痴漢を家族にバレないために何すべき?伝わる状況や弁護活動の重要性を徹底解説!

最終更新日: 2022年08月23日

痴漢を家族にバレないために何すべき?伝わる状況や弁護活動の重要性を徹底解説!痴漢事件は、恥ずかしさや世間の性犯罪へのイメージの悪さから、家族に知られずに解決をしたいと考える方も多くいます。

痴漢事件を起こしたことを家族に知られてしまえば、家族関係に大きな亀裂が生じてしまうかもしれません。一家離散や離婚問題への発展を避けるという意味でも、できる限り内密に事件を解決する必要があります。

そこで今回は、痴漢事件専門の弁護士が、痴漢事件が家族に伝わってしまうタイミングや、家族に知られる前に解決するための弁護活動などについて解説いたします。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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痴漢事件が家族に伝わってしまう4つのタイミングと弁護活動の重要性

まずは、痴漢事件が家族に伝わってしまう4つのタイミングと弁護活動の重要性について確認しておきましょう。

  • 逮捕時
  • 家宅捜索・差押時
  • 報道時
  • 起訴時
  • 弁護活動への依頼が必須

それでは、1つずつ解説していきます。

逮捕時

1つ目は、逮捕されるときです。

痴漢事件は、現行犯として逮捕される場合が多くを占めています。痴漢事件で逮捕された場合、逮捕から72時間(3日間)は家に帰ることができず、この時点で家族にバレてしまう可能性が高いです。

また、事件発生から72時間を経過した後に勾留や勾留延長が決定された場合は、最大で更に20日間の身柄拘束を受けることになります。長期間に渡り連絡を取れなくなることから、それだけ家族に知られてしまうリスクが高まるでしょう。

被疑者がとっさに事件現場から逃げることにより現行犯逮捕を回避することができた場合でも、防犯カメラなどの証拠から後日逮捕となるケースもあります。

自宅に警察が訪ねてきて逮捕されてしまう、取調べのために警察へ出頭する様に連絡が来るなどが原因で、家族に知られてしまうこととなります。

逮捕されてしまった場合には、高い確率で家族に知られてしまうということに留意しなければなりません。

家宅捜索・差押時

2つ目は、家宅捜索・差押時です。

運よく逮捕時に家族にバレなかったとしても、警察や検察などの捜査機関が強制的に家宅捜索や差押えを行うため、その時点で家族に知られてしまう可能性は大いにあります。

ここでいう家宅捜索とは、痴漢事件を起こした証拠を探すための強制捜査です。痴漢事件に関する証拠が存在する可能性が高いと認められれば、自宅だけでなく職場へと立ち入りとなる場合もあります。

家宅捜索や差押えが行われれば、家族のみならず職場や近所などへも痴漢事件を起こしたことが知られてしまうため、懲戒処分による退職や引越しを余儀なくされることも珍しくはありません。家宅捜索や差押えは、ほぼ間違いなく家族や職場に知られるきっかけになるでしょう。

報道時

3つ目は、痴漢事件が報道されたときです。

ニュースで痴漢事件が報道されてしまえば、高い確率で家族に知られてしまいます。場合によっては会社や学校・近所に住む人が家族よりも先に事件を知り、噂で広まってしまうこともあります。

特に同一人物による2回目以降の犯行であれば事件として報道される可能性が高いでしょう。

また教職員や公務員、大企業の従業員が加害者の場合では、地方紙でも事件が取り上げられるケースがあります。

過去にはGoogleなどの検索エンジンへ買春事件の記事の削除を求めた裁判も行われていますが、紙面やSNSを問わず一度でも事件が報道されてしまえば完全に事件の記録を消すことは困難とです。

痴漢事件が報道されれば、家族に知られるだけでなく、将来に渡って大きな影響を受けることでしょう。

起訴時

4つ目は、起訴されたときです。

逮捕されなかった場合や、逮捕後に早期釈放されてたまたま家族に事件を知られなかった場合でも、その後に起訴されたタイミングで家族へとバレることがある点にも注意が必要です。

「在宅事件扱い」として捜査が進み起訴された場合には、起訴状や略式命令などの重要書類が自宅へと郵送されます。万が一家族が裁判所からの郵便物を受け取った場合には、家族へ説明を求められることは必至です。

更に、正式起訴がされると、裁判所へと出廷する必要があります。不自然な時間での外出や仕事の休みが続けば、家族だけではなく周囲にも必ずバレることとなります。

裁判は原則として公開で行われるため、誰でも傍聴を行うことが可能です。また、事件数の少ない地方では、傍聴人の中に友人や知人がいて、そこから周囲や家族に痴漢事件が知られてしまったという事例もあります。

被害者から起訴されると、家族や職場に対して知られるだけでなく、多くの迷惑をかけてしまうことになります。

弁護活動への依頼が必須

上述した様に、痴漢事件で逮捕されてしまえば高い確率で家族へと知られることとなります。しかしながら、少しでも周囲にバレずに痴漢事件を解決するためには、早急に弁護士へと相談を行うことが重要です。

刑事事件においては、被害者との示談交渉が成立しているかが重視される傾向にあります。早期に被害者との話がまとまれば不起訴処分として事件が解決する可能性が高まります。

痴漢事件に強い弁護士であれば、被害者との示談金交渉、後々のトラブルを防ぐための示談書の作成、検察官などへの示談交渉の成果報告などをワンストップで手掛けることが可能です。事件後迷わず相談を行うことが賢明です。

痴漢事件を家族が知る前に解決するための弁護活動の内容

ここでは、痴漢事件を家族が知る前に解決するための弁護活動の内容について見てみましょう。

  • 逮捕回避
  • 被害届の取下げ
  • 早期釈放
  • 示談交渉
  • 不起訴獲得

それでは、1つずつ解説していきます。

逮捕回避

弁護活動の1つ目は、逮捕回避を目指すことです。

軽微な痴漢事件の場合、弁護士による早急な弁護活動が行われれば、家族にバレずに事件を解決する可能性を高められます。

事件後すぐに弁護士へと相談を行い、証拠の隠滅や逃亡のおそれがないと判断された場合には逮捕・勾留を回避できるかもしれません。

また、事件の起きた現場で示談交渉が成立し、被害届の提出や告訴が行われずに事件が解決した事例もあります。

逮捕を回避したり早期に事件を解決したりするためには、痴漢を疑われた時点で弁護士に相談を行うことが大切です。

被害届の取下げ

弁護活動の2つ目は、被害届の取下げを目指すことです。

逮捕直後に弁護士へと依頼を行い、被害者との協議によって被害届の取下げをしてもらうことで、家族に痴漢事件を知られることなく解決ができるケースもあります。

余程悪質な痴漢事件でない限りは、被害届の取下げが行われれば捜査機関はそれ以上の捜査を行うことはないため、刑事事件化することを防ぐことができます。

軽微な痴漢事件の場合や、被害者の処罰感情が強くない場合であれば、できる限り速やかに被害者への謝罪を行うと共に、示談交渉を成立させることが重要です。

早期釈放

弁護活動の3つ目は、早期釈放を目指すことです。

逮捕され身柄拘束を受けてしまった場合には、早期釈放を目指さなければなりません。2~3日程度の身柄拘束であれば、突発的な出張などの多少の言い訳は通用する場合があります。

しかし勾留延長まで含めて最大で20日間自宅に帰れないとなれば、家族に不信感を持たれてしまうことは必至です。

早期での釈放を目指すためには、犯罪を行ったと疑われる「嫌疑の相当性」、逃亡や証拠隠滅を防ぐための「逮捕の必要性」といった、逮捕の要件が存在しないことを積極的に警察や検察などの捜査機関に働きかけることが重要です。

示談交渉

弁護活動の4つ目は、示談交渉です。

痴漢事件における弁護活動の中で最も重要なポイントは、弁護士による被害者との示談交渉です。

事件後、早期に被害者との示談交渉が成立すれば刑事事件化を防ぐことができる他、早期の身柄釈放や不起訴処分を実現することも可能となり、最終的に家族へとバレずに事件解決をできる場合もあります。

示談書を作成する場合には、被害者から被疑者(もしくは被告人)に対して厳罰を求めないという「宥恕(ゆうじょ)文言」を取得することが重要です。

依頼者にとって少しでも有利な条件で事件を解決するためにも、早期に痴漢事件に強い弁護士へと相談を行うことをおすすめします。

不起訴獲得

弁護活動の5つ目は、不起訴獲得を目指すことです。

正式起訴され公判期日への出廷が求められると、その手続きには手間がかかることから、家族に事件が知られるきっかけとなってしまいます。

この様な事態を避けるためにも、不起訴処分を目指すことはもちろん、悪くとも略式命令で罰金として事件を解決するための弁護活動を行います。

検察官が不起訴・略式起訴・正式起訴のいずれの処分を選ぶかは、被害者との示談交渉が成立しているか否かが大きいです。

前科のない初犯である場合や、痴漢の態様が軽微であれば、示談が成立すれば不起訴処分として事件を解決できる可能性が高まります。

痴漢事件に関して家族協力を求めるべき2つのシーン

ここでは、痴漢事件に関して家族に知られるリスクを冒してでも、協力を求めるべき2つのシーンについてご説明します。

  • 無罪の場合
  • 身元引受書の作成

無罪の場合

家族協力を求めるべきシーンの1つ目は、無罪の場合です。

痴漢事件などの性犯罪は、その性質上、冤罪でも加害者側が不利な状況となる場合が多く、早期に釈放されたいがために嘘の自白を行ってしまうケースは少なくありません。

確かに、痴漢事件では痴漢の事実を否定し続けると、証拠隠滅や逃亡のおそれが高いと判断され身柄の拘束が長期に渡ることも事実です。

しかし、無実であれば家族に対して後ろめたい気持ちになる必要はありません。この様な場合にはむしろ、家族一丸で無罪を勝ち取るために戦うべきであり、弁護士を通じて家族へ相談をしながら事件解決に向けて動くとよいでしょう。

身元引受書の作成

家族協力を求めるべきシーンの2つ目は、身元引受書の作成が必要な場合です。

痴漢事件を起こし逮捕されてしまう場合、逮捕の要件である「逃亡のおそれ」があるか否かの判断では、監督をする同居の家族の存在が重要な要素となります。

本人が痴漢の事実を認めており、かつ同居の家族が事件について知っている場合に、弁護活動の一環として行われるのが身元引受書の作成です。

身元引受書を家族に書いてもらう場合には、当然その家族には事件についてバレてしまいますが、身元引受書の提出が行われれば逮捕・勾留による長期の身柄拘束を回避することができます。

場合によっては、家族に事件を知られてでも早期釈放を目指した方がメリットがあるため、弁護士とも相談しながら慎重に判断を行いましょう。

痴漢事件の加害者に家族ができる3つのこと

痴漢事件においては、加害者が更生し社会復帰を目指すためには、家族からのサポートが重要です。ここでは、痴漢事件の加害者に対して家族ができる3つの支援について解説します。

  • 自分を責めない
  • 家族を支える
  • 治療の重要性を伝える

それでは、1つずつ解説していきます。

自分を責めない

家族ができることの1つ目は、自分を責めないことです。

家族が痴漢事件を起こした場合に、加害者の両親であれば「育て方が悪かった」、配偶者であれば「夫へのケアが足りていない」など謂れのないバッシングを浴びせられることがあります。

被害者への罪悪感や周囲への恥ずかしさに苦悩し、自身を責めてしまう加害者家族は少なくありません。しかし加害者に寄り添い更生を応援するためには、自分自身を責めるばかりではいけません。

加害者が罪を償い、同様の犯罪を繰り返さないためにどうすればいいのか、弁護士や専門機関と共に前向きに考えるこましょう。

家族を支える

家族ができることの2つ目は、家族である加害者本人を支えることです。

痴漢事件を起こした加害者の更生には、家族のサポートが重要です。性犯罪の再犯防止のための治療や事件後の生活では、家族の支えがかけがえの力となり、加害者を救うことができるのは家族だけといっても過言ではありません。

加害者を正しい方向へと導くと共に、新たな被害者を生み出さないためにも、加害者家族の正しい理解や支援は大きな役割を果たします。

治療の重要性を伝える

家族ができることの3つ目は、治療の重要性を伝えることです。

痴漢事件などの性犯罪は、加害者本人の意志のみでは完全に更生を目指すことは難しく、クリニックや施設での治療が重要です。

治療プログラムの継続率は、家族からの支援のある加害者の方が高い傾向にあります。家族から治療の重要性を伝えることにより、「逮捕されてよかった」「痴漢行為を断つことができてよかった」と本人に気付きを与えることが大切です。

痴漢事件を家族に知られないためには一刻も早い弁護活動依頼が重要

今回は、痴漢事件専門の弁護士が、痴漢事件が家族に伝わってしまうタイミングや、家族に知られる前に解決するための弁護活動などについて解説しました。

痴漢事件を家族に知られずに解決するためには、弁護士による一刻も早い弁護活動が重要です。

対応が後手後手に回ってしまえば、家族のみならず会社や学校などへもバレる可能性が高まり、取り返しのつかない事態になることも珍しくありません。

痴漢事件を起こしてしまった場合には、ひとりで悩むことなく、まずは弁護士へと相談を行うことが大切です。

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