大麻所持で逮捕されたら?初犯の刑罰・執行猶予の可能性と逮捕後の流れを徹底解説
2026年02月02日

「大麻を持っているところを警察に見つかったら、実際にはどうなるのだろうか」
「友人や家族が大麻所持で逮捕されたと聞いたが、この先どう進むのか分からず不安だ」
近年、日本国内では大麻に関する検挙者数が増加傾向にあり、決して珍しい事件ではなくなっています。一方で、麻薬及び向精神薬取締法の内容は一般には分かりにくく、「初犯なら軽い処分で済むのか」「本当に刑務所に入ることになるのか」など、正確な情報が分からないまま不安を抱える方も少なくありません。
この記事では、大麻所持で問われる刑罰の内容、初犯と再犯での違い、逮捕後の一般的な流れ、さらに近年の法改正による「施用罪」のポイントについて、できるだけ分かりやすく解説します。突然の逮捕や任意同行に直面した際に、冷静な判断をするための参考にしてください。
また、大麻で家族が逮捕された場合の対応は以下の記事で解説しています。
大麻所持の刑罰|実際にどの程度重い処分になるのか
麻薬及び向精神薬取締法では、大麻を「所持する行為」そのものが処罰の対象とされています。
「使用するつもりはなかった」「一時的に預かっていただけ」という事情があっても、原則として所持が認定されれば犯罪は成立します。
刑罰の重さは、主に
- 営利目的かどうか
- どのような態様で所持していたか
によって判断されます。
単純所持(自己使用目的)の場合
自分で使用する目的で大麻を所持していたケースが、いわゆる単純所持です。
- 法定刑:7年以下の拘禁刑
ここで注意すべき点は、罰金刑が規定されていないことです。
起訴されて有罪となった場合、法律上は必ず拘禁刑が言い渡される仕組みになっています。
もっとも、拘禁刑=必ず刑務所に入る、という意味ではありません。実際に服役するかどうかは、後述する執行猶予が付くかどうかによって大きく変わります。
また、「少量だから問題にならない」「1回きりなら軽い」という明確な基準は法律上存在しません。
量は量刑判断の一要素にはなりますが、ごく微量であっても所持と判断されれば犯罪は成立します。
営利目的所持の場合
他人に売る、譲るなど、利益を得る目的で大麻を所持していた場合は、営利目的所持として扱われます。
- 法定刑:1年以上10年以下の拘禁刑
- 加えて300万円以下の罰金が科される可能性あり
営利目的と判断されると、処分は一気に重くなります。
初犯であっても執行猶予が付かず、実刑となる可能性が高まる点には注意が必要です。
- 所持量が多い
- 複数回のやり取りが確認されている
- 金銭の授受があった
といった事情があると、営利目的を疑われやすくなります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
【補足】法改正による「施用罪」との関係
近年の法改正により、大麻の「施用行為」(概ね、使用と同じ意味です)自体も処罰対象となる方向性が明確になっています。
これにより、所持していなくても尿検査などで使用が確認された場合に、捜査や刑事処罰の対象となる可能性があります。
今後は、「持っていなければ大丈夫」という考え方が通用しなくなっており、大麻に関するリスク全体が高まっているといえるでしょう。
尿検査で大麻使用の陽性が出た場合は、以下の記事が参考になります。
初犯なら執行猶予はつくのか|実刑との分かれ目
大麻所持で逮捕された場合、多くの方が「このまま刑務所に入ることになるのか」という点に強い不安を感じます。
結論からいえば、初犯であれば執行猶予が付く可能性は十分にあります。
実際、単純所持・初犯の場合は、執行猶予付き判決となるケースが比較的多く見られます。
初犯で執行猶予が付く典型的なケース
次のような事情がそろっている場合、執行猶予が付く可能性は高くなります。
- 過去に前科・前歴がない
- 営利目的ではない
- 所持量が比較的少ない
- 事実関係を認め、反省の姿勢が明確
- 家族などによる監督体制が整っている
量刑の目安としては、
- 6か月〜1年程度の拘禁刑
- 執行猶予3年前後
となることが一般的です。
執行猶予が付けば、判決後すぐに刑務所へ行く必要はなく、仕事や家庭生活を続けることが可能になります。ただし、猶予期間中に再犯すれば、今回の刑も含めて服役することになります。
薬物事件の執行猶予については、以下の記事で解説しています。
初犯でも実刑になる可能性があるケース
一方で、初犯であっても実刑となる可能性がまったくないわけではありません。
たとえば、
- 営利目的と判断された場合
- 所持量が多く、常習性が疑われる場合
- 周囲への影響が大きいと評価された場合
- 取り調べや裁判で反省が見られない場合
などでは、実刑判決が出ることもあります。
否認すること自体が直ちに不利になるわけではありませんが、説明に一貫性がなく、裁判所に不誠実な印象を与えてしまうと、量刑に影響する可能性があります。
執行猶予を得るために重要なポイント
執行猶予が付くかどうかは、「初犯かどうか」だけで決まるわけではありません。
- 早い段階で事実関係を整理する
- 反省や再発防止の姿勢を具体的に示す
- 家族や周囲の協力体制を整える
こうした点が、最終的な判断に大きく影響します。そのため、逮捕直後から弁護士に相談し、対応方針を検討することが重要になります。
大麻所持で逮捕された後の一般的な流れ
大麻所持で逮捕されると、警察署での取り調べを経て、検察官に送致されます。その後、勾留が認められると、最長で20日間身柄を拘束される可能性があります。
勾留中は当然ながら自由に帰宅できず、外部との連絡も制限されます。仕事や学校への影響が出るケースも少なくありません。
大麻事件の勾留期間については、以下の記事で解説しています。
逮捕から釈放、起訴までの流れを事前に理解しておくことで、本人だけでなく家族も落ち着いて対応しやすくなります。
薬物事件で逮捕された後の流れについては、以下の記事で解説しています。
大麻所持で弁護士に相談する意味
大麻事件では、初動対応がその後の結果を大きく左右します。
早期釈放・勾留回避のための対応
逮捕後、裁判所が「勾留」を認めると、最長で20日間、身柄を拘束される可能性があります。この勾留が続くと、仕事や学校を長期間休まざるを得ず、結果として周囲に事件が知られてしまうリスクが高まります。
弁護士は、
- 定職があること
- 家族と同居していること
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと
などを具体的な資料や説明を通じて主張し、勾留を避ける、または早期に釈放するよう働きかけます。
特に、家族が身元引受人として関与できるかどうかは、判断に大きく影響します。
執行猶予や減刑を目指す活動
起訴された場合でも、弁護士は量刑を少しでも軽くするための準備を進めます。
具体的には、
- 本人の反省状況をどのように伝えるか
- 再発防止に向けて何をしているか
- 家族がどのように監督・支援するのか
といった点を整理し、裁判所に分かりやすく示します。
これらは、本人が一人で対応するのは難しく、早い段階から準備を始めることで初めて説得力を持つものです。
結果として、執行猶予が付くかどうか、刑の重さがどうなるかに直結します。
不起訴を目指せる可能性について
すべての大麻所持事件が必ず起訴されるわけではありません。
所持量がごく微量である場合や、事情に特段の酌量点がある場合には、不起訴処分となる余地が残るケースもあります。
もっとも、不起訴になるかどうかは個別事情によるため、
- どの点を強調すべきか
- どの説明が逆効果になるか
を見極める必要があります。
この判断を誤ると、本来は起訴を避けられた可能性があるケースでも、不利な結果につながってしまうことがあります。
家族にとっても弁護士は重要な存在
大麻所持等で逮捕されると、本人だけでなく家族も突然の対応を迫られます。
「何をしてはいけないのか」「どこまで話していいのか」「今後どうなるのか」など、分からないことばかりで不安になるのが通常です。
弁護士に早めに相談することで、
- 家族として今できること
- してはいけない対応
- 身元引受人として求められる役割
などを具体的に知ることができ、無用な混乱を避けることにつながります。
大麻所持等の事件では、初動対応がその後の結果を大きく左右します。
逮捕された場合や警察から連絡を受けている場合には、できるだけ早く刑事事件に詳しい弁護士へ相談することが重要です。
薬物事件の弁護士費用については、以下の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q:ごく微量でも逮捕されますか?
状況によっては逮捕される可能性があります。法律上、「何グラム以上なら違法」という基準はなく、鑑定で大麻成分が検出されれば所持と判断されることがあります。
Q:尿検査は断れますか?
任意捜査の段階では拒否できる場合もありますが、拒否を続けると採尿令状を取って強制的に行われるケースが多く、結果的に不利になることがあります。
Q:大麻所持の時効は何年ですか?
単純所持の場合は5年、営利目的所持の場合は7年です。ただし、時効が近くても捜査が進むことはあります。
まとめ
大麻所持等は、法律上は決して軽い犯罪ではありません。しかし、初犯で適切な対応を取れば、執行猶予など社会生活を維持できる結果につながる可能性もあります。
もしご自身やご家族が逮捕された、あるいは警察から連絡を受けている場合には、できるだけ早く刑事事件に詳しい弁護士へ相談することが、今後の選択肢を広げることにつながります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。











