置き引きは被害届出たら防犯カメラの捜査で捕まる?専門弁護士が解説
最終更新日: 2023年12月06日
- 置き引きは現行犯の場合以外、逮捕されるケースはあるのだろうか
- 置き引きをしたが防犯カメラに犯行が映っていたら逮捕されるのだろうか
- 置き引きした犯行をなんとか穏便に解決したい、弁護士を立てるべきだろうか
置き引きとは、他人が少し目を離したすきにその人の財布を持ち去ったり、または他人の忘れ物や落とし物等を持ち去ったりして、自分の物とする犯罪です。
置き引きは、犯行を見ていた人や警察官に取り押さえられ現行犯逮捕となる他、犯行時より時間が経ってから逮捕となる可能性もあります。
そこで今回は、数多くの刑事事件に携わってきた専門弁護士が、被害届と防犯カメラで捕まる可能性、逮捕されたとき弁護士のサポートを受ける必要性等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 置き引きは現行犯の他、防犯カメラ等の映像が決め手になり逮捕される可能性もある
- 防犯カメラから特定される情報は、犯人の顔や車種・ナンバー等がある
- 置き引きで逮捕をされたら、弁護士にサポートを依頼し、不起訴や減刑を目指す
置き引きは被害届と防犯カメラの捜査で捕まる可能性がある
置き引きをしたとき現行犯で逮捕されなくても、その後の警察の捜査で逮捕されてしまう可能性があります。
現在では監視カメラが駅や公園、お店にも数多く設置されているため、犯行の一部始終が記録されているかもしれません。
また、被害者が被害届を警察署に出せば、置き引きした犯人を後日逮捕できるかもしれません。
被害届
置き引きの被害者が、捜査機関に被害届を提出する可能性があります。被害届とは、警察に対し犯罪被害の事実を申告する方法です。
被害者が警察署に行くと、担当者から被害にあった年月日や時間・場所等を詳しく聴かれ、聴取後に警察官が被害届を作成します。その後、警察が事件性ありと判断したならば捜査を開始します。
たとえば、置き引きのよく多発している場所で事件が発生していたら、警察は捜査の重要性を認識し、徹底した対応をします。
防犯カメラ
被害届が出されたら警察は防犯カメラを見て、置き引きの犯人を特定していきます。
警察は、お店の中や犯行現場付近に設置された防犯カメラの映像はもちろん、第三者の証言から犯人を慎重に割り出していきます。
具体的には、防犯カメラを設置している管理会社の協力のもと、犯行当日に不審な行動を取っている者がいないか、置き引きの犯行が記録されていないか等をチェックします。
事件から数か月後逮捕されることも
警察の捜査で第三者の証言や、防犯カメラで確認された置き引き行為、犯人の容姿等の画像から犯人が特定されます。
事件後すぐ逮捕される可能性は低いものの、防犯カメラの映像から1週間後または1か月程経った後に逮捕されるかもしれません。
事件から数日経っても、警察の取り調べを受けていないから安心、と考えるのは早計です。
置き引きの被害届が出て防犯カメラから特定される情報
防犯カメラの性能は飛躍的に向上しており、設置台数も増加傾向にあります。
置き引きの犯行はもちろん犯人の顔や、犯人の使用した自家用車までしっかり記録されている可能性もあるでしょう。
犯人の顔
置き引きした犯人が犯行に及んだ地域に住んでおり、たびたび置き引きした現場(例:公園や駅、お店等)を訪れていた場合、容姿だけでも犯人を特定できるケースがあります。
警察は犯行当日だけではなく、その前後の映像を確認し、置き引き犯がその地域で行動している者かどうかを慎重にチェックします。
車種・ナンバー
置き引きした犯人が自家用車を運転し、買い物のために置き引きしたお店を利用していた場合、犯人を特定しやすくなります。
防犯カメラ映像から自家用車の車両ナンバーが判明すると、犯人の氏名・住所等の特定に大きく前進するでしょう。つまり自家用車の名義人を捜査し、犯人の特定に結びつくケースが多くあります。
お店の外(駐車場)のカメラに、犯人が乗っていた自家用車が映っていて、かつ車両ナンバーが鮮明であれば、逮捕は時間の問題でしょう。
犯人の自宅
置き引きの犯行に及んだ場所だけではなく、犯人の自宅付近にも防犯カメラが設置されている可能性があります。
その防犯カメラ映像から犯人の足取りを追い、犯人が犯行現場の近くに住んでいるのか、頻繁に利用している場所だったのか等、いろいろな確認が取れます。
被害届と防犯カメラをきっかけに置き引きで逮捕されたら
被害届が出され、防犯カメラの映像が決め手となり、警察官によって逮捕された場合、決して取り乱さず、逃走しないようにしましょう。
逮捕後に弁護士のサポートを得られれば、不起訴や減刑となるケースもあります。
弁護士への相談
自分が置き引きで逮捕された場合、次のような方法で弁護士と面会した方がよいです。
- 逮捕前に弁護士と相談し弁護を依頼していた場合:警察官に弁護士を呼んでもらうようお願いする
- 弁護士へ依頼する前に逮捕された場合:家族に頼んで弁護士に弁護を依頼してもらう
逮捕された後、自分の携帯していたスマートフォンは取り上げられてしまうため、自由に連絡が取れなくなります。
事前に弁護士を自分の「私選弁護人」として選んでいる場合、警察に連絡してもらえば、逮捕直後からすぐに面会が可能です。
弁護士は次のようなアドバイスを行います。
- 今後、どのように刑事手続きが進められるのか
- 取り調べを受ける際の受け答え
- 弁護士はどのように不起訴・減刑のための活動を進めるか 等
なお、逮捕前に弁護士へ相談した場合、自首をすすめられる可能性があります。もちろん、自首のときは弁護士が同伴します。
弁護士と一緒に自首すれば、置き引きの犯行を悔い、反省している旨を警察・検察にアピールできます。
示談交渉
弁護士は被害者との示談交渉を進め、示談成立を目指します。
弁護士が示談を働きかけると、被害者側が応じる可能性も高くなります。弁護士は、被害者の被害状況や心情を考慮に入れ、示談条件・示談金額を提示します。
被害者が提示された内容に合意したら、合意書を取り交わします。
合意書の内容は基本的に次のような内容を明記します。
- 加害者・被害者の氏名等
- 示談の合意内容(加害者:示談金を支払う、被害者:被害届の取り下げ・加害者を許すという条項等)
- 示談金額、支払方法、支払期日等
合意書は和解内容を忘れないよう明記する意味と、捜査機関に和解が成立した事実を示す証拠ともなります。
反省の意思表示
弁護士であれば置き引きした本人(加害者)の反省の意思を、効果的に被害者の他、警察や検察へ主張できます。
もちろん、本人からの謝罪は必要ですが、逮捕後は本人自体が興奮状態となっている可能性もあります。本人が冷静さを取り戻すまで、弁護士が本人の伝えたいことを代弁します。
検察官は置き引きについて起訴できる証拠・証言を集めていても、
- 置き引きした本人(加害者)が真摯に反省していると認められる
- 置き引きした本人は捜査へ積極的に協力していた
- 犯罪が軽微だ
- 被害者に誠心誠意謝罪し、示談を成立させた
- 被害者が許すと発言している
以上の点を考慮し、起訴猶予(不起訴)とする可能性もあります。
まとめ
今回は多くの刑事事件に携わってきた専門弁護士が、現行犯逮捕以外に事後の逮捕もあり得るケースや、弁護士を立てるメリット等について詳しく解説しました。
置き引きは、他人の身体を傷つける犯罪ではないため、罪悪感をあまり感じない人がいるかもしれません。
しかし、他人の目を盗み、または他人の落とし物・忘れ物を見つけ、これ幸いと持ち去り自分の物とする卑劣な犯罪です。有罪となれば懲役刑に処される可能性もあります。
置き引きを後悔し、なんとか穏便に解決したいときは、速やかに弁護士へ相談し対応を検討しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。