者にとってより良い結果につなげることができました。

 

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

話し合いが難しいときは弁護士に依頼を

離婚の話し合いは、感情がぶつかり合いやすく、冷静に進めるのが難しいものです。そんなときは、一人で抱え込まず弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士は以下のようなことをしてくれます。

相手との交渉を代行

直接顔を合わせたくない、話すといつもケンカになる…。

そんなとき、弁護士が代理として相手と交渉してくれます。

連絡はすべて弁護士を通じて行えるため、精神的な負担がぐっと軽くなります。

協議書を法的に有効な形で作成

弁護士が作成すれば、将来のトラブルにも対応できる法的に有効な書類に仕上がります。

さらに、公正証書にする手続きもサポートしてくれるため、いざというときに強制執行が可能になります。

条件や進め方のアドバイス

「親権ってどうすれば取れる?」「財産って何を分けるの?」「子供も学費はどうなるの?」等、離婚に際しては考えるべきことがたくさんあります。

離婚条件に関するあらゆる疑問に対して、弁護士は相談者の立場に立って丁寧にアドバイスしてくれます。

法的な視点から、相談者にとって有利な形で進められるようサポートしてくれます。

よくある質問(FAQ)

Q:離婚協議書は絶対に必要ですか?

法的には必須ではありませんが、後々のトラブル防止や生活の安定のために、作成しておくことを強くおすすめします。

作るタイミングは、離婚届けを出す前の方が良いでしょう。

Q:公正証書にするにはどうしたら?

公証役場で手続きできます。

弁護士に依頼すれば、必要書類の準備や法的に有効な内容になるように文案の調整も代行してくれます。

Q:自分で作ると何が不安なの?

法的な抜け漏れがあると、無効になるリスクや、将来の強制執行ができない可能性があります。

Q:話がまとまらないときはどうすれば?

弁護士を通じた交渉が有効です。

当事者間では、どうしても感情的になりまとまらない内容も、弁護士が介入することで、双方冷静に話をすすめることができ、早期に法的に正しい形にまとまる可能性が高まります。

Q:離婚後でも内容を変更できますか?

双方が合意すれば可能です。

ただし再度書面にし、公正証書にし直す必要がある場合もありますので、専門家に変更方法を確認した方が良いでしょう。

まとめ:後悔しないために、今できる準備を

離婚は人生の大きな決断。特にお子さんがいる場合は、「ただ別れる」だけでなく、その後の暮らしや関係性までしっかり見据えた話し合いが必要です。

「何を決めればいいのか分からない」「相手とうまく話せない」――そんなときこそ、弁護士のサポートを活用してください。
あなた自身とお子さんの未来を守るためにも、離婚協議書は妥協せずに作るべき重要な“準備”のひとつです。

まずは無料相談から、一歩を踏み出してみませんか?

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※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。

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