暴行罪で逮捕されたら?流れ・期間と早期釈放のポイントを解説

最終更新日: 2026年08月07日

暴行罪で逮捕されたら?流れ・期間と早期釈放のポイントを解説

暴行事件を起こしてしまった、あるいは被害を訴えられている場合、「このあと逮捕されるのか」「後日逮捕はあるのか」「警察に呼び出されたらどうすればよいのか」は、多くの方が強い不安を抱く点です。

本記事では、暴行罪で逮捕される3つのパターン(現行犯逮捕・後日逮捕・在宅での呼び出し)、逃走した場合の後日逮捕、警察から呼び出しを受けたときの対応、逮捕後の身柄拘束の流れと期間、早期釈放や前科回避のためにできることまでを、弁護士が解説します

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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暴行罪で逮捕される3つのパターン

暴行罪で身柄を拘束される(または捜査の対象になる)ケースは、大きく次の3つに分かれます。どのパターンかによって、その後の対応が変わります。

パターン

内容

多い場面

現行犯逮捕

その場で警察や一般人(私人)に取り押さえられる

路上・店内・電車内などのトラブル

後日逮捕(通常逮捕)

被害届・捜査を経て、後日、逮捕状により逮捕される

防犯カメラ・目撃者から特定された場合

在宅事件(呼び出し)

逮捕されず、警察からの呼び出しに応じて任意で捜査が進む

身元が明らかで逃亡・証拠隠滅のおそれが小さい場合

暴行罪がどのような罪か(成立要件・傷害罪との違い・刑罰)は、次の記事で解説しています。

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現行犯以外でも逮捕される?後日逮捕と被害届

「その場で捕まらなかったから大丈夫」と考えるのは危険です。

暴行罪は、現行犯でなくても、後日、被害届の提出や捜査を経て逮捕されることがあります。逃げ切れる、というものではありません。

後日、被害届が出て逮捕されるケース

被害者がその場では届け出なくても、後日、警察に被害届や告訴を出すことがあります。

防犯カメラの映像や目撃者の証言から加害者が特定されれば、逮捕状が発付され、後日逮捕に至ることがあります。

暴行罪の後日逮捕はいつまで?(時効)

暴行罪の公訴時効は3年です。理屈のうえでは、事件から3年が経過するまでは、後日逮捕・起訴の可能性が残ります。

もっとも、時間の経過を待つより、早期に被害者との示談など前向きな対応を取るほうが、結果的に有利になることがほとんどです。

【ポイント】
逃走・雲隠れは、逃亡のおそれがあるとして逮捕・勾留されやすくなる方向に働きます。
逃げるのではなく、弁護士に相談して被害者対応を進めるほうが、身柄拘束を避けられる可能性が高まります。

暴行罪で警察から「呼び出し」を受けたら

逮捕されず、警察から電話などで「話を聞きたい」と呼び出されるのが在宅事件です。この呼び出し(任意の取り調べ)への対応が、その後を大きく左右します。

  • 呼び出しには、正当な理由なく無視・拒否を続けないこと(応じない姿勢は、逃亡・証拠隠滅のおそれと見られ、逮捕につながることがあります)
  • 取り調べで話した内容は供述調書として証拠になるため、事前に弁護士の助言を受けてから臨むことが望ましい
  • 身に覚えのない点や記憶があいまいな点は、無理に認めない

在宅事件の段階は、まだ身柄を拘束されておらず、被害者との示談や不起訴に向けて落ち着いて動ける重要な時期です。

呼び出しの連絡が来た段階で、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

 

【被害者への直接連絡は避ける】

加害者本人やご家族が被害者へ直接連絡すると、「被害者への働きかけ」とみなされ、かえって逮捕・勾留につながるおそれがあります。
連絡は弁護士を通じて行ってください。

 

 逮捕後の流れと身柄拘束の期間

逮捕された場合、そこから起訴・不起訴が決まるまで、法律上の時間制限のもとで手続きが進みます。

身柄拘束は最長でも23日間が一つの区切りです。

  • 逮捕〜48時間 警察による留置
    逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官へ送致するか判断する

  • 〜24時間 検察官の判断
    検察官は24時間以内に、勾留を請求するか釈放するかを判断する

  • 勾留10日+10日 勾留(延長あり)
    裁判所が認めれば10日間、延長でさらに最大10日間、身柄が拘束される

  • 最長23日目 起訴・不起訴の決定
    勾留期間の満了までに、検察官が起訴・不起訴を判断する

起訴されると刑事裁判へ進み、不起訴となればその時点で身柄は解放され、前科もつきません。

つまり、この23日間のうちに被害者との示談を成立させ、不起訴を目指せるかが大きな分かれ目になります。

暴行で逮捕された「その後」はどうなる?

不起訴となれば前科はつかず、通常の生活に戻れます。略式起訴で罰金となる場合は前科が残ります。

正式起訴されて裁判となる場合でも、初犯で示談が成立していれば、執行猶予が見込まれることがあります。

刑罰の相場(拘禁刑・罰金)の詳細は、次の記事をご覧ください。

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早期釈放(身柄解放)のポイント

逮捕・勾留されても、次のような対応により、勾留を避けたり、早期に釈放されたりする可能性が高まります。

  • 弁護士が、逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを主張し、勾留の回避・取消しを求める
  • 被害者との示談を早期に成立させ、事件の解決が進んでいることを示す
  • 身元引受人(家族など)を用意し、監督が期待できる環境を整える

身柄拘束が長引くと、会社や学校に知られるリスクも高まります。

逮捕直後から弁護士が動くことで、身柄解放の可能性と、周囲に知られないための対応の両面でメリットがあります。

初犯で暴行罪で逮捕されたら

初犯で、態様が悪質でなく、被害者との示談が成立している場合には、不起訴(起訴猶予)や、起訴されても執行猶予に向かいやすくなります。

もっとも、初犯であっても、被害が大きい・反省が見られない・示談が整わないといった事情があると、実刑や罰金が科されることもあります。

初犯だから必ず軽い、というわけではない点に注意が必要です。

逮捕・前科を避けるためにできること

暴行罪で前科を避けるために最も重要なのが、被害者との示談です。

示談が成立し、被害者が「処罰を望まない」という意思を示してくれれば、不起訴(起訴猶予)となる可能性が大きく高まります。

  • 被害者への謝罪と被害弁償を、弁護士を通じて申し入れる
  • 示談金・宥恕(処罰を望まない)文言・接触禁止などの条件を整えた示談書を取り交わす
  • 起訴・不起訴の判断までの限られた時間の中で進める

暴行罪の示談金の相場や進め方は、次の記事で詳しく解説しています。

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弁護士に相談すべきタイミングと費用

暴行事件は、逮捕された直後はもちろん、警察から呼び出しを受けた段階、あるいは被害届が出るかもしれないと不安な段階でも、早く相談するほど打てる手が多くなります。

弁護士費用は、着手金・報酬金・示談交渉に関する費用などで構成されるのが一般的です。費用の内訳や相場の詳細は、次の記事をご覧ください。

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よくある状況と対応例

例:居酒屋で口論になり、相手の肩を押して逮捕された男性(30代・会社員)

同僚との飲み会の帰り、隣の席の客と口論になり、思わず相手の肩を強く押してしまったケースです。
通報を受けた警察に現行犯逮捕されました。

翌日に弁護士が接見し、本人が深く反省していること、社会的にも安定した生活を送っていることを示す資料を提出。さらに被害者に対し、謝罪文を渡し、慰謝料を支払い示談が成立しました。

検察官は「被害が軽く、示談も成立している」として不起訴処分と判断。前科がつかず、数日後に釈放されました。

例:通行トラブルで口論の末に相手を突き飛ばした男性(40代・会社員)

車のすれ違い時にトラブルとなり、相手と言い争いになって胸を押したところ、相手が転倒してしまいました。
その場で警察を呼ばれ、暴行の疑いで現行犯逮捕。翌日から勾留され、10日間身柄が拘束されました。

弁護士が早期に被害者との示談交渉に入り、慰謝料を支払って示談を成立させました。さらに、本人が勤務先を通じて反省文を提出したことで、検察は「社会的制裁を受けており再犯の可能性も低い」と判断。

結果、不起訴処分となり、前科はつかずに事件が終了しました。

 

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 暴行罪で逃げたら、逮捕されずに済みますか?

逃げても、防犯カメラや目撃証言から特定され、後日逮捕されることがあります。

むしろ逃走は逃亡のおそれがあるとして逮捕・勾留されやすくなる方向に働きます。

逃げるより、早期に弁護士へ相談して被害者対応を進めるほうが有利です。

Q2. 暴行事件は何年後まで逮捕される可能性がありますか?

暴行罪の公訴時効は3年です。事件から3年が経過するまでは、後日逮捕・起訴の可能性が残ります。

ただし、時効の完成を待つより、早期の被害者対応が結果的に有利になることがほとんどです。

Q3. 警察から呼び出されました。行かないとどうなりますか?

正当な理由なく呼び出しを無視し続けると、逃亡・証拠隠滅のおそれがあるとして、逮捕につながることがあります。

日程調整は可能ですが、応じる姿勢を示すことが大切です。取り調べ前に弁護士の助言を受けることをおすすめします。

Q4. 逮捕されると、必ず会社に知られますか?

逮捕・勾留が長引くと、欠勤などから知られるリスクが高まります。

弁護士が早期釈放に向けて動くことで、身柄拘束を短くし、周囲に知られるリスクを抑えられる場合があります。

Q5. 初犯なら前科はつきませんか?

初犯でも、罰金や実刑となれば前科は残ります。前科がつかないのは不起訴(起訴猶予など)で終わった場合です。

前科を避けるには、示談による不起訴を目指すことが重要です。

まとめ

暴行罪では、現行犯逮捕のほか、後日逮捕や在宅での呼び出しといった形で捜査が進みます。

逃げても後日逮捕されることがあり、公訴時効は3年です。逮捕された場合の身柄拘束は最長23日で、その間に被害者との示談を成立させ、不起訴を目指せるかが結果を大きく分けます。

逮捕・呼び出し・被害届のいずれの段階でも、早く弁護士に相談するほど打てる手が多くなります。

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