薬物事件に強い弁護士を東京で見つけるには?その方法を徹底解説
最終更新日: 2022年01月13日
薬物事件に強い弁護士はどうやって探せばいいの?
薬物事件に強い弁護士は何をしてくれるの?
弁護士費用はどれくらいかかるの?
ご自身や家族が薬物事件に巻き込まれた場合、薬物事件に強い弁護士に依頼をしたいと思う方は多いことでしょう。ですが、どのような弁護士が薬物事件に強いのか、その判断方法がわからないのではないでしょうか。
今回は、刑事事件を数百件解決してきた専門弁護士が薬物事件に強い弁護士について解説します。
薬物事件に強い弁護士を東京で依頼すべき?
薬物事件に強い弁護士を探すにはどのようにすればよいのか。ここでは、薬物事件の現状や法律について確認した上で、薬物事件に強い弁護士やその探し方についてご説明します。
・薬物事件に強い弁護士がしてくれること
薬物事件の現状や法律について
まずは薬物事件の検挙状況や法律について簡単に確認しておきましょう。
薬物事件の検挙状況
主な薬物犯罪には、覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反、あへん法違反があります。
下記は令和2年の薬物事件の検挙件数です。約63%が覚醒剤取締法違反で、これに大麻取締法違反を加えると薬物事件の約94%を占めることがわかります。また、1年365日で割ると1日あたり52件の薬物事件が検挙されているということになります。
薬物事件の法律
上記のとおり、主な薬物犯罪に関する法律は4つあります。それぞれの法律が対象となる薬物の製造(栽培)や輸出入、所持や譲渡、譲受などの行為を規制しています。
麻薬及び向精神薬取締法以外は対象となる薬物はその法律名から明らかです。コカイン、ヘロイン、LSD、MDMAなどが麻薬及び向精神薬取締法の対象です。
それぞれの薬物で刑罰の重さは異なります。営利目的ではない単純所持の刑罰の重さを比較すると下記表のとおりです。覚醒剤が非常に重い犯罪であることがわかります。
麻薬及び向精神薬 7年以下の懲役
大麻 5年以下の懲役
薬物事件に強い弁護士がしてくれること
次は薬物事件に強い弁護士は何をしてくれるのかについて見ていきましょう。
逮捕を回避する
まずは逮捕の回避です。
薬物事件は証拠隠滅を防ぐために大抵は逮捕、勾留されます。しかし、逮捕される前に弁護士が警察に対して、証拠隠滅の可能性が乏しいことや捜査へ協力する姿勢を示すことで逮捕せずに在宅捜査としてもらえることがあります。
逮捕されると仕事や学校など日常生活に多大な支障が生じますので、逮捕を回避できるかもしれないという点は薬物事件に強い弁護士に依頼をする大きなメリットでしょう。
釈放する
逮捕され、その後に勾留されると最長23日間、身柄拘束が続きますし、再逮捕があればさらに長期の身柄拘束が続きます。
もっとも、逮捕されたとしても、その後の勾留を回避できることがあります。勾留するかどうかを決めるのは裁判官、裁判所です。捜査機関は勾留が必要と考えても、裁判官、裁判所が不要と判断すれば勾留はされないのです。
薬物事件に強い弁護士によれば、裁判官、裁判所に対して勾留は必要ないことを説明することで勾留を回避し、釈放できる可能性が高まります。
接見禁止の解除
勾留された場合、通常は弁護士以外でも警察署で面会することが可能ですが、裁判官が関係者との口裏合わせなど証拠隠滅を防ぐために面会の禁止を設定することがあります。
そうすると弁護士以外とは面会することができなくなり、精神的な辛さが増します。
このように面会の禁止が設定された場合も、薬物事件に強い弁護士に依頼をすることで少なくとも家族については面会の禁止を解除できる可能性が高まります。
嫌疑不十分にする
全く身に覚えのない薬物事件の嫌疑をかけられるというケースはしばしばあります。このような場合、捜査に対してどのような対応をするのかが非常に重要です。
依頼を受けた時点で既に捜査機関の思い通りの証拠を作成されており、手遅れになっているようなケースによく遭遇します。
できる限り早期の段階で薬物事件に強い弁護士に依頼をすることで、最善の方針、戦略を立てることができ、その結果、検察官が嫌疑は不十分として起訴を断念する結果に持ち込める可能性が高まります。
起訴猶予を得る
犯行を認めていて、証拠も十分で、起訴すれば有罪判決になるケースであっても、検察官は必ず起訴するわけではありません。被疑者の反省や前科前歴の有無、今後の更生環境などを考慮してそのようなケースでも起訴猶予として起訴しないことがあります。
大麻取締法違反であれば約24%、麻薬及び向精神薬取締法違反であれば約12%、覚醒剤取締法違反であれば約7%が起訴猶予となっています。やはり重い罪ほど起訴猶予になる可能性は低くなります。
薬物事件に強い弁護士は、起訴猶予としやすくなる材料を揃えて検察官に示していきますので、起訴猶予となる可能性が高まります。
執行猶予を得る
令和2年の統計によれば、大麻取締法違反であれば約86%、麻薬及び向精神薬取締法違反であれば約81%、覚醒剤取締法違反では約36%の事件で刑の全部を猶予する執行猶予判決が出ています。
初犯の薬物事件では営利目的でない限り、大抵は執行猶予が付きます。他方、薬物事件の前科がある場合や、初犯で営利目的の場合には実刑判決となる可能性が高くなります。
このように執行猶予を得ることが容易ではないケースでは、薬物事件に強い弁護士に依頼することによって、執行猶予を得る可能性が高まります。
薬物事件に強い弁護士を東京で見つける方法は?
以上、薬物事件に強い弁護士についてご説明しました。それでは、そのような弁護士はどのようにして見つけたら良いのでしょうか。
・国選でいい?私選がいい?
・薬物事件に強い弁護士の探し方
薬物事件に強い弁護士の判断方法
薬物に強い弁護士かどうかを判断する方法は以下の3点です。
解決実績が多いこと
1点目は、薬物事件の解決実績が多いことです。
解決実績が豊富であれば正確な事件の見通しのもと最適な戦略を立てることができます。それによって、釈放、不起訴、執行猶予といった結果を獲得する可能性が高まります。
100件以上の解決実績があれば、解決実績が豊富といってよいでしょう。
直ぐに対応してくれること
2点目は、依頼をしたら直ぐに対応してくれることです。
逮捕、勾留されている場合には、即日、対応してくれるかどうかによって釈放されるタイミングが数日変わってくる可能性があります。また在宅捜査のケースであっても、直ぐに対応してくれなければ、示談や不起訴のためにできることが限られていきます。
そのため、直ぐに対応してくれるかどうかも薬物事件に強い弁護士かどうかを判断するポイントとなります。
親身によく話を聞いてくれること
3点目は、依頼者の話を親身になってよく聞いてくれることです。
多くの方は警察沙汰を初めて経験しますので、その後にどうなってしまうのかと不安を抱えて生活します。そのような際に、いつでも親身に話を聞いてくれて、疑問や不安を解消してくれる弁護士は心強いものです。
薬物事件に強い弁護士かどうかを判断するにあたっては、このように親身によく話を聞いてくれる弁護士であるかも見るようにしましょう。
国選でいい?私選がいい?
国選弁護人のままでいいのか、私選弁護士を依頼するべきなのかというご相談はよくあります。
国選弁護人は必ずしも刑事事件の経験がある弁護士が選任されるとは限りませんし、やはり被疑者やその家族から依頼を受けているわけではありませんので、あまり熱心ではないことが多いのは事実です。
私選でも早期釈放が困難なケースや、私選でも国選でも判決は変わらないというケースでは、国選のままでも良いでしょう。もっとも、そのようなケースでも丁寧な対応を求めたいという場合には私選の弁護士に依頼をすると良いでしょう。
薬物事件に強い弁護士の探し方
薬物に強い弁護士の判断基準についてはお分かりいただけたかと思います。それでは、そのような弁護士はどのようにして探せばよいのでしょうか。
知人や弁護士会に紹介してもらう方法も考えられますが、知人がたまたま薬物に強い弁護士を知っている確率は低いですし、弁護士会は誰が薬物に強い弁護士であるのかを把握していません。
一番良いのはインターネットで検索することです。「薬物に強い弁護士」などと検索をすれば薬物事件を扱っている弁護士が検索結果に表示されます。ただし、その全てが薬物に強い弁護士であるとは限りませんので、先ほど挙げました判断基準を踏まえて検討する必要があります。
薬物事件に強い弁護士が東京で解決した事例
以上、薬物事件に強い弁護士についてその探し方も含めて解説しました。次に、薬物事件の基本的な流れを確認した上で、実際の解決事例をいくつか見てみましょう。
解決までの基本的な流れ
薬物事件の多くは逮捕、勾留されますが、在宅捜査となるケースもあります。その場合、2回ほど警察から呼び出しを受け、取り調べなどの捜査を受けます。通常は2、3か月ほどで警察から検察庁へ事件が送致され、その後1、2か月ほどで検察官から呼び出しを受け、起訴か不起訴かの判断がくだります。
他方、逮捕されたときは、逮捕から48時間以内に警察から検察に事件が送致されます。そこから24時間以内に検察官は裁判官に対して勾留を請求し、裁判官は勾留決定をします。その後最長20日間勾留され、その間に検察官が起訴、不起訴の判断をします。
不起訴となればそれで事件は終結です。起訴された場合には正式裁判(公判)となり、裁判所で審理、判決を受けることになります。
- ・大麻の譲渡を否認して不起訴処分を獲得した事例
- ・速やかに保釈して執行猶予を得た事例
- ・コカインの所持と使用で執行猶予を得た事例
大麻の譲渡を否認して不起訴処分を獲得した事例
依頼者は、大麻を友人や知人に譲渡したという被疑事実で逮捕されました。依頼者の話では友人や知人に大麻を譲渡したことは事実であるものの、証拠があるとは思えないということでした。
そこで、起訴後に捜査機関の証拠を確認するまでは供述をしない、黙秘を貫く方針としました。黙秘をしていると起訴後の保釈は許可されにくくなりますが、依頼者はそれでも構わないということでした。
黙秘をしていると取調官は、関係者の供述があることなどをほのめかすなどして、何とか供述をさせようとしてきました。しかし、連日の接見をして弁護士から適切な助言を続け、励まし続けたことで勾留期間中、黙秘を貫き供述調書は1通も作成されませんでした。
勾留の延長決定に対して準抗告を申し立てたところ、申立てが認容され依頼者は釈放されました。そして、その後、結局、起訴をしても証明することが困難と判断した検察は不起訴処分とし、本件は解決となりました。
速やかに保釈して執行猶予を得た事例
知人のホームパーティに参加していた際、依頼者はトイレでコカインを使用しました。ちょうどその時、騒音について近所から苦情が入り、警察官が注意をするために知人宅を訪れました。驚いた依頼者は窓からコカインを外に投げ捨てたところ、ちょうどその下にいた警察官に現認され、コカインの所持で現行犯逮捕されました。
初犯だったことから執行猶予が付くことはほぼ間違いはありませんでした。そのため、身柄拘束期間をできる限り短くすることが弁護活動の主眼でした。
勾留決定に対する準抗告は棄却されましたが、コカインの使用で再逮捕されることを避けるべく、捜査には積極的に協力するとともに、捜査機関にも20日間の勾留期間で全ての捜査を終えることを求めました。
その結果、再逮捕は回避され、コカインの所持と使用で起訴され、即日、保釈されました。公判は予定通り第一回期日に結審し、執行猶予判決にて本件は解決しました。
コカインの所持と使用で執行猶予を得た事例
依頼者は電車内に大麻が入っている財布を忘れてしまいました。身分証も入っていたことから後日逮捕は確実と考え、自ら警察に出頭しました。しかし、警察は鑑定結果が出たら逮捕するということで、その日は帰らされました。
予告どおり後日警察が自宅にやってきて逮捕されました。逮捕後の尿検査ではコカインの陽性反応も出てしまいました。勾留には接見禁止が付きましたが、弁護士から裁判所に申し立てをしたことによって両親については接見禁止の対象外とされました。
地元の友人たちの間で大麻が流行っており、次第にコカインにも手を出すようになったということでした。違法薬物に依存傾向にあることを自覚しており、専門の医師の治療を受けることに前向きな姿勢でした。
20日間の勾留の後に、コカインの使用で再逮捕、勾留をされました。勾留延長に対して準抗告を申し立てたところ、勾留期間は4日間に短縮され、起訴後に保釈をしました。初犯でしたので、判決は予定通り執行猶予付きのものとなり本件は解決しました。
薬物事件に強い弁護士に東京で依頼するときの費用は?
弁護士費用は大きく分けると、着手金と成功報酬金から構成されます。加えて、接見日当を設定している法律事務所もあります。
着手金は依頼するときに支払います。30万円が相場ですが、否認事件など難易度の高い事件の場合には50万円ほどに設定している法律事務所もあります。
他方、成功報酬金の定め方は法律事務所によって様々です。不起訴、釈放、執行猶予などの成功結果に対して10万円から50万円ほどが設定されます。
弁護士費用の総額としては、60万円から80万円ほどが相場といって良いでしょう。
まとめ
以上、薬物事件に強い弁護士についての解説でした。
勾留されてもいい、前科がついてもいいという場合であれば薬物に強い弁護士に依頼をする必要性は高くないでしょう。一方、逮捕勾留を回避したい、前科を避けたい、執行猶予を得たいというご要望があるときは、手遅れになる前に薬物事件に強い弁護士にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。