離婚で相手に弁護士がついた!不利にならないための対策と「やってはいけない」3つの行動
最終更新日: 2026年02月12日

「突然、相手の弁護士から手紙が届いた」
「相手に弁護士がついたということは、もう自分は不利なのだろうか?」
離婚の話し合いの途中で、配偶者が弁護士を立てた(代理人を選任した)と知ると、多くの方が不安や戸惑いを感じます。
もっとも、相手に弁護士がついたからといって、直ちに不利になるわけではありません。
大切なのは、感情的に反応するのではなく、状況を正しく理解したうえで、落ち着いて対応することです。
この記事では、離婚問題に多く携わってきた弁護士の視点から、相手に弁護士がついた場合の基本的な考え方と、注意すべき行動について解説します。
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相手の弁護士は「中立な第三者」ではない
まず理解しておきたいのは、相手方の弁護士は、こちらの立場を考慮して動く存在ではないという点です。
弁護士は、依頼者の利益を守るために活動する専門職です。
そのため、相手方弁護士が丁寧で落ち着いた対応をしてきたとしても、その目的はあくまで「依頼者にとってより有利な条件で解決すること」にあります。
- 提示される条件は「相手にとって有利な案」であることが多い
慰謝料や財産分与の金額が、必ずしも裁判所の基準や一般的な相場と一致しているとは限りません。 - やり取りの内容は慎重に扱われる
電話やメールでの発言が、後の交渉や手続きの中で不利に評価される可能性もあります。
相手方弁護士の主張をそのまま受け取るのではなく、冷静に内容を見極めることが重要です。
「弁護士を立てる」と言われただけの段階なら?
まだ手紙(通知書)は届いておらず、口頭やLINEで「弁護士を立てるから覚悟しておけ」と言われた段階であれば、対応はやや異なります。
脅しの可能性もある
相手が感情的になって発言しただけで、まだ正式に弁護士と契約していないケースも少なくありません。
この段階で過度に不安になったり、焦って謝罪したり、不利な条件(例:「離婚届にすぐ判を押す」など)を受け入れたりする必要はありません。まずは状況を見極めることが大切です。
無理に確認の連絡をする必要はない
「どこの弁護士?」「いつ連絡が来る?」と繰り返し尋ねることは、かえって対立を深める可能性があります。
現時点で正式な通知が届いていないのであれば、相手を刺激するような行動は避け、落ち着いて状況を見守る姿勢が望ましいでしょう。
水面下で準備を始める
もっとも、実際に弁護士から通知が届く可能性もあります。そのため、以下のような準備を進めておくと安心です。
- 相手の収入資料(源泉徴収票のコピーなど)や財産状況の整理
- これまでの経緯(日時・やり取りの内容など)のメモ作成
- 自分が相談できる弁護士を事前に探しておく
事前準備をしておくことで、いざ通知が届いた場合も冷静に対応しやすくなります。
相手方弁護士から届く主な書面と意味
相手が弁護士を立てると、まず書面で連絡が届くのが一般的です。代表的なものは次のとおりです。
- 受任通知
「弁護士が代理人に就任したこと」と「今後の連絡は弁護士を通して行うこと」を知らせる書面です。 - 協議離婚の申入書
離婚の意思表示とともに、慰謝料、財産分与、親権などの条件が記載されていることがあります。 - 内容証明郵便
一定期間内に回答がない場合、調停や裁判を検討する可能性があることを示す書面です。
これらの書面が届いても、その時点で条件に同意する必要はありません。
内容を整理し、対応を検討する時間は確保できます。
相手が弁護士を立てたときに避けたい3つの行動
不安や焦りから、次のような行動を取ってしまうと、結果的に不利になることがあります。
NG行動1:配偶者(相手)に直接連絡を取る
相手に弁護士がついた場合、通常は連絡窓口が弁護士に一本化されます。
その後も「夫婦の問題だから二人で話そう」「弁護士を外してほしい」といった内容で、電話やLINEを繰り返すと、相手側から「不適切な接触」と受け取られるおそれがあります。
場合によっては、相手側から精神的圧力やハラスメントと主張されることもあり、紛争が拡大する可能性があります。
配偶者から直接連絡があった場合も、「弁護士がついているので、弁護士を通して連絡してください」と冷静に伝え、直接交渉は控えるのが無難です。
NG行動2:届いた書面を放置する
精神的な負担から、書面を見ないままにしてしまう方もいます。しかし、回答期限が記載されている場合、何も対応しないと相手方は法的手続き(離婚調停や訴訟など)に進むことがあります。
裁判所から呼出状が届くと、平日に出頭が必要になるなど、時間的・精神的な負担が大きくなります。
内容に納得できない場合でも、期限内に何らかの対応方針を検討することが大切です。
NG行動3:感情的な返答をする
相手方の弁護士に対して、怒りに任せた電話や感情的な長文書面を送ることは避けましょう。
やり取りの内容は記録に残るため、不用意な発言が今後の交渉や手続きの中で不利に扱われる可能性があります。
冷静に事実関係を整理し、必要であれば自分も専門家に相談したうえで対応することが望ましいでしょう。
相手が弁護士を立てたときの正しい対応ステップ
通知書を無視しない
弁護士からの通知書を受け取った際、驚いて放置してしまう方もいますが、これはあまりお勧めできない対応です。
内容証明を無視すると、相手は家庭裁判所に調停や訴訟を申し立てることが多く、より深刻な事態につながります。
まずは冷静に通知内容を確認しましょう。慰謝料、親権、財産分与などの主張が記載されているはずです。
弁護士に相談して内容を確認する
通知の中には、法的な意味合いが強い用語が並んでいたり、一見妥当そうに見えても実際は不利な条件が含まれていたりすることがあります。
「親権は放棄する」「養育費は月1万円で」などの提案が法的に適切かどうかは、法律の専門知識がなければ判断できません。
離婚分野に詳しい弁護士に相談すれば、自分にとって妥当な条件かどうか、反論すべきポイントがどこかが明確になります。
一人で判断せず、冷静に方針を立てる
相手が弁護士を立ててきたからといって、急いで結論を出す必要はありません。
「そもそも離婚に応じるかどうか」
「離婚はするが、親権や財産の条件は譲れない」
など、自分自身の意思をまず明確にし、そのうえで方針を立てていくことが重要です。
弁護士に依頼すれば、交渉の窓口を任せられるため、感情的なストレスも減ります。
相手の弁護士に有効な対抗姿勢とは?
相手に弁護士がついた場合、「どう対応すればよいのか」と不安になる方は少なくありません。
実務上、相手方の弁護士にとって対応しやすいのは、感情的なやり取りが中心で、法的整理がされていないケースです。
一方で、感情的にならず、法的根拠や証拠に基づいて冷静に主張してくる相手には、丁寧に対応せざるを得ません。
弁護士は法律の専門家ですので、感情論や抽象的な主張だけでは交渉は前に進みません。しかし、客観的な資料や法的な主張が示されれば、相手側もそれを踏まえた検討を行うことになります。
その意味で、もっとも確実な対応策の一つは、自分側も弁護士に相談・依頼することです。
こちらも弁護士を立てるメリット
対等な立場で交渉できる
弁護士同士でのやり取りになることで、主張や反論が法律に基づいて整理されます。
たとえば、相手から高額な慰謝料や一方的な条件が提示された場合でも、過去の裁判例や実務相場を踏まえて適正な水準での調整を図ることが可能になります。
結果として、過度に不利な条件で合意してしまうリスクを下げることができます。
精神的負担を軽減できる
相手の弁護士からの連絡や書面は、原則として自分の弁護士が窓口になります。
突然の電話や内容証明郵便に直接対応する必要がなくなるため、日常生活や仕事への影響を抑えることができます。
精神的な負担が軽くなる点は、多くの方が実感されるメリットの一つです。
不利な立場になりにくい
本人が単独で対応している場合、法的知識や交渉経験の差から、不利な条件を受け入れてしまうことがあります。
弁護士が代理人として対応することで、相手方も慎重に主張を整理するようになり、交渉がより客観的・実務的な内容になります。
結果として、冷静でバランスの取れた解決を目指しやすくなります。
弁護士を立てずに対応するリスク
不利な条件を受け入れてしまうおそれ
弁護士が作成する書類や提案は、法的根拠がありそうに見えるため、「断れない」と感じる人が少なくありません。
実際には、交渉次第で金額や条件が大きく変わる場合も多く、専門家を通さずに一人で受け入れてしまうと、後悔する可能性があります。
精神的負担の増加
「弁護士からの通知が怖くて、何も手につかない」「どう対応すればいいかわからない」という方もよくいらっしゃいます。
自分に弁護士がつけば、弁護士同士での冷静なやり取りが可能になるため、精神的にも落ち着いて対応できるようになります。
よくある状況と対応例
相手の弁護士から慰謝料請求が届きパニックに
40代女性のケースです。突然夫の代理人弁護士から内容証明が届き、「不貞を理由に300万円を請求する」との内容でした。自分で返そうとしたが、精神的に追い詰められ、1か月後に弁護士へ相談。
調査の結果、不貞の証拠が不十分であることが判明し、慰謝料はゼロでの合意に成功しました。
突然相手が弁護士を立ててきて焦ったが冷静に対応
40代男性ケースです。離婚の話し合いが進んでいたところ、ある日突然、妻側の弁護士から通知が届いた。「いきなり弁護士?」と戸惑ったが、落ち着いて弁護士に相談。
通知内容は冷静な交渉のためのもので、極端な主張は含まれていなかった。自らも弁護士を立てたことで話がスムーズに進み、双方納得の合意に至った。
※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。
よくある質問(FAQ)
Q:弁護士からの通知書は必ず従わなければいけませんか?
いいえ。通知はあくまで「相手の希望」にすぎません。内容を検討し、必要であれば交渉することができます。
Q:こちらが弁護士を立てると、かえって揉めませんか?
弁護士を立てたことで冷静な話し合いが進み、スムーズに解決するケースも多いです。
Q:費用が心配ですが、相談だけでもできますか?
多くの法律事務所では初回相談が無料です。不安な気持ちのまま放置せず、まずは話を聞いてもらうことから始めてみてください。
Q:通知に「〇日以内に返答しなければ調停や訴訟に進む」と書かれていました。必ず応じなければなりませんか?
法的な拘束力はありませんが、無視すれば本当に調停や訴訟になる可能性もあるため、弁護士と一緒に対応方針を決めるべきです。
Q:話し合いの途中で相手が突然弁護士をつけることってよくある?
はい、よくあります。感情的なやり取りが難航したときや、冷静な話し合いを求めるタイミングで弁護士を立てる人は多くいます。
まとめ
相手が弁護士を立ててきたと聞くと、不安や焦りを感じるかもしれません。
しかし大切なのは、「冷静に対応すること」「必要なら自分も弁護士を立てて対等な立場に立つこと」です。
通知を無視せず、今後の対応方針を明確にするためにも、まずは一度専門家に相談してみてください。
自分の意思をしっかり持ち、法的に妥当な条件で交渉を進めることが、後悔のない離婚への第一歩です。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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