嫁が働かないから離婚したい?専門弁護士が解説

最終更新日: 2024年01月24日

  • 嫁が働かないことを理由に離婚できるのか?
  • 働かない嫁と離婚する方法も知りたい
  • 離婚を避ける方法についても知っておきたい

嫁が働かないことで家庭に影響を及ぼし、離婚したいと考えている夫もいるかもしれません。専業主婦になる主な理由は「夫の収入だけで暮らしていくのに十分である」「嫁は病気がちで体が弱い」などが挙げられるでしょう。

しかし、嫁が良くても夫側が納得していないこともあります。ひとりで家族の生活費を稼ぎ出しているのに、専業主婦であるはずの嫁は家事をほとんど行わないなどという状況が続けば、離婚を考えるきっかけになるかもしれません。

そこで本記事では、嫁が働かないことを理由に離婚を検討する方に向けて、離婚に詳しい専門弁護士が、離婚を考えるきっかけ・離婚は可能か・何をすべきかを解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 嫁が働かないことを理由に離婚する場合は相手の合意が必要
  • 嫁が働かないことを性格の不一致として離婚することはできる
  • 働かない嫁と離婚したい場合、弁護士への相談がスムーズ

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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働かない嫁との離婚を考えるきっかけ

働かない嫁との離婚を考えるきっかけとして、何があるでしょうか?ここでは以下3点を詳しく見ていきます。

  • 家事をほとんどしない
  • 働く夫に感謝してくれない
  • 長く一緒に居たいと思えない

家事をほとんどしない

1つ目のきっかけは、家事をほとんどしないことです。

働いていないと、日中、家で過ごすことが可能です。掃除や炊事、洗濯など家事はいろいろとあります。

しかし、嫁が家にいてもほとんど家事をしないケースも実際にあります。夫が働いて帰宅すると家事が全くされておらず、嫁は家にいても、寝ているか遊んでいたり、外で遊んでいた、ということもあり得ます。

このようなことが続けば、夫は離婚を考えるでしょう。家が安らげる場ではなく、帰っても疲れるだけであれば、離婚を考えるきっかけになってしまうかもしれません。

働く夫に感謝してくれない

2つ目のきっかけは、働く夫に感謝してくれないことです。

約7割が共働きであるこの時代、ひとりで家族を養っていくのは大変なことです。夫も「できれば嫁に働いてもらいたい」と考えているかもしれません。しかし、「自分が働かないのは当たり前」という態度をとる嫁もいます。

たとえば以下のような考えを持つ嫁もいます。

  • 自分が働かず、夫が働くことが当たり前だから、夫に感謝しない
  • 生活が苦しいのは、夫のがんばりや能力が足りないから
  • 自分(嫁)は収入がないのでお小遣いは当然もらうべき
  • 自分(嫁)が満足する生活を送らせてもらっていないから家事も夫のお世話もしない

もしもこのような考えであれば、離婚を考える夫もいるでしょう。

長く一緒に居たいと思えない

3つ目のきっかけは、長く一緒に居たいと思えないことです。

上述したように「自分は働かない」「家事もしない」「夫への感謝が一切ない」という状況が続けば、それでも一緒にいたいと思える夫は少ないかもしれません。

民法752条において「夫婦は同居し、互いに扶助しなければならない」と規定されています。夫婦がお互いに助け合わないのであれば、夫にとってもこれから長く一緒にいたいとは思えず、離婚を考えることも十分に考えられます。

嫁が働かないことを理由に離婚することは可能?

それでは、実際に嫁が働かないことを理由に離婚することは可能なのでしょうか。

離婚にはさまざまな理由があります。もっとも多い離婚理由は「性格の不一致」です。「嫁が働かないから離婚したい」については、夫が「嫁に働いてほしい」と思う価値観のズレが原因で、「性格の不一致」にあてはまるといえます。

性格の不一致を理由にした離婚を、実現できる可能性は高いです。

離婚協議でお互いが合意すればできますし、離婚訴訟による離婚の場合は、法定離婚事由が必要になるものの「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまる可能性があります。婚姻を継続し難い重大な事由に当てはまるかは、専門弁護士に相談しましょう。

ただ、いくら離婚できる可能性が高いとはいえ、すぐに結論を出してしまうのは避けましょう。もしも夫婦間で、慰謝料などの離婚条件についてしっかりした話し合いを持てていないなら、お互いに見えている状況が違い、離婚後に後悔するかもしれません。

また、嫁が専業主婦で子どもがいれば、離婚後の親権はよほどの理由がない限り、嫁になる可能性が高いです。

離婚協議する場合に、しっかりと話し合いをせずにいきなり離婚を切り出してしまうと、その後の生活に大きな影響が出るでしょう。

お互い弁護士を立てて、離婚条件について抜け漏れなく話し合い、双方が納得した状態で離婚を成立することがのぞましいといえます。

働かない嫁との離婚を避けるためにできること

ここでは、働かない嫁との離婚を避けるためにできることついて、以下内容を具体的に説明していきます。

  • 嫁の話を聞く
  • 働いて欲しいことを伝える
  • 一緒に考える

嫁の話を聞く

できることの1つ目は、嫁の話を聞くことです。

離婚を少しでも考えたら、まずは話し合いの時間をとり、しっかりと嫁の話を聞きましょう。いきなり自分の不満をぶつけるとお互いに感情的になってしまいよくありません。嫁が家事をしない、働かないでいるのは、もしかしたら何か理由があるのかもしれないので相手の話をしっかりと聞きましょう。

家事をしないのはなぜなのか、何かやりたいことがあるのかを具体的に確認してみましょう。もしかしたら嫁側にやりたいことがあって計画中のため家事の時間が取れないことも考えられます。

また、今後の働く意思や今の生活についてどう思うか、何より夫である自分のことをどう思っているのか、を聞いてみてください。

夫婦とはいえ、いつでもすべてをさらけ出して話し合えるとは限りません。相手に悪いからと気遣っているからこそ、言えないこともあるでしょう。まずは本音を聞き出すところから始めましょう。

働いて欲しいことを伝える

できることの2つ目は、働いて欲しいことを伝えることです。

嫁の話を聞いた後は、今度は自分の考えをしっかりと伝えましょう。嫁になぜ働いてほしいのか、たとえば「ずっと家にいると、社会から嫁が離れてしまうようで心配」「現在の自分の収入はこのくらいで、今はいいが将来に向けて貯金したい」などと、具体的に伝えることが重要です。

あなたの気持ちを伝えた上で「月に5万円くらい稼いでもらえると助かる」といえば、嫁もどれくらい働けばよいかのイメージが湧きやすくなるでしょう。結婚前は専業主婦になることに同意していたという場合でも、今の生活への影響を説明した上で具体的な数字を出せば納得しやすいものです。

嫁に働いて欲しいと伝えるだけでなく、自分も収入を上げられるように努力する、と伝えるとよいでしょう。家庭にしっかり目を向けたうえで仕事をがんばる、家庭に問題がないレベルで副業を始めるなど、収入をあげる方法は多くあります。

金銭面が問題であれば、二人でできる節約策を考えてみてもいいかもしれません。

嫁が働かない原因として、体調や精神的な面に問題があるなら、夫は気づかなかったことを謝罪して、落ち着いてから話をする必要があります。

いずれにしろ相手だけを責めるのではなく、自分も一緒に頑張るからこうしてほしい、という気持ちをしっかり伝えましょう。

一緒に考える

できることの3つ目は、一緒に考えることです。

働かない嫁をとがめるのではなく、現状を把握し、前向きに一緒に考えることが大切です。いきなり一方的に離婚を切り出したり、働かないことを責めたりすると、お互いが感情的になり話が進みません。

嫁はどのような働き方をすればよいか、もし嫁が働くことでデメリットが発生するなら、どのように解消する方法があるのかを一緒に考えましょう。嫁が働きたくないのであれば、生活費の使い方や嫁の過ごし方を少しずつ見直すことも、一緒に考えるとよいかもしれません。

夫婦といえど、お互いの状況すべてを理解しているとは限りません。自分の希望を押し付けるのではなく、相手の状況をしっかり把握したうえで一緒に考えて、話し合いをしてください。

働かない嫁と離婚する方法

性格の不一致で離婚する流れについて、以下を具体的に説明していきます。

  • 協議する
  • 弁護士への相談

協議する

1つ目の方法は、協議することです。

働かないことで双方の話し合いがうまくいかない、嫁が嫌がって直接話すらできないときは、離婚へ向けた話し合いをしていくことになります。

離婚するには親権や養育費・財産分与や年金分割など、話し合わなければならないことが多くあります。相手に離婚条件を納得してもらわなければいけません。

離婚に関する話し合いは、非常に気が重たくなります。嫁がなかなか話に応じてくれない可能性もあるため、時間をとってしっかりと協議するようにしましょう。

弁護士への相談

2つ目の方法は、弁護士への相談です。

働かない嫁と離婚するためには、弁護士に相談するのも有効な方法です。

働かない嫁と、離婚に向けた話し合いをするのは精神的にも大きな負担になります。嫁側は、働かないことや離婚の話し合いについて逃げたくなるかもしれません。嫁にとっては、離婚することは今の生活が崩れ、生活の質が落ちる可能性が高いからです。

夫婦生活の中で双方の価値観がズレてしまっている可能性もあり、直接話し合ってもなかなか交渉が進まないことも考えられます。そのような場合、離婚に強い弁護士に相談すれば、過去の事例などから適切な助言をしつつ、嫁との話し合いを進めてくれるでしょう。

働かない嫁との離婚を考えているなら弁護士への相談を

本記事では、働かない嫁との離婚を考えるきっかけ・離婚は可能か・何をすべきかを解説しました。

働かない嫁との離婚を進める前に、まずは嫁との話し合いの時間を取ることが大事です。自分の把握している事情が嫁のすべてだとは限りません。感情的になって一方的に離婚を突きつけると、解決できたはずの問題が複雑になってしまうかもしれません。

それでも、どうしても離婚したいという場合は、離婚問題に強い弁護士への相談をおすすめします。離婚に強い弁護士は、双方の意見を取り入れながらスムーズに離婚手続きを進めてくれるでしょう。また、あなたの要望にもしっかりと応えてくれて、心強いパートナーになってくれるかもしれません。働かない嫁との離婚を考えているのであれば、まずは弁護士に相談してみてください。

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