離婚したいのに相手が応じないときの解決策|弁護士が解説
2025年09月30日
「離婚したいのに、相手が首を縦に振ってくれない…」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。夫婦の一方が「絶対に離婚しない」と拒否していると、話し合いが進まずに時間ばかり過ぎてしまいます。
しかし実は、相手の同意がなくても、法律の手続きを踏めば離婚を成立させることは可能です。
この記事では、相手が離婚に応じない場合の理由や、解決の流れ、弁護士に依頼するメリットをわかりやすく解説します。
相手が離婚に応じないときのよくある理由
相手が「離婚はしない」と拒否する背景には、さまざまな理由があります。
生活費や財産分与への不安
離婚後の生活費に不安を感じて拒否するケースです。特に専業主婦(夫)の場合は、経済的な自立が難しいと考えて同意しない傾向があります。
子供への影響を懸念
「子供のために離婚しない方がよい」と考えるケースです。親権や養育費が絡むため、感情的になりやすい問題でもあります。
自分に不利な条件を避けたい
慰謝料や財産分与を負担したくない、親権を失いたくないという思いから拒否する場合もあります。
感情的な拒否
「絶対に別れたくない」「世間体が悪い」という感情的な理由で拒む方も少なくありません。この場合は理屈で説得するのが難しく、長期化しやすい傾向があります。
離婚が成立するための法律的な条件
日本での離婚の方法は大きく分けて3つあります。
協議離婚
夫婦が合意し、離婚届を提出すれば成立します。最も簡単ですが、相手が拒否すれば不可能です。
調停離婚
家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う方法です。合意に至れば調停離婚として成立します。
裁判離婚
調停でも合意できなかった場合は裁判に進みます。裁判では、民法770条で定められた「法定離婚事由」が認められれば、相手の同意がなくても離婚が成立します。
法定離婚事由の代表例:
- 不貞行為(不倫)
- 悪意の遺棄(生活費を入れない・家に帰らないなど)
- DVやモラハラ
- 強度の精神疾患で回復の見込みがない場合
- 夫婦関係が破綻して修復不能である場合
相手が応じないときの解決方法
相手の同意が得られない場合に取るべき手段は次のとおりです。
家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てる
家庭裁判所に申し立てを行い、調停委員を交えて話し合います。第三者が介入することで、感情的になりやすい夫婦間の交渉が前進しやすくなります。
調停で合意できなければ「離婚裁判」へ
調停が不成立の場合は離婚裁判に進みます。裁判では証拠に基づいて離婚の可否や慰謝料、親権、養育費などが決定されます。
証拠を揃えることが不可欠
調停や裁判に進んだ場合、最終的に裁判所が離婚を認めるかどうかは「証拠」によって判断されます。いくら「相手と一緒に暮らすのは無理だ」と主張しても、客観的な裏付けがなければ裁判官を説得することはできません。
特に不倫やDV、長期別居といった離婚事由を立証するためには、確実な証拠を準備しておくことが重要です。
- 不倫の証拠(ホテルの出入り写真、メールやLINE)
- DVの診断書や警察相談記録
- 長期別居の事実を示す資料
これらの証拠は裁判で離婚を成立させる上で非常に重要です。
相手が応じない場合に弁護士へ相談するメリット
相手が離婚を拒否している場合、自分だけで解決するのは困難です。弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。
証拠の有効性を判断してもらえる
「LINEしかないが証拠になるのか」といった不安も専門的に評価してもらえます。
調停や裁判を有利に進められる
弁護士が書面作成や主張整理を代行するため、手続きがスムーズになります。
精神的負担を軽減できる
相手との直接交渉を避けられるので、精神的ストレスを大きく減らせます。
金銭面でも有利に進められる
慰謝料や財産分与について、弁護士が交渉することで結果的に増額できる可能性があります。
まとめ
相手が離婚に応じない場合でも、調停や裁判を通じて離婚を成立させることは可能です。
大切なのは、必要な証拠を揃えて、法律に沿った正しい手続きを進めることです。
一人で対応するのは大変な場面もありますが、専門家のサポートを受けることで、手続きの流れを整理し、精神的な負担を減らすことができます。
まずは「自分のケースではどのような進め方ができるのか」を冷静に確認することから始めるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q:相手が離婚届にサインしてくれない場合どうすればよいですか?
家庭裁判所に調停を申し立てることで解決に進められます。
Q:調停にはどのくらい時間がかかりますか?
一般的には6~12か月程度ですが、条件が複雑な場合は1年以上かかることもあります。
Q:裁判で離婚が認められるケースは?
不倫、DV、長期別居など夫婦関係が破綻していると認められる場合です。
Q:弁護士に依頼すると費用はいくらかかりますか?
事務所によって異なりますが、簡易な事件ですと着手金と報酬金を合わせて数十万円程度が目安です。
Q:子供の親権はどうなりますか?
裁判では、子供の利益を最優先に考え、監護実績や生活環境をもとに裁判所が判断します。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。