離婚調停とは?流れや費用、有利に進めるためのポイントを解説
最終更新日: 2024年09月06日
離婚を考えているけれど、具体的な手続きが分からず不安な方も多いのではないでしょうか。
今回は、離婚の方法の一つである「離婚調停」について、その流れや費用、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
離婚調停とは
離婚調停とは、家庭裁判所において、夫婦が調停委員を介して話し合い、離婚の合意を目指す手続きです。
離婚そのものだけでなく、子供の親権、養育費、面会交流、財産分与など、離婚に伴う様々な問題についても話し合うことができます。
裁判離婚との違い
離婚の方法には、調停の他に裁判離婚があります。両者の大きな違いは、当事者間の合意の有無です。
・調停離婚: 夫婦が話し合い、合意することで離婚が成立します。
・裁判離婚: 裁判所で裁判を行い、裁判官が離婚を認めることで離婚が成立します。
調停離婚は、裁判に比べて費用や時間がかからないというメリットがありますが、相手が話し合いに応じない場合、裁判に発展する可能性があります。
話し合う内容
離婚調停では、主に以下の内容について話し合います。
・離婚の合意
・子供の親権者
・養育費
・面会交流
・財産分与
・慰謝料
メリット・デメリット
メリット
・裁判に比べて費用や時間がかからない
・相手と直接顔を合わせずに済む場合がある
・調停委員が中立な立場でアドバイスをしてくれる
・夫婦で話し合い、合意することで円満に離婚できる可能性がある
デメリット
・相手が話し合いに応じない場合、裁判に発展する可能性がある
・調停が長期化する場合がある
・専門的な知識が必要な場合、弁護士に依頼する必要がある
離婚調停を行った方が良いケース
・離婚について話し合いたいが、相手と直接会うのが怖い
・子供がいるため、できるだけ円満に離婚したい
・費用を抑えたい
離婚調停の費用
離婚調停にかかる費用は、主に申立費用、弁護士費用、その他の費用に分けられます。
調停申立て費用
調停を申し立てる際に、家庭裁判所に納める費用です。収入印紙で納めます。金額は、調停の内容によって異なり、2,000円程度です。
弁護士費用
弁護士に依頼する場合、弁護士費用が発生します。弁護士費用は、着手金、報酬金、実費に分かれており、弁護士によって費用体系が異なります。
その他の費用
調停期日への交通費や、資料作成費などの費用がかかる場合があります。
離婚調停の期間
離婚調停の期間は、ケースによって大きく異なります。数ヶ月で終わる場合もあれば、半年以上かかる場合もあります。
離婚調停の流れ
離婚調停は、申し立てから開始され、数回の期日を経て、合意または不成立という形で終了します。
調停申立ての手続き
離婚調停を申し立てるには、申立書を相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。
申立書には、夫婦の基本情報、婚姻期間、未成年の子どもの有無、調停で話し合いたい内容などを記載します。 必要書類としては、戸籍謄本、住民票、収入印紙などが挙げられます。
調停委員の選任
申立書が受理されると、家庭裁判所は、事件の内容に応じて、調停委員を選任します。調停委員は、通常、2名で構成されます。
調停の開始
調停委員が選任されると、家庭裁判所から、最初の期日(調停期日)の通知が届きます。調停期日には、基本的には夫婦双方が、必ず出席しなければなりません。
ただし、やむを得ない事情がある場合は、代理人(弁護士など)に出席を依頼することもできます。
調停の進行
調停期日では、調停委員が、夫婦それぞれから話を聞き、解決策を探っていきます。話し合いは、非公開で行われ、プライバシーが守られます。
調停委員は、中立的な立場で、夫婦の話に耳を傾け、合意形成をサポートします。 調停は、通常、1~2ヶ月に1回のペースで、数回行われます。
調停の結果
調停の結果は、以下の2つに分けられます。
・調停成立: 夫婦間で合意が成立し、調停調書が作成された場合。調停調書は、確定判決と同様の効力を持ちます。
・調停不成立: 夫婦間で合意が成立しなかった場合。調停不成立となった場合、離婚を求めるためには、基本的に当事者が離婚訴訟を提起することになります。
有利に進めるためのポイント
離婚調停を有利に進めるためには、事前の準備、調停委員とのコミュニケーション、証拠の提出などが重要になります。
調停委員とのコミュニケーション
調停委員は、中立的な立場で、夫婦の話に耳を傾け、合意形成をサポートします。そのため、調停委員に対して、自分の主張を分かりやすく伝えることが重要です。
感情的にならず、冷静に、論理的に説明するように心がけましょう。また、調停委員の質問には、正直に答えることが大切です。
証拠の提出
調停では、自分の主張を裏付ける証拠を提出することが重要になります。証拠がない場合、主張が認められない可能性もあるため、証拠はできるだけ多く収集しておきましょう。
証拠としては、預貯金通帳のコピー、給与明細書、不動産の登記簿謄本、メールの履歴、写真などが挙げられます。
弁護士の活用
離婚調停は、法律的な知識が必要となる場面も多く、自分一人で手続きを進めるのが難しい場合もあります。弁護士に依頼することで、法律的なアドバイスを受けたり、手続きを代行してもらったりすることができます。
弁護士費用はかかりますが、調停を有利に進めるためには、弁護士の活用も検討してみましょう。
心構えと対策
離婚調停は、精神的に負担がかかる手続きです。調停に臨むにあたっては、以下の様な心構えと対策をしておきましょう。
・冷静さを保つ: 感情的に対立してしまうと、話し合いがまとまらなくなってしまいます。
・相手の言い分にも耳を傾ける: 一方的に自分の主張だけを繰り返すのではなく、相手の言い分にも耳を傾け、歩み寄る姿勢を見せることが大切です。
・専門家のサポートを受ける:精神的に辛い場合は、一人で抱え込まず、カウンセラーなどの専門家に相談することも有効です。
まとめ
離婚調停は、裁判に比べて費用や時間がかからないというメリットがある一方で、相手が話し合いに応じない場合、問題解決が進まない可能性もあります。
離婚を検討している方は、弁護士に相談し、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。
春田法律事務所では、離婚に関するご相談を承っております。無料相談も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。