覚醒剤事件の勾留期間はどれくらい?釈放までの時間を短縮方法も詳しく紹介
最終更新日: 2022年07月12日
- 覚醒剤所持・使用で逮捕されてしまった
- 覚醒剤所持・使用で逮捕されたときの勾留期間を知りたい
- 覚醒剤所持・使用の勾留期間中に家族が弁護士に相談・依頼するメリットを整理したい
覚醒剤使用・所持の容疑で逮捕されると、厳しい処分がくだされることは珍しくありません。覚せい剤取締法の法定刑は比較的重く、起訴率も高い傾向にあるからです。また、勾留されると弁護士以外とは面会もできず、仕事や学校生活に支障が生じる恐れもあります。そのため、事前に覚醒剤事件の勾留期間を知っておきたいものです。
そこで今回は、覚醒剤事件を数多く解決に導いてきた専門弁護士が、覚醒剤所持・使用で逮捕されたときの流れと勾留期間、さらには弁護士に相談・依頼するメリットを解説します。
覚醒剤所持・使用での逮捕!勾留期間短縮を目指すために知っておくべきこと
ここでは、覚醒剤所持・使用に関する基礎知識として、以下の2つを解説します。
- 覚醒剤所持・使用に関連する法律は?
- 罪の重さは?
1つずつ見ていきましょう。
覚醒剤所持・使用に関連する法律は?
基礎知識の1つ目は、覚醒剤所持・使用に関連する法律についてです。
覚醒剤所持・使用は、覚醒剤取締法によって裁かれます。まずは、覚醒剤取締法における「覚醒剤」の定義を以下にまとめます。
- フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
- 前号に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であって政令で指定するもの
- 前二号に掲げる物のいずれかを含有する物
なお、覚せい剤取締法は所持、使用以外に輸入、輸出、譲渡、譲受、製造を処罰対象としています。
罪の重さは?
基礎知識の2つ目は、罪の重さについてです。
覚醒剤事件は基本的に重い刑罰に処される可能性が高いですが、営利目的だと罰金刑まで加わる可能性があります。以下の表に、罪の重さについてまとめます。
所持・使用 | 10年以下の懲役 |
営利目的の所持・使用 | 1年以上の懲役又は1年以上の懲役及び500万円以下の罰金 |
覚醒剤所持・使用で逮捕されたときの流れと勾留期間
ここでは、覚醒剤所持・使用で逮捕されたときの流れについて、勾留期間と併せて解説します。
- 覚醒剤所持・使用での3種類の逮捕
- 警察での取り調べ
- 勾留開始
- 起訴・不起訴決定
それでは1つずつ見ていきましょう。
覚醒剤所持・使用での3種類の逮捕
逮捕されたときの流れついて解説する前に、逮捕の種類を以下にまとめます。
現行犯逮捕 (準現行犯逮捕) | 逮捕の流れ | ・下記条件の犯人を逮捕した直後、警察官に引き渡し ・警察署に連行され取り調べを受ける |
逮捕の条件 | ・現行犯:犯行中または犯行直後 ・準現行犯:犯行後明らかに犯人と認められる | |
逮捕状要不要 | 不要 | |
後日逮捕 (通常逮捕) | 逮捕の流れ | ・警察官や検察官等が逮捕状を請求 ・裁判官が発行した逮捕状に基づいて逮捕 ・自宅に来て逮捕されることや、任意取調べ中に逮捕されることもある |
逮捕の条件 | ・逮捕の理由:犯罪を疑う相当の理由 ・逮捕の必要性:逃亡や証拠隠滅の恐れあり | |
逮捕状要不要 | 必要 | |
緊急逮捕 | 逮捕の流れ | ・指名手配犯の発見や、別件の取調べ中に重大事件発覚 ・緊急逮捕後、ただちに裁判所に逮捕令状請求必要 |
逮捕の条件 | ・死刑相当など重大事件かつ緊急性あり ・逮捕の理由:犯罪を疑う相当の理由 ・逮捕の必要性:逃亡や証拠隠滅の恐れあり | |
逮捕状要不要 | 不要(逮捕時には不要だが、逮捕後直ちに逮捕状の請求が必要) |
警察での取り調べ
ここからは逮捕されたときの流れについて解説します。1つ目は警察での取り調べです。
逮捕されてから、48時間以内に警察から検察庁へ事件が送致されます。また、そこから24時間以内に、検察官が裁判官に勾留を請求します。
なお、この72時間以内は、弁護士以外とは面会できません。
勾留開始
逮捕されたときの流れについて、2つ目は勾留開始です。
裁判官が勾留を認めたら、10日間勾留されることになります。入手ルートなどの証拠隠滅を防ぐため、ほとんどの覚醒剤事件では勾留が認められます。また、10日の勾留期間中に捜査が完了しなければ、最大で10日間勾留期間を延長できます。
よって、起訴前の勾留期間は最大20日間、身柄の拘束期間は最大23日ということになります。このように、逮捕・勾留されると長時間身柄を拘束されるため、仕事や学校生活にも大きな影響が出ることは避けられません。
ただ、最近では単純所持で証拠隠滅の心配もないなどといった条件がそろえば勾留が却下され、釈放される事例もあります。
起訴・不起訴決定
逮捕されたときの流れについて、3つ目は起訴・不起訴決定です。
起訴されると刑事裁判に進みますが、起訴されなかった場合には勾留の満期で釈放されます。被疑者が犯行を否認しており、かつ捜査機関が十分な証拠を収集できなければ、不起訴処分となるのです。
令和2年度の犯罪白書によると覚せい剤取締法違反で逮捕された後、令和元年の起訴される割合はで75.7%でした。初犯であることや証拠隠滅の心配がないなどの情状から起訴猶予になることもあります。
覚醒剤所持・使用で逮捕されたときに勾留期間を短くする方法は?
ここでは、勾留期間を短くする方法について解説します。
まずは、実際に覚醒剤所持・使用を行っている場合について解説します。
このようなケースでも、事件内容、被疑者の身上関係を踏まえ、罪証隠滅や逃亡の恐れが乏しいことを裁判官、裁判所に説明し、説得することができれば勾留期間を短くできる可能性があります。単に言葉で伝えるだけでは不十分で、説得的な資料を提示していくことが必要です。
家族は覚醒剤所持・使用での勾留期間中に弁護士への相談・依頼が賢明
覚醒剤所持・使用で勾留されたときには、弁護士への相談・依頼することが賢明です。ここでは、早めに弁護士に相談・依頼するメリットを2つ解説します。
- 逮捕後の早期釈放や不起訴が期待できる
- 起訴後の執行猶予・無罪を勝ち取る弁護活動を目指してくれる
それでは、1つずつ見ていきましょう。
逮捕後の早期釈放が期待できる
メリットの1つ目は、逮捕後の早期釈放や不起訴が期待できることです。
前述の通り、弁護士によれば不起訴や早期釈放を目指せます。また、捜査官が作成する供述調書において、実際よりも悪質な犯罪と思われる記述がされることもあります。弁護士がいれば、そのような不当な捜査に対処することも可能です。
弁護士は早期釈放や不起訴を実現したい被疑者の強い味方になります。
起訴後の執行猶予・無罪を勝ち取る弁護活動を目指してくれる
メリットの2つ目は、起訴後の執行猶予・無罪を勝ち取る弁護活動を目指してくれるということです。
起訴されても、覚醒剤の常習性、依存性が低いこと、再犯防止のための具体的かつ説得的な方策を裁判官に的確にアピールできれば、執行猶予判決を勝ち取れる可能性があります。また、無実であれば、前述の通り捜査や証拠の問題点に対して効果的に反論できれば無罪を勝ち取れる可能性もあります。
ただ、いずれにおいても的確に主張立証を考えて、効果的に反論しなければならず、一般の方には困難です。また、取調べにおいて不用意な発言をすることで、自分が不利な立場になることも珍しくありません。 弁護士に依頼をすれば、執行猶予、無罪を勝ち取るために最善のサポートやアドバイスをしてくれます。
まとめ
今回は、覚醒剤所持・使用で逮捕されたときの流れと勾留期間、さらには弁護士に相談・依頼するメリットを解説しました。
覚醒剤の所持・使用は重い罪になることが多い上に、起訴される割合も高いことに注意しなければなりません。また、勾留期間は長期に及ぶため、仕事や学校生活にも大きな影響が出ます。
そのため、自分や家族が覚醒剤の所持・使用で逮捕されたら、当法律事務所に速やかにご相談ください。覚醒剤事件を数多く解決に導いてきた専門弁護士が、速やかに対処して問題解決に導きます。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。