VTuberが知るべき弁護士の活動内容・相談すべき状況・味方になってくれる人の特徴を解説
最終更新日: 2024年01月31日
- VTuberとして事務所に所属しているが独立したい。何とか穏便に独立を進められないだろうか?
- VTuberだがネットで誹謗中傷を受けている。何とか誹謗中傷をやめさせたい。
- VTuberの事務所の運営で起きる様々な問題への対応を、弁護士に相談したほうがよいのだろうか?
VTuber(バーチャルYouTuber)とは、キャラクター(アバター)の姿で、YouTube上にて動画の投稿やライブ配信を行う人たちです。
VTuberは主にYouTubeをはじめとした配信プラットフォームからの広告収入や、グッズ販売、企業案件等で収入を得ています。
夢のある職業ともいえますが、VTuberを取り巻く問題はいろいろと存在し、事前のトラブル防止はもちろん、トラブルが起こったときには迅速な対応が必要です。
そこで今回は、多くのネットトラブルに携わってきた専門弁護士が、想定されるVTuberのトラブル、様々な問題を弁護士へ相談するメリット等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- VTuberは独立問題や著作権問題、誹謗中傷等、いろいろなトラブルが想定される
- トラブルを防止したい、トラブルが発生したという場合、まずは弁護士に相談する
- 依頼を受けた弁護士は、VTuberのサポートを行い問題の解決に尽力する
VTuberが弁護士に相談すべき状況
VTuberといってもその全員が個人で活動しているわけではなく、事務所に所属している人もいます。
また、各VTuberがおかれている状況は様々で、中には深刻な問題を抱えている人も少なくありません。
VTuber本人が何らかの行動を起こしたい場合、トラブルが発生し困っているという場合は、なるべく早く弁護士に相談しましょう。
こちらでは、弁護士に相談した方がよい状況を取り上げます。
移籍・独立
現在、事務所に在籍しているものの、自身で独立したい、他の事務所に移籍したいと考えているならば慎重な行動が必要です。
いきなり所属事務所に辞めたい(契約を解除したい)と告げても、事務所側とトラブルになる可能性が高いです。
主に次のようなトラブルが想定されます。
- 移籍を告げたのに、所属事務所が辞めさせてくれない
- 独立のため契約解除を伝えたら、所属事務所から違約金を請求された
- 契約解除後も、以前所属していた事務所に活動を妨害されている 等
VTuber本人だけで解決を図ろうにも、事務所側は話し合いに応じないケースが想定されます。
その場合には、弁護士に相談し対応を話し合います。代理人を依頼された弁護士は、VTuberが所属するときに取り交わした契約書を確認し、相手方との交渉を開始します。
一方、事務所側は契約書でVTuberと契約期間中の退所の取り決めや、退所後の活動制限等を決めたにもかかわらず、その契約を破るような行為に納得できないことでしょう。
この場合は事務所側も、弁護士をたててVTuberに契約の誠実な履行を求めたり、違約金を請求したりして冷静に対応した方が、穏便な解決を図れます。
著作権問題
VTuberは自身のアバターが他と酷似している場合や、動画投稿、ライブ配信等で他者から著作権侵害を指摘されるリスクがあります。
著作権のトラブルには、主に次のようなケースが想定されます。
- 許可なくテレビ画面を撮影しYouTubeにアップロードしたら、放送会社から損害賠償を請求された
- ファスト映画(映画を短く編集した動画)をアップロードしたら、権利者からYouTubeに対して動画の削除が要請された
- 著作権を侵害する動画を投稿し、YouTube側からアカウントを停止または制限されてしまった
権利者から著作権侵害を指摘されたり、損害賠償請求をされたりしたVTuberは、著作権侵害の意図があっても無くても、弁護士に相談し以後の解決策を検討します。
VTuber側も権利者に反論したいならば、弁護士が代わりに、理性的かつ説得力のある主張を権利者側に行います。
一方、VTuberが権利者として著作権侵害を主張するならば、弁護士と相談し、投稿されたコンテンツ等どのような点が権利侵害に当たるのかを確認します。
その後、弁護士を介して、損害賠償請求や動画の削除を要請すれば、相手がその請求に応じる可能性も高まります。
権利関係
事務所に現在所属している場合、VTuberのキャラクター(アバター)やアカウント等の権利は事務所側にある場合がほとんどです。
現事務所を独立したり、他の事務所に移籍したりした後、勝手にキャラクターやアカウント等を利用してしまうと、トラブルに発展する可能性があります。
VTuberも事務所側も後々トラブルとならないよう、それぞれが事前に弁護士と相談し、権利に関する契約内容のチェックが必要です。
VTuberが独立したいならば、VTuber側の弁護士は所属事務所からキャラクターの権利を買い取るサポートや、これまで利用してきたアカウントを引き継げるよう事務所側に働きかけます。
一方、事務所側も契約書へ明記されている権利に関する内容を今一度確認し、弁護士からの助言を参考に、VTuberの主張を容認するか否かについて、慎重に検討します。
誹謗中傷
VTuberとして活躍している最中、自分のYouTubeに誹謗中傷の投稿があったり、他のSNSや投稿サイトで誹謗中傷されたりするおそれもあります。
そのとき、誹謗中傷のコメントで実名、アカウント名、イニシャルいずれが投稿されていたとしても、誰に向けられたものなのか判定できる場合(同定可能性)、自身への名誉毀損、侮辱行為として、投稿した相手に法的責任を追及できます。
ただし、誹謗中傷の投稿の削除、投稿者の身元の特定、損害賠償請求や刑事告訴を行うときは、法律の知識が必要です。
誹謗中傷を受けた場合も弁護士に相談し、以後の対応を協議していきましょう。
VTuberに対する弁護士の活動内容
VTuberが未然にトラブルを回避したい場合、発生したトラブルを解決したい場合、それぞれのケースに応じ、弁護士は柔軟な活動を行います。
こちらでは、主な弁護士の活動内容を取り上げます。
手続き代行
VTuberがトラブルを回避したいなら、事前に弁護士から契約内容のチェックを受けてみましょう。
たとえばVTuberが映画やTVドラマ、広告等に出演する場合は、弁護士が出演契約の確認、出演料について助言しつつ、不審な点があれば相手方と直接交渉も可能です。
また、誹謗中傷等の深刻なトラブルが発生したら、投稿の削除や法的措置の手続き等を弁護士が行います。
VTuber本人がトラブル解決を図るよりも、スピーディーに手続きを進めることができます。
最適な手段提案
VTuberにトラブルが生じた場合、トラブルの状況や本人の希望を確認したうえで、弁護士は最適な対応策を提案します。
たとえばVTuberが誹謗中傷を受けていた場合は、次の対策を提案します。
- 誹謗中傷の投稿を削除したい→YouTubeやSNS管理者に削除依頼、裁判所に投稿削除の仮処分命令の申立て
- 誹謗中傷した投稿者の身元を特定したい→発信者情報開示請求・命令の申立て
- 投稿者と穏便な解決を図りたい→和解(示談)交渉
- 投稿者の法的責任を追及したい→損害賠償請求訴訟、刑事告訴
VTuber本人の同意のうえで、弁護士が上記の対策を進めていきます。
活動面のサポート
弁護士に依頼すればVTuberの炎上対応から、メディア・週刊誌からの取材対応の助言まで、様々な活動を行います。
問題が発生するたびに弁護士に代理人となってもらうより、契約期間を通して、著作権問題や権利関係のチェックをしてもらえるように「顧問契約」を結ぶほうがよいでしょう。
顧問契約を結べば深刻なトラブルへ発展する前に、有効な対策がとれる可能性も高くなります。
早期解決
VTuberが相手方(所属事務所や、悪質な投稿者、著作権侵害を受けたと主張する団体等)と早期にトラブル解決を図りたい場合は、「和解(示談)交渉」を成立させる必要があります。
トラブル解決のため、裁判所に訴訟を提起したり、捜査機関(警察等)に刑事告訴したりすると、解決までにかなり時間を要する可能性もあるでしょう。
和解交渉ならば、裁判所も捜査機関も関与しないので、迅速かつ穏便な解決が図れます。
弁護士が交渉の窓口となれば、法律の知識や交渉の経験を活かして話し合いができるので、和解が成立する可能性は高いです。
交渉では和解の条件や和解金額、支払い方法・期限等が取り決められます。交渉は全て弁護士に任せられるので、弁護士と交渉条件を調整・確認しながら、冷静に和解手続きが進められます。
VTuberの強い味方になってくれる弁護士の特徴
VTuberに何らかのトラブルが発生した場合、サポート役になる弁護士は誰でもよい、というわけではありません。
こちらでは、頼りになる弁護士の特徴について説明します。
交渉実績豊富
VTuberと相手方とのトラブルを穏便かつ迅速に解決する方法は「和解交渉」です。
法律の知識はもちろん、交渉に豊富な経験を持つ弁護士ならば、相手方との和解が成立する可能性は高くなります。
実績豊富な弁護士かどうかは、まず法律事務所のホームページを確認しましょう。
ホームページに「交渉実績年間〇〇件」等と、具体的な件数が明記されていれば、和解交渉に豊富な経験を有していると判断できます。
専門的なノウハウ
VTuberが弁護士を選任するときは、ネットに関する知識、ネット上のトラブル、著作権、権利関係等に詳しい弁護士を選びましょう。
これらの知識に精通した弁護士を選ぶ場合も、法律事務所のホームページのチェックが欠かせません。
ホームページ内に、VTuberやネット上のトラブル、著作権に関する相談事例やコラム等が多数掲載されているならば、その分野に専門的なノウハウを有していると判断できます。
VTuberのトラブルは早期段階で弁護士に相談を
今回は、ネットトラブルの解決に尽力してきた専門弁護士が、VTuber等がおかれた問題を弁護士へ相談・依頼するメリット等について詳しく解説しました。
トラブルの解決には法律の知識が欠かせません。VTuber本人だけで解決を図るのが難しいと感じたら、なるべく早く弁護士に相談しましょう。
弁護士からアドバイスやサポートを受けつつ、迅速な問題解決を目指してみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。