覚醒剤の初犯|拘留期間は平均何日?逮捕後の流れと早期釈放

最終更新日: 2025年11月25日

覚醒剤事件の勾留期間はどれくらい?釈放までの時間を短縮方法も詳しく紹介

覚醒剤の初犯で逮捕されてしまった場合、ご本人やご家族は、これから一体どうなってしまうのか、逮捕後の流れ、身柄拘束の期間、そして早期釈放の可能性について、大きな不安を抱えていることでしょう。特に「どれくらいの期間、拘束されるのか」「職場や家族に知られてしまうのではないか」「どうすれば早く日常を取り戻せるのか」といった疑問は尽きません。

この記事では、覚醒剤の初犯で逮捕された方が直面する刑事手続きの全体像を分かりやすく解説し、身柄拘束が長期化するリスクや、早期釈放・執行猶予獲得のために不可欠な専門家による対応の重要性について詳しくお伝えします。一人で抱え込まず、迅速かつ適切な対応をとることが、ご本人とご家族の未来を守るために何よりも大切です。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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目次

覚醒剤の初犯で逮捕|まず知るべき逮捕後の流れと拘留期間

覚醒剤の初犯で逮捕されてしまった場合、その後の法的な手続きがどのように進み、どのくらいの期間、身柄が拘束されるのか、大きな不安を抱えていることと思います。覚醒剤事件では、逮捕されてから最終的な処分が決定するまで、最大で23日間もの間、社会から隔離される可能性があります。この期間は、仕事や日常生活に深刻な影響を及ぼしかねません。

刑事手続きにはそれぞれの段階で厳格な時間制限が設けられており、その限られた時間の中で迅速かつ適切な対応を取ることが、早期釈放やより良い結果を得るために極めて重要です。これから、逮捕から起訴・不起訴の判断が下されるまでの具体的な流れと、それぞれの段階における時間制限について詳しく見ていきましょう。

【図解】逮捕から起訴・不起訴までの流れと時間制限

覚醒剤事件における逮捕後の刑事手続きは、複雑で時間的な制約が非常に厳しいものです。警察による逮捕から始まり、検察への送致、そして勾留の決定、最終的な起訴・不起訴の判断に至るまで、それぞれに厳密な時間制限が設けられています。警察段階での「48時間」、検察段階での「24時間」、そして勾留期間の「最大20日間」という制約の中で、手続きはスピーディに進められます。この一連の流れを正確に理解することが、今後の見通しを立てる上で不可欠です。

①逮捕と警察での取調べ(〜48時間)

刑事手続きは、警察による「逮捕」から始まります。逮捕には、覚醒剤を使用している現場を押さえられる「現行犯逮捕」や、後日、裁判官の発行した逮捕状に基づいて逮捕される「通常逮捕」などがあります。逮捕されると、まず警察署に連行され、取調べを受けることになります。

警察は、被疑者の身柄を拘束してから48時間以内に、事件を検察官に引き継ぐ「送致(そうち)」の手続きを行うか、あるいは被疑者を釈放しなければなりません。この48時間の間に、警察は被疑者から供述を得たり、証拠を収集したりします。被疑者には、取調べに対して黙秘する権利や、弁護士を呼んで相談する権利(弁護人選任権)があります。興奮せず冷静に対応し、ご自身の権利を適切に行使することが大切です。

②検察への送致と勾留請求(〜24時間)

警察から事件の送致を受けた検察官は、送致を受けてから24時間以内に、引き続き被疑者の身柄を拘束する必要があるかを判断します。この段階で、検察官自身が被疑者を取り調べ、証拠を精査します。検察官が「被疑者が逃亡するおそれがある」または「証拠を隠滅するおそれがある」と判断した場合、裁判所に対して「勾留(こうりゅう)」を請求します。

この逮捕後72時間以内(警察での48時間と検察での24時間の合計)の判断は、その後の身柄拘束の有無を左右する最初の、そして非常に重要な分岐点となります。勾留請求がなされると、裁判官が最終的に勾留の可否を決定することになります。

③勾留と勾留延長(最大20日間)

検察官の請求を受けて裁判官が勾留を決定した場合、被疑者は原則として10日間、警察署内の留置施設や拘置所で身柄を拘束されることになります。この勾留期間中に、検察官は事件の捜査をさらに進め、起訴するかどうかの判断を下すための証拠固めを行います。

もし捜査が10日間で完了しない場合、検察官は「やむを得ない事由」があるとして、裁判所に対し勾留の延長を請求することができます。この勾留延長は最大10日間認められる可能性があり、これにより勾留期間は合計で最長20日間に及びます。このような長期間の身柄拘束は、仕事や学業はもちろん、ご家族との関係や社会生活全般に深刻な影響を与えるため、勾留を避けるための弁護活動が非常に重要になります。

④検察官による起訴・不起訴の判断

最大20日間の勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を刑事裁判にかけるかどうか、すなわち「起訴(きそ)」または「不起訴(ふきそ)」の判断を下します。もし起訴された場合、被疑者は「被告人」となり、刑事裁判が開かれて有罪・無罪や刑の重さが争われることになります。起訴には、正式な裁判を開く「公判請求」と、書面審理だけで罰金刑などを求める「略式請求」があります。

一方、不起訴処分となった場合は、検察官が事件を裁判にかける必要がないと判断したことになり、被疑者はすぐに釈放されます。この場合、前科もつきません。この検察官による判断は、被疑者の人生に前科がつくか否かを決定づける、極めて重要な局面であると言えます。

覚醒剤の初犯は勾留される?平均的な拘留期間とは

覚醒剤の事件では、「初犯だからすぐに釈放されるだろう」と安易に考えることはできません。薬物犯罪は、証拠の隠滅や共犯者との口裏合わせ、そして薬物依存による再犯のおそれが高いと判断されがちです。そのため、たとえ初犯であったとしても、身柄を拘束し続ける「勾留」の必要性が高いとみなされ、勾留される可能性が非常に高いという厳しい現実があります。このセクションでは、覚醒剤事件における勾留の実態と、その背景にある考え方について詳しく見ていきます。

覚醒剤事件の勾留率は98%以上

覚醒剤事件における勾留の厳しさは、具体的な統計データを見ると明らかです。司法統計によると、覚醒剤取締法違反の事件では、勾留請求が裁判所に認められる「勾留請求認容率」が98%以上と非常に高い水準で推移しています。これは、ほぼ全ての覚醒剤事件で、逮捕された被疑者が勾留されていることを意味します。

これほど高い確率で勾留が認められる主な理由は、次の2点です。まず、覚醒剤や関連する物品は隠匿・廃棄が容易であるため、「証拠隠滅のおそれ」が非常に高いと判断されます。次に、薬物事件では共犯者が存在するケースが多く、お互いに口裏を合わせることを防ぐため、「共犯者との連絡遮断の必要性」が重視されます。さらに、覚醒剤には強い依存性があることから、「再犯のおそれ」も高く評価され、これらが勾留の必要性を裏付ける要因となっているのです。

逮捕から起訴まで最大23日間身柄を拘束される可能性

これまでの説明を総合すると、覚醒剤の初犯で逮捕された場合でも、逮捕から起訴・不起訴の判断が下るまでに、最長で23日間もの間、身柄を拘束される可能性があります。この期間は、警察での最長72時間(逮捕後48時間と検察への送致後24時間)と、勾留および勾留延長の最長20日間を合わせたものです。

23日間という長期間、社会から隔離されることは、個人の生活に甚大な影響を及ぼします。具体的には、会社を無断欠勤することによって職を失うリスクが生じたり、ご家族との連絡が途絶えることで関係が悪化したりする可能性があります。また、精神的な負担も計り知れません。だからこそ、この身柄拘束期間を少しでも短縮し、早期釈放を実現することが、社会生活へのダメージを最小限に抑える上で非常に重要となるのです。

覚醒剤の初犯で問われる罪と刑罰の相場

覚醒剤事件で逮捕され有罪となった場合、どのような刑罰が科せられるのかは、逮捕されたご本人様だけでなく、ご家族様にとっても非常に気がかりな点ではないでしょうか。覚醒剤取締法には、「使用」「所持」「譲渡し・譲受け」など、行為の態様によって様々な犯罪が規定されており、それぞれ法定刑が異なります。しかし、初犯の場合、特に単純な使用や所持であれば、いきなり実刑判決となるケースは稀で、執行猶予付きの判決が言い渡されることが多いという「量刑の相場」が存在します。このセクションでは、覚醒剤取締法で定められている主な犯罪の種類と法定刑、そして初犯の場合の量刑の相場について詳しく解説し、具体的な刑罰への理解を深めていきます。

ご本人が置かれた状況を正確に把握し、適切な対応を取るためには、こうした刑罰の知識を持つことが不可欠です。不安を軽減するためにも、まずは刑罰の全体像を掴んでいきましょう。

覚醒剤取締法違反の主な種類と法定刑

覚醒剤取締法では、覚醒剤に関する様々な行為が禁止されており、その行為の態様によって科される刑罰も大きく異なります。主な違反行為としては、「単純所持・使用」と「営利目的所持・使用」の2つが挙げられます。これらは同じ覚醒剤に関わる犯罪でも、法定刑が全く異なるため、その違いを理解しておくことが重要です。

「単純所持・使用」とは、ご自身が覚醒剤を使用する目的で所持したり、実際に使用したりする行為を指します。この場合の法定刑は「10年以下の懲役」と定められています。一方、「営利目的所持・使用」とは、他者に販売したり、利益を得る目的で覚醒剤を所持したり使用したりする行為です。営利目的が認定されると、その刑罰は「1年以上の有期懲役」となり、罰金刑が併科されることもあります。例えば、販売目的で覚醒剤を所持していたと判断された場合、単純所持と比較して格段に重い刑罰が科せられることになります。

このように、覚醒剤事件においては、行為の目的によって量刑が大きく変わるため、弁護活動においてもこの点の主張は非常に重要となります。

初犯なら執行猶予が付く?量刑の相場を解説

覚醒剤の初犯で逮捕された方が最も気にされるのは、「刑務所に行かずに済むのか」「執行猶予は付くのか」という点ではないでしょうか。執行猶予とは、有罪判決で刑が確定しても、その刑の執行を一定期間猶予し、その期間中に再び罪を犯さなければ、刑務所に行かずに済むという制度です。これにより、社会生活を送りながら更生する機会が与えられます。

覚醒剤の単純使用や所持の初犯の場合、量刑の相場としては「懲役1年6か月・執行猶予3年」程度が多く見られます。これは、直ちに刑務所へ行くのではなく、3年間、社会の中で問題なく生活を送ることができれば、刑の言い渡し自体が効力を失う、という内容です。ただし、これはあくまで一般的な相場であり、所持していた覚醒剤の量、使用の頻度や態様、ご本人の反省の度合い、家族のサポート体制の有無など、様々な事情によって変動します。安易な楽観は禁物であり、執行猶予を獲得するためには、弁護士と協力して真摯に反省し、再犯防止に向けた具体的な行動を示すことが不可欠となります。

初犯でも実刑判決となるケース

「初犯だから必ず執行猶予が付く」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら初犯であっても実刑判決(刑務所に収監されること)となるケースは存在します。ご自身の状況を正確に判断するためにも、実刑となる可能性のあるケースを知っておくことは重要です。

主なケースとしては、まず第一に、覚醒剤の「営利目的」が認定された場合が挙げられます。例えば、大量の覚醒剤を所持していた、密売の記録があった、といった事情があれば、初犯であっても重い実刑判決となる可能性が極めて高まります。次に、所持量が非常に多い場合も実刑となる傾向があります。これは、再犯のおそれが高いと判断されたり、営利目的があったと推測されたりするためです。さらに、取り調べや裁判において反省の態度が見られず、更生する意欲が低いと判断された場合も、執行猶予ではなく実刑判決が下されることがあります。

これらの不利な事情がある場合、執行猶予を獲得するためには、弁護士による専門的かつ粘り強い弁護活動が不可欠です。ご自身の状況を客観的に評価し、実刑を回避するための戦略を立てることが重要となります。

【重要】覚醒剤事件で早期釈放・執行猶予を獲得するために

覚醒剤事件で逮捕されてしまった場合、逮捕後の身柄拘束をできるだけ短くし、不起訴処分や執行猶予付き判決といった有利な結果を得るためには、迅速かつ専門的な弁護活動が不可欠です。このセクションでは、逮捕直後の初動から、勾留阻止、最終的な処分を軽くするための活動、そして起訴後の保釈まで、時系列に沿って弁護士がどのように重要な役割を果たすのかを具体的に解説していきます。

覚醒剤事件は一般的な刑事事件と比較しても、捜査機関が特に証拠隠滅や逃亡のおそれを強く疑う傾向にあります。そのため、本人やご家族だけで対応しようとすると、無用な長期拘束や不利な結果を招いてしまうリスクが高まります。弁護士による適切なサポートを受けることで、不必要な不利益を避け、平穏な日常を取り戻せる可能性が高まります。

逮捕後72時間以内の弁護活動が鍵

覚醒剤事件で逮捕された後、その後の展開を左右する極めて重要な時期が「最初の72時間」です。この期間は、警察による取調べから検察への送致、そして裁判官による勾留決定が下されるまでの時間制限を指します。この限られた時間内に弁護士が介入できるかどうかが、身柄拘束の長期化を防ぎ、勾留請求そのものを阻止するための鍵となります。

弁護士は逮捕後すぐに警察署へ赴き、被疑者と面会(接見)して、取調べへの心構えや、勾留請求を阻止するための具体的な準備を行います。検察官や裁判官に対して、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、また定職があり家族による監督が期待できることなどを客観的な証拠(身元引受書など)に基づいて主張する意見書を提出し、勾留の必要性がないことを説得的に訴えかけます。この初動の速さが、その後の刑事手続き全体に大きな影響を与えるため、まさに時間との勝負と言えるでしょう。

勾留を阻止し、在宅事件を目指す

弁護士の重要な活動の一つに、勾留を阻止して事件を「在宅事件」へと切り替えることがあります。勾留とは、最大20日間もの間、被疑者の身柄を拘束することを指し、社会生活に与える影響は計り知れません。勾留を避けるためには、検察官や裁判官に対し、被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりするおそれがないことを客観的な事実に基づいて主張する必要があります。

具体的には、弁護士は被疑者に安定した定職があること、同居の家族が被疑者の監督を約束していること(身元引受書を提出)、あるいは本人が警察や検察の要請があれば必ず出頭することを誓約していることなどを詳しく説明します。これらの事実を丹念に集め、説得力のある形で示すことで、裁判官が勾留の必要性はないと判断し、勾留を回避して在宅での捜査へと移行できる可能性が高まります。

不起訴処分や執行猶予付き判決に繋がる弁護活動

勾留が阻止できた場合でも、残念ながら勾留されてしまった場合でも、最終的な処分を軽くするためには弁護士による継続的な活動が不可欠です。検察官が起訴・不起訴の判断を下す際や、裁判官が量刑を決定する際に最も重視されるのは、被疑者・被告人本人の「反省の度合い」と「再犯防止に向けた具体的な取り組み」です。

弁護士は、これらの要素をいかに説得力をもって捜査機関や裁判所に伝えるかを戦略的に考え、さまざまな証拠や資料を準備していきます。この後の項目では、具体的な再犯防止策と、本人の反省と更生への意欲を伝えるための活動について詳しく解説します。

具体的な再犯防止策を示す

覚醒剤事件において、再犯防止策を具体的に示すことは、不起訴処分や執行猶予付き判決を得る上で極めて重要です。単に「二度と覚醒剤は使いません」と口頭で伝えるだけでは、その反省の意が十分に伝わらないこともあります。弁護士は、被疑者・被告人とともに、実効性のある再犯防止策を立案し、その実行状況を捜査機関や裁判所に客観的に提示するサポートを行います。

具体的には、まず覚醒剤の使用が自己の意思だけでは断ち切りにくい依存症の問題であることを理解し、薬物依存症専門の精神科クリニックへの通院を開始したり、地域の自助グループ(DARCやNAなど)に参加したりするよう助言します。これらの専門機関での治療や支援を受けることは、再犯防止への強い意欲と具体的な行動を示す強力な証拠となります。また、家族による身上監督体制を構築し、家族が被疑者を今後どのように支え、再犯を防止していくかを示す「身上監督書」を作成することも有効です。弁護士は、これらの取り組みが確実に実行されていることを示す資料を収集し、提出することで、更生の意欲を強調します。

本人の反省と更生の意欲を伝える

被疑者・被告人自身の内面的な反省や更生への意欲を、いかにして捜査機関や裁判所に効果的に伝えるかも、弁護活動の重要な要素です。弁護士は、本人が事件と真摯に向き合い、自らの過ちを深く認識していることを示すためのサポートを行います。

その一つが、本人が自らの言葉で事件の経緯や反省の気持ちを綴った「反省文」や、被害者(社会全体)に対する「謝罪文」の作成です。これらの文書は、定型的なものではなく、本人の言葉で具体的に書かれていることが重要で、弁護士は作成のアドバイスをします。また、家族や職場の関係者などに、被疑者・被告人の日頃の様子や、今後も社会の一員として更生していくための監督を約束する「嘆願書」や「身元引受書」を提出してもらうことも有効です。これらの書類は、本人が孤立無援ではなく、社会内で支えられながら更生できる環境が整っていることを示す重要な証拠となり、量刑判断に良い影響を与える可能性があります。

起訴後の保釈請求で身柄解放を目指す

万が一、覚醒剤事件で起訴されてしまった場合でも、裁判が終わるまでの間、身柄を一時的に解放してもらうための「保釈」という制度があります。保釈が認められるためには、「罪証隠滅のおそれがないこと」や「逃亡のおそれがないこと」などの要件を満たす必要がありますが、弁護士はこれらの要件を裁判官に納得させるための保釈請求手続きを行います。

弁護士は、被疑者・被告人が定職に就いていること、家族と同居していること、すでに再犯防止策に取り組んでいることなどを具体的に示し、保釈を認めるべき理由を記載した保釈請求書を裁判所に提出します。保釈が認められる際には「保釈保証金」の納付が求められます。覚醒剤初犯の事件における保釈金の相場は、事案によって異なりますが、一般的には150万円から200万円程度となることが多いです。この保釈金は、被告人が裁判に出頭すれば全額返還される性質のものであり、弁護士は保証金に関するご家族の疑問にも丁寧にお答えします。

覚醒剤の初犯で逮捕されたらすぐに弁護士へ相談を

覚醒剤事件で逮捕されてしまったとき、何よりも重要になるのは、逮捕直後からの迅速な弁護活動です。刑事手続きは想像以上にスピーディに進み、特に覚醒剤のような薬物事件では、初犯であっても長期間にわたる身柄拘束や重い処分を受けるリスクが高いという現実があります。

しかし、決して一人で抱え込む必要はありません。逮捕後の早い段階で弁護士が介入することで、勾留阻止や早期の身柄解放、さらには不起訴処分や執行猶予付き判決といった、より良い結果を得られる可能性を大きく高めることができます。このセクションでは、弁護士への早期相談がいかに重要か、そしてそれがどのような結果に繋がるのかを具体的にご説明します。

なぜ弁護士への早期相談が必要不可欠なのか

覚醒剤事件で逮捕されてしまった場合、弁護士への早期相談は必要不可欠です。逮捕されたご本人やご家族にとって、弁護士は法的権利を守り、精神的な支えとなる唯一の存在だからです。弁護士は、たとえ「接見禁止」が付いていても本人と面会でき、外部との情報遮断で不安を抱えるご本人をサポートします。

また、警察や検察による取調べへの適切な対応方法をアドバイスすることで、ご本人に不利な供述調書が作成されることを防ぎます。さらに、家族や職場への影響を最小限に抑えるための具体的な活動も行い、社会生活へのダメージを軽減する役割を担います。これらの弁護活動を通じて、早期の身柄解放やより良い刑事処分を目指すことが可能になります。

接見禁止でも唯一面会できる

覚醒剤事件のような薬物事件では、証拠隠滅や共犯者との口裏合わせを防ぐ目的で「接見禁止決定」が頻繁に出されます。これは、逮捕されたご本人と家族との面会や手紙のやり取りを一切禁止する、非常に厳しい措置です。この決定が出されると、ご家族であっても自由に本人と連絡を取ることができなくなり、ご本人は孤独感や不安を募らせてしまいます。

しかし、弁護士だけは、この接見禁止の対象外とされています。弁護士は、警察官の立ち会いや時間制限なしに、いつでも自由に本人と面会(接見)することが認められています。弁護士が面会することで、外部の状況を本人に伝え、的確なアドバイスを提供することで、精神的な安定をもたらし、取り調べへの対応など、その後の手続きに大きく影響を与えることができます。

取調べへの適切な対応をアドバイス

逮捕後の警察や検察官による取調べは、被疑者にとって計り知れない精神的プレッシャーを伴います。警察官や検察官は、事件の真相解明のため、時に誘導的な質問をすることもあり、ご本人が意図せず自分に不利な供述をしてしまい、それが供述調書として記録されてしまうリスクがあります。

弁護士は、こうした取調べに対し、ご本人の権利を守りながら適切に対応するための具体的なアドバイスを提供します。例えば、黙秘権の正しい使い方、供述調書の内容をよく確認してから署名・押印することの重要性、あるいは納得できない内容であれば署名を拒否できることなどです。弁護士のアドバイスがあることで、ご本人は不必要な不利益を避け、冷静に取調べに臨むことができます。

家族や職場への影響を最小限に抑える

覚醒剤事件での逮捕は、ご本人だけでなく、そのご家族や職場にも多大な影響を及ぼします。ご家族は突然の事態に戸惑い、精神的な負担を強いられるだけでなく、今後の見通しが立たない不安に苛まれます。また、会社に逮捕の事実が知られれば、解雇や懲戒処分といったリスクも生じ、社会生活に深刻なダメージを与えかねません。

弁護士は、まずご家族に対して、今後の刑事手続きの流れや、ご家族が取るべき対応について丁寧に説明し、不安の軽減に努めます。また、早期の身柄解放を実現することで、会社に逮捕の事実が知られることなく職場復帰できる可能性を高めたり、会社への説明や対応についてアドバイスしたりするなど、ご本人とご家族の社会生活へのダメージを最小限に抑えるための活動を積極的に行います。

覚醒剤事件に強い弁護士の選び方と費用の目安

覚醒剤事件というデリケートな問題で弁護士を選ぶ際には、その弁護士が刑事事件、特に薬物事件に精通しているかどうかが非常に重要です。弁護士にはそれぞれ得意分野があり、刑事事件の経験が豊富な弁護士を選ぶことで、より適切な弁護活動が期待できます。

また、弁護士費用についても、多くの方が不安を感じる部分です。ここでは、覚醒剤事件に強い弁護士を見つけるためのチェックポイントと、依頼にかかる費用の一般的な目安についてご説明し、安心して弁護士に相談できるよう具体的な情報を提供します。

刑事事件・薬物事件の解決実績を確認する

弁護士を選ぶ上で最も重要なのは、その弁護士や弁護士事務所が「刑事事件」、特に「薬物事件」に関して豊富な解決実績を持っているかを確認することです。薬物事件は専門性が高く、その特性を理解した上で戦略的な弁護活動ができるかどうかが、結果を大きく左右します。

弁護士事務所のウェブサイトなどで、「覚醒剤事件で不起訴処分を獲得した」「執行猶予付き判決を勝ち取った」「早期釈放を実現した」といった具体的な解決事例や実績が豊富に掲載されているかを確認しましょう。具体的な実績は、その弁護士の専門知識と実力を示す重要な証拠となります。

弁護士費用の内訳と相場

弁護士費用は、主に「相談料」「着手金」「成功報酬(報酬金)」「日当・実費」で構成されます。相談料は初回の相談時にかかる費用で、無料としている事務所も多くあります。着手金は弁護活動を開始する際に支払う費用で、結果にかかわらず返還されないのが一般的です。成功報酬は、不起訴獲得や執行猶予獲得、減刑など、依頼者の望む結果が得られた場合に発生します。

覚醒剤の初犯事件を依頼した場合、着手金と成功報酬を合わせた費用の一般的な相場は、合計で80万円から150万円程度となることが多いです。ただし、事件の複雑さや弁護活動の範囲、事務所の料金体系によって大きく変動します。そのため、必ず契約前に、内訳を含めた明確な見積もりを提示してもらい、十分に納得した上で依頼することが重要です。

覚醒剤の初犯に関するよくある質問

覚醒剤の初犯で逮捕され、その後の状況に直面している方々から寄せられる疑問は多岐にわたります。ここでは、これまで解説してきた内容を踏まえつつ、特に質問の多い事項についてQ&A形式で分かりやすくお答えします。具体的な疑問を解消し、今後の対応について理解を深める一助となれば幸いです。

Q. 家族が逮捕されました。すぐに面会できますか?

ご家族が覚醒剤事件で逮捕された場合、原則としてすぐに面会することは難しい可能性が高いです。薬物事件では、証拠隠滅や共犯者との口裏合わせを防ぐ目的で「接見禁止」の決定が出されることが非常に多く、この決定が出されると、たとえご家族であっても面会や手紙のやり取りが一切できなくなります。

しかし、弁護士だけはこの接見禁止の対象外であり、警察官の立ち会いなく、いつでも自由に本人と面会(接見)することができます。弁護士は逮捕されたご本人に今後の見通しや取調べへのアドバイスを伝え、外部の情報を届け、精神的な支えとなる唯一の存在です。そのため、ご家族が逮捕された場合は、まず刑事事件に強い弁護士に依頼し、本人と接見してもらうことが最初の重要なステップとなります。

Q. 会社に知られずに事件を解決することは可能ですか?

会社に知られずに事件を解決できる可能性はありますが、これは時間との勝負になります。弁護士が逮捕直後から迅速に活動し、勾留を阻止して身柄の拘束が解かれれば、会社に逮捕の事実を知られずに済む可能性は高まります。

しかし、勾留が長引けば、数日間の無断欠勤となり、会社に不審に思われることは避けられません。逮捕後最大23日間も身柄が拘束されることになれば、会社に知られるリスクは極めて高まります。会社への影響を最小限に抑えるためには、何よりも早期の身柄解放が重要であり、そのためには一刻も早く弁護士に相談し、勾留阻止に向けた弁護活動を開始することが不可欠です。

Q. 覚醒剤とは知らずに使用・所持した場合でも罪になりますか?

覚醒剤取締法違反の罪が成立するためには、その物質が覚醒剤であることを認識していること、すなわち「故意」が必要です。したがって、本当に覚醒剤とは知らずに使用したり所持したりした場合は、原則として罪には問われません。

しかし、「知らなかった」という主張を捜査機関や裁判所に客観的な証拠をもって証明するのは非常に困難です。例えば、覚醒剤の見た目や使用状況から、一般的に覚醒剤であると認識できる状況であれば、たとえ本人が「知らなかった」と主張しても、故意が認定される可能性があります。このような状況で無罪を主張し、認めさせるためには、専門的な知識と経験を持つ弁護士による、緻密な弁護活動が不可欠となります。

まとめ:覚醒剤の初犯は早期対応が重要!一人で悩まず弁護士に相談を

覚醒剤の初犯で逮捕された場合、刑事手続きは非常にスピーディに進みます。逮捕から起訴・不起訴の判断が下されるまで、最長で23日間もの間、身柄を拘束される可能性があります。この長期間の拘束は、仕事や社会生活、そしてご家族との関係にも深刻な影響を及ぼしかねません。

しかし、こうした状況に直面しても、決して一人で抱え込む必要はありません。逮捕直後から専門家である弁護士が介入することで、勾留の阻止、不起訴処分の獲得、そして執行猶予付き判決など、より良い結果を得られる可能性を大きく高めることができます。

弁護士は、逮捕後72時間という極めて重要な初期段階から、取り調べへの適切なアドバイス、ご本人との接見、再犯防止策の構築支援、そして起訴後の保釈請求に至るまで、多岐にわたるサポートを提供します。覚醒剤事件は特に専門性が高いため、刑事事件や薬物事件に精通した弁護士に一刻も早く相談することが、ご本人やご家族の未来を守る上で最も重要な第一歩となります。

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