離婚の切り出し方を解説!ポイントと流れ・迷ったらすべきことも紹介
最終更新日: 2023年09月29日
- 離婚について話し合いたいのだが、どう切り出したらよいかわからない
- 離婚を切り出すベストなタイミングを知りたい
- 離婚を切り出す前に、弁護士と相談した方がよいのだろうか?
配偶者の浮気の証拠を発見した場合や、DVをされたという場合は、離婚を切り出しやすいかもしれません。なぜなら、相手方が責められる行為をしており、こちらから離婚を切り出す理由があるからです。
しかし、お互いに愛情が冷めていながら、世間体や周りの目を気にして、対外的に仲の良さを装う「仮面夫婦」のようなケースでは、逆に離婚を切り出しにくい場合があるでしょう。
そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚の切り出し方のコツ、離婚を切り出した後の流れ等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- いきなり離婚を切り出せば相手が驚く場合もあるので、前置きをしたうえで告げたり、メールやLINEで告げたりしてみる
- 離婚を切り出すだけではなく、相手の主張も冷静に聞きつつ話し合う
- 弁護士に相談すれば離婚の切り出し方のアドバイスや、代理人として相手方との話し合いを任せられる
離婚の切り出し方
夫婦の一方が浮気やDV等、夫婦関係の継続ができないような問題を起こしたわけでなく、お互いのすれ違いで、離婚を望むようになる場合もあるでしょう。
しかし、このようなケースでは離婚を切り出した瞬間、相手は非常に驚くかもしれません。
こちらでは対面や電話、メール・LINEによる、穏便な離婚の切り出し方を説明しましょう。
対面
いきなり相手の顔をみて「離婚して!」では、言われた側は混乱してしまいます。
しっかり前置きをしたうえで、離婚を切り出した方がよいでしょう。具体的には、次のように切り出します。
前置き
「いつも遅くまで働いてくれて、本当に感謝しています」
切り出し
「でも、かなり前から夫婦の会話がなくなってしまって、あなたと共に生活する意味が感じられません。お互いの将来のため、それぞれ別の道を考えてみませんか?離婚について、一緒に考えてもらえないでしょうか?」
あくまで最初は離婚の「提案」にとどめ、離婚へ同意するように迫るやり方は避けましょう。
これが離婚のための協議のスタートであり、いろいろな話し合いを重ねていくのが穏便な方法といえます。
電話
夫婦ともに落ち着いている状態であれば、電話で切り出して構いません。
ただし、相手が忙しい場合もあるので、必ず忙しいか否かを確かめてから切り出しましょう。
前置き
「突然お電話してごめんなさい。大事なお話があるのですが、いま大丈夫ですか?」
切り出し
「かなり前から夫婦の生活がすれ違いばかりで、一緒に生活する意味が感じられなくなりました。離婚について、一緒に考えてもらえないでしょうか?」
電話の場合、相手への不満を率直に言ってしまう傾向があります。まずは、離婚を希望している事実が伝わればよく、それ以上相手を刺激しないように努めましょう。
メール・LINE
互いに生活ですれ違いが多く、相手があまり家に帰ってこない、単身赴任中という場合等、対面や電話で切り出す機会が多くないときは、メールやLINEを利用した方がよいでしょう。
前置き
「とても大切なお話をしたかったのですが、なかなか直接相談できないので、メール(またはLINE・手紙)で伝えさせていただきます」
切り出し
「かなり前から夫婦の生活がすれ違いばかりで、あなたが家に帰ってくる日も限られています。一緒に生活する意味が感じられなくなりました。離婚について、一緒に考えてもらえないでしょうか?」
相手がなかなか家に戻ってこない(または来られない)、電話もなかなか通じないという場合は、このままメールやLINEのやり取りで離婚の話を進めても構いません。
もちろん、相手を過剰に攻撃するような内容は避け、互いが歩み寄れるよう冷静にやり取りをしていきましょう。
離婚の切り出し方のポイント
離婚を切り出すタイミングと、冷静に説明する心がけが大切です。
次のポイントを押さえつつ、相手方に説明し、話し合いの継続を図っていきましょう。
周りに人がいないときに切り出す
相手の他に家族(子どもや親等)がいれば、やはり相手と同様に慌ててしまうかもしれません。そのため、相手が一人になったときを見計らい、離婚を切り出してみましょう。
相手と離婚の話し合いが進み、離婚条件に互いが納得し、離婚届を提出する段階となったとき、他の家族に離婚する旨を伝えます。
冷静な態度で説明する
離婚を切り出す場合は、常に冷静さを保ちつつ相手へ説明しましょう。
切り出された側は驚き、なぜ離婚をしようと思うのか問い詰めるかもしれません。
そのとき、感情的な発言(例:浮気をしたあなたが全面的に悪い等)はせず、冷静に理由を説明すれば、言い争いになるリスクを軽減できます。
相手の考えを尊重する
自分が離婚を切り出した後に、たとえば相手も同様に愛情が冷めていたけれど、子どもに配慮し、なかなか離婚したいと告げられなかった、と返答するかもしれません。
離婚を切り出された相手方から「せめて、子どもが社会に出て自立するまで待ってくれ」と言われる場合もあるでしょう。
この場合、自分は子どもが自立できるまで離婚を待てるのか、よく考えてみましょう。
自分の言い分ばかりを主張せず、相手の考えも柔軟に取り入れながら、離婚について検討する姿勢が大切です。
離婚を切り出した後の流れ
離婚を切り出し、お互いが理性的に話を進められればよいのですが、離婚の条件等がまとまらず、離婚に関する取り決めが全く進まなくなる可能性もあります。
こちらでは、どのように離婚のための手続きを進めていくかについて、協議・調停・裁判と3つのステップに分けて解説しましょう。
協議
夫婦で離婚の条件に関する話し合いを進めます。話し合いで決めるのは主に次のような内容です。
- 親権:夫婦どちらを未成年の子どもの親権者にするかの決定
- 財産分与:婚姻中に夫婦で協力して得た財産の配分の決定
- 養育費:親権者とならない親が負担し、金額・支払期間・支払方法等を決める
- 面会交流:親権者とならなかった親が、子どもと定期的に交流する方法等を決める
- 慰謝料:夫婦のどちらか一方が離婚原因(例:浮気、DV等)をつくった場合、支払う慰謝料の金額等を決める
- その他:夫婦の事情に応じて決定(例:年金分割、夫婦間の金銭貸借の清算等)
条件の取り決めが済めば「離婚協議書」を2通作成し、双方が署名・押印後、それぞれが大切に保管しておきましょう。
調停
協議しても話がまとまらなかった場合、「夫婦関係調整調停(離婚)の申立」を行いましょう。こちらは「調停離婚」と呼ばれています。
相手方の住所地または当事者が合意で定めた家庭裁判所で話し合いを行います。
調停は2名の調停委員が当事者の言い分をヒアリング後、アドバイスや解決案を提示する等して、和解を目指す方法です。
調停は非公開で行なわれ、原則として夫婦双方の出頭が必要です。
話し合いがすぐにまとまらないときは、約1か月おきに数回程度、家庭裁判所で調停が行われます。
裁判
調停で和解できなかったときは、「裁判離婚」で問題の解決を図ります。原則として夫または妻の住所地を受け持つ家庭裁判所に、訴訟を提起します。
原告・被告となった夫婦は、公開の法定で自分の主張を行い、証拠を提出しなければいけません。
相手方が事実と相違する主張をするときは、反論してその証拠を提示する等の対応も必要になります。
裁判離婚では、裁判官が夫婦それぞれの主張や証拠物等、一切の事情を考慮したうえで、原告の主張を認めるか否かを決め、判決を言い渡します。
離婚の切り出し方に迷ったらすべきこと
離婚の切り出し方に悩むときは、離婚問題に数多く携わってきた弁護士に相談してみましょう。
弁護士は、よい切り出し方や、話し合いのコツをアドバイスします。また、弁護士に依頼すれば、自分に代わって相手との離婚の交渉も任せられます。
相手が感情的になり直接の話し合いが難しくても、法律の専門家である弁護士とであれば、話し合いに応じる可能性があります。
法律事務所の中には初回相談無料で対応するところもあります。
まとめ
今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、対面・電話・メールによる離婚の切り出し方、離婚を切り出した後の対応等について詳しく解説しました。
どのような方法で離婚を切り出せば、相手が冷静に対応するか、よく検討してみましょう。
離婚の切り出し方に悩むときは、まずは弁護士に相談し、対応の仕方を話し合ってみることで、離婚へ向けた道すじが明らかになります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。