自己破産の費用相場はいくら? 「お金がなくて払えない」ときの考え方と支払いの工夫

2026年02月18日

自己破産の費用相場はいくら? 「お金がなくて払えない」ときの考え方と支払いの工夫

「借金の返済で手元にほとんど余裕がないのに、弁護士費用まで用意できるのだろうか」
「数十万円を一括で支払うのは現実的ではない……」

自己破産を検討する際、費用面に不安を感じる方は少なくありません。
もっとも、実際には手元にまとまった資金がない状態から手続きを始めるケースも多く、費用の支払い方法についても一定の工夫が取られています。

本記事では、自己破産にかかる費用の相場や内訳を整理したうえで、「すぐに十分な資金が用意できない場合に、どのように考えればよいか」を、制度の仕組みに沿って分かりやすく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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自己破産にかかる費用の相場と内訳

自己破産の費用は、大きく分けて「裁判所に支払う費用(実費)」と「弁護士費用」の2つに分かれます。

総額は、裁判所が決定する手続きの種類によって異なり、一般的な目安は以下のとおりです。

手続きの種類

費用の総額目安

特徴

同時廃止事件

約30万〜50万円

財産がほとんどない場合に選択されやすく、比較的費用と期間を抑えやすい手続きです。

管財事件

約50万〜80万円

一定の財産がある場合や、借金の経緯について調査が必要な場合に選択されます。

 

裁判所に支払う費用(実費・予納金)

同時廃止の場合

印紙代・郵券代・官報掲載費などで、合計約2万円程度が目安です。

管財事件の場合

上記に加えて、引継予納金(原則20万円〜)が必要になります。
これは、裁判所が選任する「破産管財人」の報酬に充てられるものです。

なお、多くの地方裁判所では、弁護士が代理人として就き、財産整理等を代理人が行うことで、 予納金を比較的低額に抑える「少額管財」という運用が行われています。

弁護士費用

弁護士費用には、申立書類の作成、裁判所とのやり取り、審尋(面接)への対応など、手続きを進めるためのサポート全般が含まれます。

一般的な相場は30万円~50万円程度です。

金額や支払い方法は事務所ごとに異なるため、 依頼前に総額や支払い条件を確認することが重要です。

費用に不安がある場合に知っておきたい制度の仕組み

「費用を用意できてから相談しよう」と考える方もいますが、 自己破産の手続きでは、相談や依頼のタイミングによって家計状況が変わることもあります。

弁護士が介入すると返済が一時的に止まる仕組み

弁護士が正式に受任すると、債権者に対して「受任通知」が送付されます。これにより、貸金業者からの返済請求や督促が一時的に止まるのが一般的です。

その結果、 それまで返済に充てていたお金を、弁護士費用や裁判所費用の準備に回せるケースもあります。

分割払いに対応している事務所もある

一括での支払いが難しい場合でも、分割払いに対応している法律事務所もあります。

返済が止まっている期間に、無理のない範囲で少しずつ支払っていく方法が取られることもあり、支払い方法については、相談時に確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q:裁判所への予納金(20万円)も分割できますか?

A:裁判所への支払い自体は原則として一括ですが、申立てまでの準備期間中に少しずつ積み立てる形で準備するのが一般的です。
弁護士費用の分割支払いと並行して準備されるケースもあります。

Q:司法書士に依頼したほうが安くなりますか?

A:表面上の報酬は低く見える場合がありますが、管財事件になった場合、司法書士は裁判所の代理人になれないため、 各裁判所の運用によりますが「少額管財」が利用できず、予納金が高額になることがあります。
結果として、総額では弁護士に依頼した場合より高くなるケースもあります。

Q:相談料を何度も支払う余裕がありません。

A:借金問題については、初回相談を無料としている事務所も多く、費用や手続きの流れについて確認したうえで検討することが可能です。まずは「自分の場合、どの程度の費用が見込まれるのか」を把握することが大切です。

まとめ:費用だけを理由に判断を先延ばしにしないために

自己破産は、経済的に行き詰まった状況から生活を立て直すために設けられている制度です。

対応を先延ばしにすると、 遅延損害金が増えたり、強制執行などのリスクが生じたりすることもあります。

費用に不安がある場合でも、制度の仕組みや支払い方法を正しく理解することで、現実的な選択肢が見えてくることがあります。

「今の状況で、どの程度の費用がかかるのか」
「支払い方法にどのような選択肢があるのか」

そうした点を整理するところから、検討を始めてみるのも一つの方法です。

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