自首の要件と成立する流れ|調書作成の内容や減刑の条件を徹底解説

最終更新日: 2026年02月12日

自首の流れを解説!事前に確認すべきことと弁護士に頼るメリットも紹介

  • 自分が犯した罪を後悔している。自首したいが警察署にいけばよいのだろうか?
  • 自首すれば、減刑や執行猶予が得られるのだろうか?
  • ひとりで自首するのは心細い。誰か警察署に同行してくれれば安心だが。

自首するには、ある程度の準備が必要です。自首するときの証拠になるものも揃えておく必要があります。

また、犯した罪によっては、安易に自首しない方がよい場合もあります。自首するか悩むときは、自分だけの判断に頼らず弁護士と相談した方がよいです。

そこで今回は、数多くの刑事事件に携わってきた弁護士が、自首までの流れや、支障なく自首するポイント等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 自首したつもりでも一定の要件に該当しないと、自首として扱われない場合もある
  • 自首すれば逮捕を回避できたり、減刑を得られたりする場合がある
  • 自首する前に、弁護士とよく相談しておいた方がよい

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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自首する前に確認すべきこと

自首する決意をしたとしても、いきなり警察署に向かうのは早計かもしれません。

まずは、自分の行動が自首にあたるのか、自首する先はどこにするかを決めましょう。

自首と出頭、どちらを選ぶべきか?

「自首」と「出頭」は混同されがちですが、法律上の意味合いと効果は大きく異なります。

  • 自首: 刑法第42条に規定されており、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自発的に罪を申告すること」を指します。自首が認められれば、刑が減軽されるという法的メリットがあります。
  • 出頭: すでに捜査機関に事件が発覚しており、捜査が開始されている中で、自ら警察に出向くことを指します。自首のような法的な刑の減軽措置は基本的に適用されませんが、反省の態度として情状酌量の余地が認められる可能性はあります。

【自首と出頭の違い(比較表)】

項目自首出頭
意味犯罪が発覚する前に、自分から警察に犯罪事実を申告すること捜査機関から呼び出しを受けた後に警察へ行くこと
捜査状況まだ犯人が特定されていない or 事件が発覚していない段階すでに事件が発覚し、警察から呼び出しが来ている段階
刑の減軽刑法42条で「任意に自首した者は刑を減軽できる」と規定 → 減刑の可能性あり減軽の制度なし → 原則として減刑の効果なし
警察からの呼出し受けていない(自主的に行く)受けている(呼び出されたから行く)
扱いのニュアンス「まだバレていないうちに認めに来た」という扱い「特定されたので応じて来た」という扱い

どちらに該当するかは、事件の発覚状況によって大きく異なります。まずは弁護士にご相談のうえ、適切な判断をされることを強くおすすめいたします。

自首が成立する具体的な条件とは?

自首が成立するためには、「捜査機関に発覚する前」に「自発的に」罪を申告する必要があります。

  • 「捜査機関に発覚する前」の判断: 警察がまだ事件を認知していない、あるいは容疑者を特定していない段階がこれに該当します。しかし、何をもって「発覚」とするかの判断は難しく、弁護士の専門的な見解が必要です。
  • 「自発的に」申告: 強制されたり、逮捕を恐れて仕方なく出頭したりするのではなく、自身の意思で罪を認めることが求められます。

これらの条件を満たすかどうか、そしてどのように自首を進めるべきかについては、弁護士との事前の相談が不可欠です。

自首する先を決める

自首する警察署はどこでも構いません。最寄りの警察署に自首してもよいです。

「近所の人たちに最寄りの警察署に入っていくのを見られたら困る」と思うのであれば、隣の市区町村の警察署へ自首することもできます。

すぐに警察に捜査を開始してもらい、事件の解決を図りたいのであれば、犯罪現場を管轄する警察署に自首した方がよいでしょう。

自首の流れ

自首とは、犯罪事実や犯人が発覚していない段階で捜査機関に犯行を申告することです。そのため、捜査機関による捜査はほとんど進んでいない状況といえます。

自首するときは、犯罪の事実をわかりやすく説明できるよう、事前に内容を整理しておきましょう。

警察署へ向かう

自首する警察署に向かいましょう。

自首する時点では逮捕されるのか、それとも在宅事件となるかはわかりません。逮捕されることも想定し、事前に現金・着替え等、最低限必要なものも準備し、警察署に出向くようにします。

以下の点にも注意して準備するようにしましょう。

  • 犯行当時と同じ服装や所持品を着用し自首:防犯カメラに写っているとき、警察が比較できる
  • 証拠物の持参:たとえば刺傷事件の場合は犯行に使用したナイフや出刃包丁、違法薬物の使用なら薬物を持参する

自首の申し出

警察署に到着したら自首する旨を伝えます。

自首の方法は口頭や書面でも可能です。事件の概要について記載した書面(自首報告書)を作成しておいた方がわかりやすいでしょう。

書式は自由ですが、自首した理由や被害者、犯行の動機・手口等をなるべく詳細に記載するようにします。

取り調べ

口頭や書面で自首を申告し受理されると、取調官による取り調べ(事情聴取)が始まります。

警察側がまだ捜査自体を開始していない場合も多く、自首直後の取り調べは1〜2時間程度の簡単な事情聴取で終わる可能性があります。

取調官からは「なぜ自首したのか?」「なぜ犯行に及んだのか?」と質問されることでしょう。

スムーズに返答できるよう、あらかじめ質問される内容を想定し、どのように回答するか決めておいた方がよいです。

なお、場合によっては本人の生い立ちや職歴、家族関係、趣味等、事件と直接関係なさそうな質問を受ける可能性があります。その場合も、慌てず丁寧に答えましょう。

取り調べを終えたら、自首した本人の供述をまとめた「自首調書」が作成されます。

【取調べでのNG行動・OK行動リスト】

区分OK行動(すべきこと)NG行動(やってはいけないこと)
態度落ち着いてゆっくり答える感情的になり、怒る・泣く・焦って話す
わからない質問への対応「もう一度お願いします」「わかりません」と正確に答える憶測で答える、曖昧な記憶を断言する
供述内容わかる範囲で事実だけを答える嘘をつく、話を盛る
誘導への対応不自然な誘導には「違います」と冷静に反論警察の誘導に乗って曖昧に同意する
調書(供述調書)内容を必ず読み、納得できなければ修正を求める読まずに署名・押印してしまう

逮捕・在宅事件の決定

取調官が一通り取り調べを終えると、警察は逮捕するか在宅事件として扱うかを決めます。

  • 自首してきたが、証拠隠滅や態度を一変させて逃亡するかもしれない→逮捕
  • 取り調べに冷静かつ真摯な対応をしていた、証拠隠滅や逃亡はなさそうだ→在宅事件

在宅事件になると、ほとんどの場合、概ね1か月以内に本格的な取り調べが行われますが、1〜3か月くらい後に呼び出しを受ける場合もあります。

本格的な取り調べを受ける場合は、長時間に及ぶ事情聴取を心配するかもしれませんが、原則として1日8時間以内で、午前5時〜午後10時までという制限があります。

警察に呼び出され、何日も不眠不休で取り調べを受けることはありません。

起訴・不起訴

自首した被疑者の取り調べや証拠品の押収等を行った後、検察官が起訴するか否かを判断します。

たとえば、違法薬物について被疑者が自首した場合、次のような事実を考慮し、不起訴処分にする可能性もあるでしょう。

  • 自首したとき違法薬物の所持を認め、真摯に反省し、以後の捜査に協力した
  • 被疑者は初犯であり常習性が確認できない
  • 所持していた違法薬物は微量だった 等

一方、起訴されれば刑事裁判に移行し、被疑者は「被告人」と呼ばれ公開の法廷で審理されます。

ただし、裁判官が自首した事実や初犯である点、重大な犯罪ともいえないと判断すれば、減刑や執行猶予付き判決を言い渡す場合があります。

自首するメリット

自らの罪を真摯に反省し、罪を償うために自首すれば、結果的に減刑となるかもしれません。

また、逮捕されずに在宅で、警察・検察の捜査が進められる可能性もあります。

逮捕回避

自首により捜査機関から証拠隠滅・逃亡のおそれはないと判断され、在宅事件となる場合があります。

在宅事件のメリットは次の通りです。

  • 通常の日常生活を過ごせる
  • 家族といつでも一緒にいられる
  • 普段通り通勤や通学が可能

一方、逮捕・勾留されると勾留期間は最長20日間に及び、留置施設で自由に面会できるのは弁護士のみとなります。

家族との面会がかなり制約されてしまうので、勾留中は心身ともに疲れ切ってしまうかもしれません。

当然、勾留中も警察や検察の取り調べを受け、実況見分にも立ち会う必要があります。

減刑

自首すれば減刑される可能性があります。減刑については、刑法で次のように規定されています(刑法第42条)。

  • 捜査機関に発覚する前、罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽できる
  • 告訴がなければ公訴を提起できない罪(親告罪)について、告訴できる者に対し自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも同様

ただし、「必ず減刑しなければならない」というわけではありません。あくまで減刑するか否かは裁判官次第といえます。

出典:刑法|e-GOV法令検索

自首をスムーズに進めるためにすべきこと

自首を決断した人も、自首するかを悩んでいる人も、自分一人で決断せずに弁護士と相談しましょう。

弁護士は相談者の事情を聴き、次のようなアドバイスを行います。

  • 犯した罪で自首した方がよいかどうか
  • 自首をする前に準備するもの
  • 自首の流れ
  • 取り調べを受けるときの注意点
  • 自首後に逮捕された場合の対応
  • 在宅事件となったときの対応

自首前に弁護士から有益なアドバイスを受けておけば、慌てずに警察署へ自首を申し出て、取り調べを受けられます。

また、弁護士と契約すれば弁護士が自首に付き添うこと(自首同行)や、自首後の弁護活動も委任が可能です。

たとえ起訴され、刑事裁判になっても、弁護士は依頼者のために減刑が得られるよう、最後まで全力を尽くします。

自首の前に弁護士に相談できること

自首をする前に弁護士へ相談することで、法的な判断ミスや不要な逮捕を避けられる可能性があります。具体的には、以下の3点についてサポートを受けられます。

  • 犯罪の成立判断:そもそも刑法上の犯罪に該当するか、処罰の対象か(親族相盗例など)を確認できます。
  • 示談の検討:被害者と示談することで、自首せずに解決(不起訴や事件化の回避)できるか判断します。
  • 逮捕回避の活動:警察署への同行(出頭同行)を通じて、証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを主張し、在宅捜査(逮捕されない状態)を目指します。

警察へ行くことに不安がある場合や、逮捕を避けたい場合は、自首同行の経験豊富な弁護士に依頼するのが賢明です。

自首同行を弁護士に依頼する費用と当日の流れはこちらの記事で解説しています。

自首の要件と成立する流れ|調書作成の内容や減刑の条件を徹底解説

コラム

2023/02/28

自首の要件と成立する流れ|調書作成の内容や減刑の条件を徹底解説

自首をお考えなら春田法律事務所までご相談を

今回は数多くの刑事事件を担当してきた弁護士が、自首までの流れや注意点等について詳しく解説しました。

犯した罪によっては自首を避けた方がよい場合もあります。まずは弁護士のアドバイスを受けながら、罪を償う方法を検討しましょう。

春田法律事務所は刑事問題の交渉や裁判において実績豊富な法律事務所です。自白をするか否かで悩むときは、弁護士と今後の対応の仕方をよく相談しましょう。

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