不貞行為とはどこから?該当例や浮気との違いを解説
最終更新日: 2024年09月19日
「不貞行為」という言葉をご存知でしょうか。
ドラマや小説などではよく耳にする言葉ですが、具体的にどのような行為が不貞行為にあたるのか、法律的にどう扱われるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、法律の専門知識がない方でも分かりやすく、不貞行為について詳しく解説していきます。不貞行為がどのような行為にあたるのか、浮気との違いは何なのか、また、慰謝料請求の仕組み、不貞行為の証拠など、様々な角度から解説します。
不貞行為とは?
不貞行為の定義
不貞行為とは、一般的に、結婚している人が配偶者以外の者と肉体関係を持つことを指します。これは、法律上「貞操義務違反」と呼ばれ、離婚の原因となる行為の一つです。
浮気との違い
「不貞行為」と「浮気」は、よく似た言葉ですが、厳密には意味が異なります。
・不貞行為: 法律用語で、民法に規定されている行為です。配偶者以外の異性との性的関係を指し、離婚の原因となります。
・浮気: 不貞行為とは異なり、浮気という言葉は法律用語ではありません。一般的には配偶者以外の者と親密な関係を持つことを指しますが、必ずしも損害賠償請求が認められたり、離婚原因になるわけではありません。
つまり、浮気は不貞行為よりも範囲が広く、浮気と呼ばれる行為の中でも権利侵害の程度が大きいものは「不貞行為」に該当し、損害賠償請求や離婚請求が認められることになります。
不貞行為の該当例と浮気との境界線
不貞行為の具体的な例
では、どのような行為であれば不貞行為に該当し、どのような行為であれば該当しないのでしょうか。いくつか例を挙げてみましょう。
肉体関係を伴う場合
不貞行為とは配偶者以外の者と性的関係を結ぶことだと理解されていることから、不貞行為に該当します。
肉体関係はないが、ラブホテルを利用したことがある場合
一般的には「ラブホテル」は肉体関係をもつために利用する場所であるとを理解されていることから、ラブホテルを利用したということをもって肉体関係ももったであろうと評価されることは多いです。
肉体関係はないものの、頻繁に会い、スキンシップをはかっている場合
「不貞行為」には該当しません。
もっとも、たとえば二人が会っている頻度や場所、時間帯、スキンシップの内容次第では、夫婦間の婚姻生活の平穏を害したと評価され、損害賠償請求が認められる可能性はあります。
浮気と不貞行為の境界線
一般的に、性的関係を伴う行為は不貞行為に該当するとされています。しかし、性的関係がなくても、頻繁に二人きりで会ったりしている場合には、客観的にみて肉体関係をもっていると評価される可能性があります。
不貞行為の慰謝料請求
不貞慰謝料請求は、不貞行為によって受けた精神的な苦痛に対する損害賠償請求です。
慰謝料の金額は、不貞行為の期間や程度、夫婦関係の状況など、様々な要素によって異なります。一般的に、不貞行為が長期にわたっていたり、悪質な場合ほど、高額な慰謝料が認められる傾向があります。
慰謝料請求のプロセス
慰謝料請求は、以下のような流れで行われます。
・証拠集め:まずは慰謝料請求に必要な証拠(肉体関係をもっていることが分かる証拠)や情報(不倫相手の氏名・住所、携帯電話番号など)を収集します。
・弁護士への相談:弁護士に相談します。十分な証拠や情報があれば弁護士の方でお手伝いが可能です。
・相手方への請求:相手方に内容証明郵便等を送り慰謝料請求を行います。
・示談交渉:相手方と示談交渉を行い、慰謝料の金額などを決めます。
・訴訟:示談交渉がまとまらない場合は、裁判所に訴訟を提起します。
慰謝料請求の条件
慰謝料請求をするには、以下の条件を満たしている必要があります。
・不貞行為があったこと: 証拠に基づいて、不貞行為があったことを証明する必要があります。
・精神的な苦痛を受けたこと:不貞行為によって、配偶者が精神的な苦痛を受けたことを証明する必要があります。
・相手方に責任があること:不貞行為が相手方の故意または過失によって行われたことを証明する必要があります。
証拠の収集の重要性
慰謝料請求をするためには、不貞行為があったことを証明する証拠が必要です。証拠としては、以下のものが挙げられます。
・メールやLINEなどのメッセージ:ホテルや自宅に行っているというメッセージのやり取りなどは、重要な証拠となります。
・写真や動画:二人が一緒にいる様子を撮影した写真や動画は、有力な証拠となります。
・目撃者の証言:第三者が二人が一緒にいるところを見かけたという証言も、証拠として認められる場合があります。
・ホテルの宿泊記録:ホテルの宿泊記録は、性的関係があったことを示す有力な証拠となります。
慰謝料相場と弁護士への相談
配偶者の不貞行為が発覚した場合、不貞行為をされた側は慰謝料の請求が可能です。不貞行為の回数や、不貞行為をされた側の精神的苦痛の大きさによって金額は変わりますが、不貞行為の慰謝料相場は夫婦が別居や離婚をする場合、概ね150万円~300万円となります。
ただし、「不貞行為を行えば慰謝料〇〇万円を支払う義務がある。」とは、法律で決められておらず、慰謝料の金額はケースバイケースで決められます。
不貞行為に関する問題は、法律的な知識が必要となるため、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談することで、以下のようなメリットが期待できます。
・適切なアドバイス:弁護士は、個々のケースに合わせた適切なアドバイスをしてくれます。
・証拠収集のサポート:慰謝料請求等をするための証拠が揃っているかや、どのような証拠が必要かなどを教えてもらえます。
・交渉や訴訟の手続き:慰謝料請求の交渉や訴訟の手続きを代行してもらえます。
・精神的な負担の軽減:弁護士に依頼することで、精神的な負担を軽減することができます。
まとめ
不貞行為は、単なる個人的な問題ではなく、法律的な問題にも発展する可能性のある深刻な問題です。この記事では、不貞行為の定義や該当する行為、浮気との違い、慰謝料などについて解説しました。
もし、不貞行為に悩んでいる場合は、一人で抱え込まずに、弁護士や専門家にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。