【最新版】企業向けセキュリティチェックリスト|今すぐ確認すべき25の必須項目
2025年12月15日

「自社のセキュリティ対策、本当にこれで大丈夫だろうか?」
「どこかに穴がないか不安だが、何を確認すればいいのか分からない」
サイバー攻撃の手口が日々進化する中、漠然とした不安を抱えている企業担当者は少なくありません。対策に漏れがあれば、そこが攻撃者の侵入口となります。
セキュリティ対策の第一歩は、現状を正しく把握することです。
本記事では、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のガイドライン等をベースに、企業が最低限クリアすべき「セキュリティ対策のチェックリスト」を作成しました。
組織・技術・物理・運用の4つの視点で、貴社のセキュリティレベルを今すぐ診断してみましょう。
組織・人的対策チェックリスト(ルールと人)
システムを入れる前に、まずは「ルール作り」と「人の意識」が土台となります。
No. | チェック項目 | 解説 |
1 | 情報セキュリティ基本方針(ポリシー)を定めているか | 経営者が「セキュリティに取り組む」と宣言し、全社に周知していること。 |
2 | 社内規定(利用ルール)が文書化されているか | PCやスマホの利用、データの取り扱いに関するルールが明文化されているか。 |
3 | CISO(最高情報セキュリティ責任者)や担当者が決まっているか | 誰が責任者で、誰が実務を行うのか、体制が明確になっているか。 |
4 | 全従業員と「秘密保持契約書(NDA)」を締結しているか | 入社時だけでなく、退職時にも情報の持ち出し禁止を誓約させているか。 |
5 | 定期的にセキュリティ教育を実施しているか | 年に1回以上、標的型攻撃メール訓練や研修を行っているか。 |
6 | 業務委託先のセキュリティ対策を確認しているか | 委託先経由の情報漏洩(サプライチェーン攻撃)を防ぐためのチェック。 |
技術的対策チェックリスト(PC・ネットワーク)
サイバー攻撃を直接防ぐための技術的なガードです。
No. | チェック項目 | 解説 |
7 | OSやソフトウェアは常に最新の状態(アップデート)か | Windows Updateなどが自動更新される設定になっているか。 |
8 | 全端末にウイルス対策ソフトを導入し、有効化しているか | 定義ファイルが常に最新になっているか確認する。 |
9 | パスワードは複雑に設定し、使い回しをしていないか | 「英数字記号を含む10桁以上」など、推測困難な設定を強制しているか。 |
10 | 多要素認証(MFA/2FA)を利用しているか | クラウドサービスやVPN接続時、ID/PW以外の認証(スマホアプリ等)を入れているか。 |
11 | 不要なサービスやポートを停止しているか | 使っていない機能が攻撃の穴にならないよう塞いでいるか。 |
12 | 管理者権限(Admin)を一般利用者に付与していないか | 勝手なソフトインストールを防ぐため、通常業務は標準ユーザーで行う。 |
13 | Wi-Fiの暗号化方式は「WPA2/WPA3」以上か | 古い暗号化方式(WEPなど)を使用していないか。 |
14 | 退職者のID(アカウント)は速やかに削除しているか | 「幽霊アカウント」が不正アクセスの踏み台になるのを防ぐ。 |
物理的対策チェックリスト(オフィス・機器)
泥棒や内部不正など、物理的な接触によるリスクへの対策です。
No. | チェック項目 | 解説 |
15 | 執務室・サーバー室への入退室管理を行っているか | 部外者が勝手に入れない仕組み(施錠、ICカード、受付簿)があるか。 |
16 | 離席時にPC画面をロックしているか | ショートカットキー(Win+L)などで画面を見られないようにしているか。 |
17 | クリアデスク・クリアスクリーンを徹底しているか | 机の上に重要書類やUSBメモリを放置したまま帰宅していないか。 |
18 | 重要書類や媒体は鍵付きキャビネットで保管しているか | 誰でも持ち出せる状態になっていないか。 |
19 | 機器の持ち出しルールが決まっているか | 社用PCやデータを社外へ持ち出す際の許可申請フローがあるか。 |
20 | 廃棄する機器のデータ消去を行っているか | PCやHDDを捨てる際、物理破壊や専用ソフトで復元不可能な状態にしているか。 |
運用・事故対応チェックリスト(もしもの備え)
事故は起こり得るものとして、被害を最小限にするための準備です。
No. | チェック項目 | 解説 |
21 | 重要データのバックアップを定期的に取っているか | ランサムウェア対策として、バックアップをネットワークから切り離して保管しているか。 |
22 | アクセスログ等の記録を取得・保管しているか | 「いつ誰が何をしたか」を後から追跡できるようにしているか。 |
23 | インシデント発生時の連絡網(緊急連絡先)があるか | 夜間や休日でも、誰に連絡すればよいか明確になっているか。 |
24 | 個人情報の管理台帳を作成しているか | 会社が保有している個人情報の種類と保管場所を把握しているか。 |
25 | 私用端末の業務利用(BYOD)を制御しているか | 許可なく個人のスマホを社内Wi-Fiに繋いだり、業務データを保存したりしていないか。 |
チェックリストを使う際の注意点:「やったつもり」を防ぐ
このリストを埋めることがゴールではありません。チェックリストを有効活用するためのポイントをお伝えします。
「◯」がつかない項目を放置しない
「×」がついた項目こそが、貴社のセキュリティホール(弱点)です。予算や手間の関係ですぐに対応できない場合でも、「いつまでに対応するか」または「代替策はどうするか」を計画に盛り込みましょう。
定期的に更新する
IT環境は変化します。
形式的なチェックにしない
担当者がデスクに座ったまま「たぶん大丈夫だから◯」とつけるのでは意味がありません。実際に現場を見て、ログを確認し、エビデンス(証拠)に基づいてチェックを入れるのが正しい運用です。
まとめ
セキュリティ対策に「これで完璧」という終わりはありませんが、「最低限やるべきこと」は明確です。
今回ご紹介したチェックリストは、基本的な守りを固めるための必須項目です。まずはこのリストを使って社内の現状を診断し、対策が不十分な箇所を一つずつ潰していくことから始めてください。
「何から手をつけていいか分からない」という状態から、「次はここを直そう」という具体的なアクションプランへ移行することが、企業を守る第一歩となります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。




