盗撮事件の在宅捜査と在宅起訴について専門弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月19日

盗撮事件の在宅捜査と在宅起訴について専門弁護士が解説

盗撮事件の被疑者として現行犯逮捕されたけれども即日釈放された、または後日警察から任意同行を求められたが逮捕はされなかったというケースはよくあります。これを在宅事件といいます。

逮捕されなかった場合も被疑者という身分には変わりありませんから、その後も警察や検察庁から呼び出しを受けて捜査が続きます。これを在宅捜査といいます。

今回はこのような盗撮事件の在宅捜査で在宅起訴までの流れについて専門弁護士が解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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盗撮事件で在宅捜査の流れ

まずは在宅捜査になった後の警察や検察からの呼び出しについて説明します。

警察からの呼び出し

盗撮事件では、警察署に行った当日に帰宅を許され、在宅捜査つまり、逮捕・勾留によって身柄拘束はされずに捜査を継続されるケースはよくあります。この場合、1、2週間以内には呼び出しの連絡があることが通常です。

ところが、後日また呼び出しをするからと警察官から言われたのに1か月、2か月と経っても警察から呼び出しの連絡が来ないというケースがあります。

そのようなケースの理由としては、盗撮事件の場合、最初に警察署に行ったときに盗撮に使用した携帯電話や小型カメラを押収されますので、その解析に時間がかかっているということが考えられます。また、担当警察官が他の事件で多忙なために呼び出しまでに時間を要しているという場合も多くみられます。

なお、警察からの呼び出しは、携帯電話に電話がかかってくることになりますが、携帯電話を押収されているときは、自宅や家族に電話がかかってきます。

呼び出しがあった際には、日時を指定されますが、仕事などで都合がつかない場合は日程調整は可能です。もっとも、原則として土日や夜間の対応はしてもらえません。

検察からの呼び出し

在宅捜査で警察での捜査が終わると、事件記録が検察庁に送られます。これを書類送検といいます。

書類送検がなされた後は、担当検察官から呼び出しがあります。書類送検がなされてから1か月ほどで呼び出しがあることが通常ですが、検察庁からの呼び出しについても、呼び出しまでに2,3か月も要することもあります。

そのようなケースの理由としては、担当検察官の指示で補充捜査がなされている場合や、担当検察官が他の事件で忙しく後回しになっている場合があります。

なお、検察庁からの呼び出しは通常は自宅に封書が送られてくる方法でなされます。家族には事件のことを知られたくないといった事情があるときは、事前にご自身又は弁護士から担当検察官に電話をして呼び出しは携帯電話にして欲しいと連絡を入れておけば電話による呼び出しをしてもらえます。警察の呼び出しと同様、日程調整は可能です。

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盗撮事件で在宅捜査からの在宅起訴

在宅起訴されるか

盗撮事件では検察庁からの呼び出しは通常は1回だけです。そして、その際に起訴処分とするか不起訴処分とするかの判断なされます。

もっとも、既に被害者との示談が成立しているなど担当検察官において不起訴処分とすることを決めている場合には、呼び出しが無くそのまま不起訴処分となるケースも多くあります。

不起訴処分になっても検察庁からは何ら通知はありませんので、不起訴処分を確認するためにはご自身又は弁護士から検察庁に問い合わせる必要があります。

検察庁から呼び出しがあったときは、簡単に警察で話した内容の確認や再犯防止のために考えている対策はあるかなどの事情聴取がなされます。警察での取り調べとは異なり、1時間ほどの短時間で終わることが多いです。

起訴処分となるときは、初犯であれば、略式起訴にすることの同意書にサインを求められます。略式起訴となると、2,3週間後に自宅に裁判所から罰金額が記載された略式命令が届きますので、後日、罰金を納付することになります。

在宅起訴されたら実名報道されるか

盗撮事件の多くは迷惑防止条例違反です。迷惑防止条例違反は他の性犯罪と比べると重罪とまではいえない犯罪であること、またその発生件数も非常に多いことから、被疑者の身分が公務員など社会的関心の高い属性でなければ、報道価値が乏しく、ニュースになることは少ないようです。

盗撮事件を起こすと被疑者としてテレビのニュース番組や新聞で報道されることがあります。もっとも、その大半は逮捕され、身柄事件として検察庁に事件送致されるケースです。在宅捜査になっているケースで報道されるケースは少ないです。

そして、在宅事件で書類送検される以前に報道されていないケースで、書類送検後、略式起訴(在宅起訴)された場合に報道されるケースは稀です。報道価値があれば書類送検前の段階で報道されているでしょう。

実名報道を回避したいという弁護士へのご相談はよくありますが、弁護士から捜査機関に申し入れをしたからといって、実名報道を確実に回避できるものではありません。

上記のように身柄事件の場合の方が報道される可能性が高まることを踏まえると、報道をできる限り回避する方策としては、逮捕・勾留されることを回避することになります。

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まとめ

以上、盗撮事件の在宅捜査から在宅起訴されるまでの流れについてご説明しました。

盗撮事件の被疑者となったときは、被害者との示談交渉が重要です。また、実名報道を回避するためには、逮捕を回避することが重要です。

いずれについても、刑事事件の経験が豊富な弁護士にご相談ください。

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