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弁護士が解説!不倫の慰謝料を請求されたらどう対応すればいいの?

弁護士が解説!不倫の慰謝料を請求されたらどう対応すればいいの?

2021年08月24日

弁護士が解説!不倫の慰謝料を請求されたらどう対応すればいいの?突然,不倫の慰謝料を請求されれば,身に覚えがあった場合はもちろんのこと,全く身に覚えがなかったとしても,慌てて,焦ってしまうのではないでしょうか。

不倫の慰謝料は,不倫をされたと主張する本人からの請求だけでなく,最初から弁護士が請求をしてくることもあります。また,請求の方法も,手紙(内容証明郵便)や電話,メールなど多様です。

では,突然,不倫の慰謝料を請求されてしまった場合,どのように対応すればよいのでしょうか。

このコラムでは,不倫に関する事件を多数取り扱っている弁護士が,実際に不倫の慰謝料請求を受けてしまった場合の対処法について,徹底的に解説いたします。

早速,見ていきましょう。

この記事を監修したのは

南 佳祐
弁護士南 佳祐
大阪弁護士会 所属
経歴
京都大学法学部 卒業
京都大学法科大学院 卒業
大阪市内の総合法律事務所に勤務
春田法律事務所 入所

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不倫で慰謝料を請求された時のための基本知識

不倫で慰謝料を請求された時のための基本知識そもそも,不倫の慰謝料は,どのようなときに請求されるのでしょうか。
また,請求をされてしまえば,必ず,その請求に応じなければならないのでしょうか。

不倫の慰謝料請求の法的根拠

民法709条は,次のように規定しています。
「故意又は過失により,他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」

また,民法710条は,「他人の身体,自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず,前条の規定により損害賠償の責任を負う者は,財産以外に対しても,その賠償をしなければならない。」と定めています。

不倫による慰謝料請求訴訟においては,議論はあるものの,主として「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を保護法益とすることが多いです。

つまり,この保護法益が不倫・不貞行為によって侵害されたという構成によって,民法709条,710条を根拠に,不法行為による慰謝料請求がなされているのです。

不倫の慰謝料を支払わなくてもよい4つの場合

では,不倫の慰謝料請求を受けた場合,必ず請求に応じなければならないのでしょうか。
慰謝料を支払わなくてもよい場合について,検討してみます。

慰謝料を支払わなくてもよい4つの場合
  1. 肉体関係がない
  2. 不倫だと知らなかった
  3. 相手の夫婦関係が不倫より前に破綻していた
  4. 自分の意思ではない場合

1 肉体関係がない

そもそも,肉体関係がない場合には,不貞行為の慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。

さきほど確認したように,不倫を理由に慰謝料請求がなされるのは,「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」が侵害されると考えられているからです。

そして,肉体関係があれば,この「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」が侵害されてしまうことは明らかです。

では,肉体関係がない場合はどうでしょう。
結論から言うと,肉体関係がなければ,原則として,不倫の慰謝料を支払う必要ないといえます。

ただし,例外的に,肉体関係がなかったとしても,社会通念上許されないような態様で,既婚者と親密な関係になった場合には,「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」が侵害されたと評価される可能性はあります。

このように,肉体関係がない場合には,社会通念上許される態様の関係性か否かという点がポイントとなります。

ご自身で,肉体関係がないから大丈夫と決めるのではなく,弁護士への相談をおすすめいたします。

2 不倫だと知らなかった

さきほどご紹介した民法709条には「故意又は過失により」との文言があります。

つまり,「故意又は過失」によって,他人の「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害した場合に,不法行為責任を負うとしています。

逆に言えば,故意又は過失がなければ,「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害したとしても,不法行為責任を負うことはなく,慰謝料を支払う必要はないのです。

では,不倫事件において,「故意又は過失」とはどういう意味でしょうか。

一般的には,不倫をした当事者が,不倫相手が既婚者であることを知っていれば「故意」があり,仮に既婚者であると知らなかったとしても,知り得るべき状況にあったと言えれば,「過失」があるとされています。

そして,この知り得るべき状況にあったか否かは個別具体的な判断によることになりますが,たとえば,不倫相手が自身を独身と偽ったか否か,不倫相手の年齢,不倫相手と知り合った経緯等の事情から,判断されることになります。

以上のとおり,不倫だとは知らなかった場合や,知り得るべき状況にあったとは言えない場合には,「故意又は過失」がなく,不法行為責任は成立しません。

つまり,不倫の慰謝料を支払う必要はないのです。

3 相手の夫婦関係が不倫より前に破綻していた

不倫に先立って,不倫相手の夫婦関係が破綻していた場合には,保護されるべき「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」がなく,不法行為が成立しません。

また,先ほどの「故意又は過失」という要件に関連して,不倫相手の夫婦関係が不倫前に破綻していたと過失なく信じていた場合には,やはり,「故意又は過失」の要件を欠くものとして,理論上,不法行為は成立しません。

しかし,実務上は,婚姻関係が破綻していると過失なく信じたとの主張が認められる可能性はほとんどなく,この主張が認められるケースは稀といえます。

4 自分の意思ではない場合

刑事上の強姦事件などのように,自由な意思を制圧された場合など,自身の意思で肉体関係を持ったのではない場合には,原則として不法行為責任を負うことはありません。

不倫の慰謝料を請求された場合の対処法

不倫の慰謝料を請求された場合の対処法これまで説明してきたように,場合によっては,不倫の慰謝料を請求されたとしても,これに応じる必要がないこともあります。

では,実際に,不倫の慰謝料請求を受けた場合には,どのように対処すればよいのでしょうか。

以下では,基本的な対応方法をご説明いたします。

  • 慰謝料請求を放置・無視しない
  • 支払わなくてもよいケースかどうか確認する
  • 請求された金額の妥当性を確認する

慰謝料請求を放置・無視しない

まず,慰謝料の請求は,どのように誰から,どのようにされるのでしょうか。

基本的には,不倫相手の配偶者本人からか,その配偶者から依頼を受けた弁護士からの請求が想定されます。

請求の方法にも特に定めはなく,口頭での請求や電話での請求,郵便物(内容証明郵便など)での請求が考えられます。
手紙は自宅に届くことが原則ですが,場合によっては勤務先などに配達されることもあります。

たとえば,突然,電話で慰謝料の請求を受けた場合,動揺した状態で相手からの質問に回答してしまうおそれがあります。

手紙での請求であっても,内容が気になったり,腹が立ったり,怖くなったりして,手紙の差出人に電話連絡をしたくなるかもしれません。

しかし,何よりも大切なのは,落ち着いて請求の内容を確認・検討することです。
手紙であれば,一度,内容をじっくりと読み直してみてください。

電話の場合でも,すぐに具体的な回答をするのではなく,期限を決めて折り返すなどと約束をするといった方法をとるべきです。
ただ,相手方の心情にも配慮し,誠意のある対応を心がけることは大切です。

このように,慌てて応対をすることはNGです。

しかし,すぐの対応は避けるべきとはいえ,慰謝料請求を放置したり,無視したりすることも,やってはならない対応の一つです。

慰謝料請求を無視することで,本来であれば減額や分割での支払を交渉するチャンスがあったにもかかわらず,これを逸してしまい,裁判での解決によらざるを得ないおそれもあります。

また,何より,不倫で精神的なダメージを負った当事者からの請求を無視するのですから,不誠実な対応であると受け取られてしまい,対立がより深まってしまうことも懸念されます。

慰謝料請求の際に,期限が設定されることも多いですから,この期限も踏まえたうえで,相手方に応答することは,とても重要です。

支払わなくてもよいケースかどうか確認する

では,どのように回答をすればよいのでしょうか。

まずは,あなたが法的責任を負うのかどうか検討する必要があります。
法的責任がない場合には,当然,慰謝料を支払う理由はありません。

さきほど説明したとおり,慰謝料を払わなくてもよい場合に該当するのか否か,検討をしてください。

ただし,ご本人が,実際にこれを判断するのは難しいことです。
請求を受け取った場合には,迅速に弁護士に相談することをおすすめいたします。

請求された金額の妥当性を確認する

もし,あなたに法律上の責任があり,慰謝料を支払わなければならないとしても,請求された金額をそのまま支払わなければならないのでしょうか。

不倫の慰謝料請求事件は,裁判実務上,たくさんの事例の集積があり,慰謝料を算定する際に考慮される事情や要素についても言及されています。

たとえば,不貞期間,不貞の回数・頻度,婚姻期間,不貞発覚による別居・離婚の有無,夫婦間の子どもの有無,不貞行為発覚後の対応等が,慰謝料を検討する際の要素として指摘されています。

あなたの事件と全く同じ事件は存在しませんが,これらの要素を考慮したうえで,類似の事例から,裁判実務上認められるであろう慰謝料額を想定することは可能です。

実際に請求を受けた金額が,裁判実務上認められ得る金額なのか,それよりも高額な請求がなされているのか,見定めたうえで,回答の内容を決めることが重要です。

請求された不倫の慰謝料を支払わなければならない場合

請求された不倫の慰謝料を支払わなければならない場合ここまで,不貞慰謝料を請求された場合には,決して放置をすることなく,内容を吟味したうえで,回答する必要があることをお伝えしてきました。

では,検討をした結果,一定額の慰謝料を支払わないといけなくなったものの,そのお金を準備できない場合には,どうすればよいのでしょうか。

  • 妥当な金額に向けて減額交渉を行う
  • 一括での支払が難しい場合には,分割での支払を希望する
  • 慰謝料を支払うのは示談書を取り交わしてから!

妥当な金額に向けて減額交渉を行う

請求された金額が相場よりも高い場合,まずは減額交渉を行います。
請求をした側としても,相場より高い金額を請求する際には,一定の減額交渉がなされることを見越している可能性が高いです。

相場を踏まえ,また相手方の感情にも配慮しつつ,提案をしましょう。
具体的な金額や交渉方法については,専門的な知識や技術も必要になりますので,弁護士に委ねることも重要です。

一括での支払が難しい場合には,分割での支払を希望する

いわゆる「相場」と言われる金額を,一括では支払えない場合もあるでしょう。

その場合には,分割での支払を提案することになります。
分割の内容にもよりますが,請求側も,合理的な内容で支払を受けられるのであれば,裁判などを回避するために,分割での提案を受け入れる場合も多くあります。

あまりに長期の分割の提案しかできない場合には,それ自体はやむを得ないですが,実際に十分な経済力がないことを説明する方が,請求側の納得を得られる可能性が高いです。
たとえば,給与明細や1ヶ月の家計収支などを示すことが考えられます。

慰謝料を支払うのは示談書を取り交わしてから!

では,慰謝料の金額や支払の方法が決まれば,すぐに慰謝料を払ってしまってもよいのでしょうか。

早く事件から解放されたいという思いで,すぐにお金を払おうとする方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,ここでも焦ることは禁物です。
お金を支払う前に,示談書や合意書といった書面を取り交わすことが極めて重要です。

示談書には,慰謝料の金額や支払の時期,支払の方法を記載するだけでなく,その他の条件(たとえば,接触禁止や,口外禁止,求償権の処理について)も記載することが一般的です。

その中でも,清算条項と呼ばれる条項が重要です。
名前のとおり,「清算」をする条項ですので,今後は,この不倫の件について,お互いに権利や義務を負うものではないという趣旨を記載します。

これによって,同じ不倫の事件について,追加で金銭の請求を受けたとしても,もう事件は解決して,清算されていると反論し,請求を跳ねのけることが可能となるのです。

示談書を取り交わしたら,示談書に記載された支払期限までに,必ず慰謝料を支払いましょう。

なお,現金を交付するのであれば領収書を,振込をするのであれば,振込の明細などを必ず保管してください。
万が一,支払がされていないとのトラブルが起きた場合にも,これらの書類があれば,適切に支払をしたことを証明することが可能です。

まとめ

まとめ不倫の慰謝料請求を受けた場合の対処法について,見てきましたが,いかがだったでしょうか。
突然の請求に戸惑うことがあるかと思いますが,まずは落ち着いた対応を心がけてください。

また,請求の内容が妥当なものなのかどうか,どのような交渉をすればよいのかわからない等のお悩みも出てくるかと思います。
そのような場合には,不倫事件の経験が豊富な弁護士に,まずはご相談ください。

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南 佳祐
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