これも不貞行為の証拠になる?収集方法についても解説
最終更新日: 2024年08月26日
- 私の夫がどうやら不貞行為をしているようです。離婚や慰謝料を請求したいのですが、どのような証拠を収集すればよいのでしょうか?
- 配偶者の不貞行為に関する動かし難い証拠を得るのは、素人ではかなり難しいようだ。証拠を得るためにどのような方法があるのか教えてほしい。
- 不貞行為の証拠を集めるコツや注意点があるなら、是非知っておきたい。
配偶者に不貞行為の疑いを持ったときは、いきなり問い詰めるのではなく、証拠を収集しておいた方が、離婚や慰謝料請求が有利に進みます。
また、不倫をした配偶者に、証拠を提示して猛省させる効果もあるでしょう。
しかし、不貞行為の強力な証拠を確実に集めるのは、素人にとってなかなか難しい作業です。
そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、不貞行為の証拠になるもの、不貞行為の証拠を収集する方法等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 不貞行為の証拠は、不貞をした配偶者と不倫相手の性行為の写真や動画等があげられる
- 不貞行為の証拠を収集するためには、監視カメラの設置や持ち物の確認等を行う
- 不貞行為の強力な証拠を得るためには、探偵をはじめとした調査会社の協力、証拠の効果的な活用には弁護士のアドバイスを得た方がよい
不貞行為の証拠になるもの
配偶者に不貞行為の疑いを持った場合は、日ごろから証拠になりそうなものを慎重にコツコツ集めておきましょう。
次のような証拠物を集めておくと、不貞行為を理由とした離婚交渉や慰謝料請求が有利になります。
写真
不貞をした配偶者と不倫相手の性行為の写真(画像)は、強力な証拠となります。
ただし、このような写真(画像)は容易に得られないのも事実です。
写真(画像)を得たい場合には、配偶者のスマートフォン等を確認してみましょう。
不貞行為の当事者の中には、野外やラブホテルでのセックス、酩酊状態でのセックス等に興奮し、悪ふざけで行為中の写真(画像)を撮影するケースがあります。
配偶者が保管していたり、SNSのダイレクトメールで不倫相手が送ってきたりした写真(画像)を保存できれば、動かし難い証拠になります。
ただし、配偶者と不倫相手の鮮明な写真(画像)でなければ、人物が特定できないので注意しましょう。
動画
不貞をした配偶者と不倫相手の性行為の動画は、写真(画像)と同等かそれ以上の強力な証拠となります。
動画も配偶者のスマートフォン等に保管されている可能性があります。
こちらも、性交中の配偶者と不倫相手が鮮明に映っていないと、不貞行為の当事者の特定は困難です。
音声
配偶者と不倫相手の性行為の動画に音声が入っていれば、更に証拠能力が高くなります。
そのため、スマートフォンに残された動画を保存する場合は、スクリーンショットや、自分のスマートフォンのカメラで撮影するだけではなく、音声データも同時に保存した方が確実です。
通話履歴
不倫相手と頻繁に通話している事実を示す通話履歴も、証拠になります。
性行為の写真(画像)や動画ほど強力な証拠ではありませんが、他の証拠と合わせることにより不貞行為を立証できる可能性もあるでしょう。
メッセージ・SNS
配偶者が不倫相手とのやりとりを、スマートフォンのSNSアプリやメールで行っている場合にはこれらも証拠となります。
不貞行為の感想、待ち合わせ場所等が記載されているやり取りを確認してみましょう。
ただし、SNSアプリやメールで不倫相手とのやりとりを見つけただけでは、性行為の写真(画像)や動画ほど強力な証拠とはなりません。
それでも、たとえば探偵社をはじめとした調査会社に配偶者の不貞行為の調査を依頼したときに役立つ情報です。
不倫相手とのやりとりを調査会社に提出すれば、不倫相手と会う時間帯、ラブホテルや地域が確定され、それを参考にして調査対象者の尾行や張り込みが可能となります。
レシートやクレジットカードの明細
配偶者の所持品から、夫婦で利用していないホテルや不審なお土産のレシート、クレジットカードの明細を見つけたら大切に保管しておきましょう。
不貞行為をするために立ち寄った場所や不倫相手と宿泊した可能性のあるホテル等を特定できます。
相手が認めたことがわかる書類
配偶者に不貞行為を問い詰め、本人が認めた場合、念書等(署名・押印も必要)でその事実を書面化して保管しておきましょう。
配偶者本人の自白は、性行為の写真(画像)や動画と同様に強力な証拠となります。
なお、自白したときのやり取りの音声も録音できれば、更に証拠としての価値は高くなります。
不貞行為の証拠を収集する方法
証拠を集める方法はいろいろとありますが、まずは自分ができる範囲で証拠を集めていきましょう。
こちらでは、証拠を収集する4つの方法について説明します。
監視カメラ設置
自宅の玄関等に監視カメラを設置してみましょう。
監視カメラの設置は、配偶者の不貞行為が疑われる外出をチェックするために有効な方法です。
また、配偶者が不倫相手を自宅に呼び、性行為をしている可能性もあるので、見覚えのない人を自宅に招いていないかも確認できます。
なお、自宅で不倫相手と性行為をしている可能性があると判断した場合は、室内にビデオカメラの設置も検討しましょう。
不倫相手と性行為をしていると疑われる場所(例:夫婦の寝室や、リビング、浴室等)に、当事者にバレないよう設置し、性行為の動画が撮影できれば強力な証拠となります。
持ち物確認
配偶者の背広の内ポケットやカバン等の所持品を確認し、不貞行為の証拠となるものを見つけます。
証拠を発見できそうな持ち物は、主に次の通りです。
- スマートフォン:不倫相手とのやり取りや性行為の画像・動画が保存されている可能性がある
- ラブホテルのスタンプカード:スタンプが何度も押されていれば、不倫相手との性行為の回数が把握できる
- 不審なレシート:配偶者が1人で出張すると言っていたのに、2人分の宿泊料金がホテルから請求されていた等がわかる
- 避妊具や性交に利用する器具:コンドームや性行為のときに利用する器具等があった
クレジットカードの使用履歴の確認
クレジットカードの使用履歴から不貞行為をしたと考えられる日時や場所等も特定できます。
使用履歴から判明する事実は、主に次の通りです。
- ホテルの料金:出張で1人の宿泊と言っていたのに、2人分の料金が請求されている
- 不審な購入物:出張先の道の駅等で、家族には買ってこなかったお土産を購入している
- やたら高額な食費:通常、出張では利用しないような高級なレストランで食事をしていた等
不貞行為の発覚をおそれた配偶者が、すでに紙のクレジットカード明細を破棄していても、クレジットカードのWeb明細で履歴の確認が可能です。
GPS
最近では家族で位置情報が共有できる無料アプリも利用できます。
ただし、配偶者はGPSで居場所がわかってしまう事態をおそれ、アプリのアカウントを削除してしまう可能性もあるでしょう。
配偶者の車にGPS発信機を設置すればバレない可能性はありますが、もしも配偶者から発信機を発見された場合、大きなトラブルに発展する危険性も考えられます。
不貞行為の証拠をスムーズに集めるポイント
不貞行為の動かぬ証拠を発見したくても、自分が仕事をしている場合や、それなりの調査技術・能力がなければ、証拠収集はなかなか難しい作業となります。
そのような場合は無理をせずに、専門家に調査等を依頼した方が無難です。
興信所や探偵へ相談
配偶者の不貞行為の証拠が集まらないときは、探偵社等の調査会社に相談し、調査を依頼した方がよいでしょう。
配偶者や不倫相手を尾行し、現場の撮影をしようとしても、当事者を見失ったり、尾行に気付かれたりするおそれもあります。
探偵社等に依頼すれば調査スタッフは数名で調査を行うので、より確実に証拠の収集が図れます。
なお、調査の専門家といえども、不貞行為の当事者の性行為の写真(画像)・動画の撮影は至難の業です。
ただし、不貞行為の当事者がラブホテル等へ出入りする写真(画像)・動画に成功すれば、当事者が性行為をしていると強く推認でき、離婚訴訟の強力な証拠として提出できます。
弁護士への相談
配偶者の不貞行為に悩んだときは、弁護士と相談してみましょう。
証拠がなかなか集められないときは、提携している調査会社を紹介する場合もあります。
配偶者の不貞行為の証拠が集まれば、弁護士は次のようなアドバイスをします。
- 現在の証拠で相談者の離婚請求、慰謝料請求が希望通りに進むか否か
- 離婚や慰謝料請求を進める手順や手続き
- 夫婦関係を修復する場合、どのような方法があるか 等
なお、配偶者の不貞行為中の生々しい証拠画像や動画にショックを受け、当事者と会うのが辛いときは、弁護士に離婚の交渉を依頼しましょう。
弁護士は配偶者や不倫相手との離婚や慰謝料の話し合いを代理します。調停や裁判の手続き等も任せられるので、依頼者の精神的負担も軽減されます。
まとめ
今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、不貞行為の証拠をスムーズに集めるコツ等について詳しく解説しました。
証拠収集は素人にはなかなか難しいものです。自分では無理だと感じたときは、調査会社や弁護士にサポートを依頼しましょう。
不貞行為の証拠を集めたら、速やかに弁護士と相談し、今後の対応を話し合いましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。