著作権に強い弁護士が法律の概要から刑罰・侵害トラブルの対処法を詳しく解説
最終更新日: 2024年01月31日
- 自社の漫画や雑誌が海賊版のサイトで無断公開されている。速やかに公開をやめさせたい。
- 複数のサイトで著作権侵害を確認したが、どう対応してよいかわからない。誰に相談すればよいのだろう?
- 著作権侵害を弁護士に相談したら、弁護士はどのような対応をするのだろう?
自社の提供しているコンテンツが無断で転用されている場合、その状態を放置すると、自社のブランド価値の低下や集客力の低下等につながるおそれがあります。
著作権侵害を発見したら、侵害している相手へ、速やかに通知や交渉、訴訟等さまざまな手段を駆使して対応しなければいけません。
一方、自社が著作権侵害をしている側ならば、なるべく穏便な問題解決を図りたいものです。
そこで今回は、多くの著作権問題に携わってきた専門弁護士が、著作権侵害となるケース、著作権侵害を弁護士へ相談するメリット等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 著作権侵害に対しては、告訴や損害賠償請求のような法的措置も必要となる場合がある
- 著作権侵害には自社コンテンツの無断使用の他、プログラムのコピーも該当する
- 弁護士に著作権侵害を相談したら、問題解決のため全力を尽くす
著作権の概要を弁護士がわかりやすく解説
こちらでは、著作権とは何か、そして著作権にはどのような種類があるかを説明します。
著作権とは
「著作権」とは、自分(自社)が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されたりしない権利です。
著作物としては小説や音楽、絵画、映画(動画)、写真の他、コンピュータープログラムなども著作物として著作権の対象となる場合があります。
著作権を得る場合、特別な手続きは必要ありません。なぜなら、この権利は著作物を創作したとき自動的に発生するからです。
この仕組みは日本だけに限らず、国際的なルールとなっています。
なお、日本には著作権の所在を文化庁等へ登録する「著作権登録制度」もあります。
これは著作者の実名、最初の公表日、権利の所在を文化庁等に登録し、著作物に関する取引の安全を確保するための制度です。
著作権の種類
著作権の種類は、「著作者人格権」と「著作者財産権」の2種類に分かれます。
(1)著作者人格権
権利者本人が著作物について、世の中に公表するかどうか(公表権)、自身の名前を出すか否か(氏名表示権)、内容を改変するかどうか(同一性保持権)決定できる権利です。
(2)著作者財産権
権利者の経済的利益を確保し、保護するための権利です。
著作物を第三者から無断で複製や譲渡、貸与、二次的著作物として利用させない効果を有します。
著作権に関する刑罪を弁護士が紹介
著作権を侵害した場合、具体的にどのようなペナルティを受けてしまうのか、著作権・出版権・著作隣接権の侵害、著作者人格権・実演家人格権の侵害に分けて説明します。
著作権・出版権・著作隣接権の侵害
著作物を無断でコピー・販売した、インターネットで送信した、というケースが該当します。
著作権や出版権、著作隣接権を有する権利者は、その権利を侵害した者に対して、告訴が可能です(一定の要件に該当すれば、権利者の告訴がなくても公訴可能)。
著作権、出版権または著作隣接権を侵害した者は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金を受け、双方のペナルティを併科される可能性があります(著作権法第119条第1項)。
著作者人格権・実演家人格権の侵害
権利者に無断で著作物を公表した、勝手に内容を改変した、というケースが該当します。
権利者は告訴により、権利を侵害した者へ責任追及が可能です。
著作者人格権・実演家人格権を侵害した者は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金を受け、双方のペナルティを併科される可能性があります(著作権法第119条第2項)。
法人による侵害
個人が著作権を侵害したケースだけではなく、企業のような法人による権利侵害も厳しく罰せられます。
特に法人が次のような著作権法違反を行った場合、3億円以下の罰金に処されるおそれもあります(著作権法第142条第1項)。
- 著作権、出版権、著作隣接権の侵害
- 著作権の侵害とみなされる行為をした
- リーチサイト(違法にアップロードされた著作物へのリンク情報を集約したもの)を公衆へ提示した
- リーチアプリの公衆への提供等
- プログラムの違法複製物を電子計算機で使用した
- 秘密保持命令に違反した
企業が著作権を弁護士に相談すべきトラブル
自社の出版している漫画・雑誌が海賊版のサイトに無断で掲載されている場合や、逆に自社が著作権侵害を行ってしまった場合は、速やかに弁護士へ相談しましょう。
コンテンツ無断使用
自社が権利を持つコンテンツを海賊版のサイトや、動画共有サービス(例:YouTube、Dailymotion、Facebook等)に何者かから無断で投稿されているケースが該当します。
無断使用を放置するのは非常に危険です。
なぜなら、海賊版サイトや動画共有サービスへ人気のコンテンツを投稿した者が、違法な収益を得る反面、自社は甚大な損失を被るリスクがあるからです。
弁護士に相談すれば、無断使用されているコンテンツの削除方法、法的措置についてのアドバイスが得られます。
一方、著作権侵害を理由に他社から告訴されてしまうケースもあるでしょう。
その場合、弁護士は著作権侵害と問題になった行為が、コンテンツの無断使用に当たるのか否かを判断します。
自社に理由があるならば弁護士へその旨を告げ、相手方に反論も可能です。
コンテンツの無断使用を認めるならば、何とか相手方と示談で解決できるよう、弁護士は全力を尽くします。
プログラムのコピー
コンピュータープログラムも著作物として著作権の対象となる可能性があります。
自社のコンピュータープログラムが無断で複製・使用されていた場合、大きな損失の発生が想定されます。
なるべく早く弁護士に相談し、告訴や損害賠償請求訴訟の準備を進めていきましょう。
一方、自社が違法と知りながら、プログラムの複製物を電子計算機で使用していた場合、非常に悪質な行為とされ、3億円以下の罰金に処される可能性があります。
穏便に和解を図りたい場合、弁護士に依頼すれば、弁護士は示談交渉の窓口として、相手方へ交渉に応じるよう粘り強く働きかけを行います。
著作権侵害の対処法を弁護士が解説
著作権が侵害されている企業、または著作権侵害を行ってしまった企業は、なるべく早く弁護士に相談し、対応策を協議しましょう。
こちらでは、弁護士がケースに応じてどのような措置をとるのか、弁護士を選ぶコツについて説明します。
迅速な対応
著作権が侵害された企業・著作権を侵害した企業、いずれも弁護士と相談すれば、ケースに応じた適切な対処方法を進めていきます。
弁護士は企業の状況や希望をよく聴いた上で、次のような点について対応をとります。
(1)著作権が侵害された企業の場合
- 無断で使用されたコンテンツの削除対応
- 刑事告訴
- 民事の対抗措置(差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、名誉回復等措置請求)
(2)著作権を侵害した企業の場合
- 著作権侵害に当たるかどうかの確認
- 示談交渉
- 相手方の法的措置への対応
法律の専門家への相談
著作権侵害の相談やサポートの依頼を希望する場合、弁護士ならば誰でもよいわけではありません。
弁護士にも刑事裁判を得意とする弁護士、相続問題に精通した弁護士、労働問題に強い弁護士と、得意分野はそれぞれあります。
著作権問題に深い知識を有する弁護士へ相談したいなら、まず法律事務所のホームページをチェックしましょう。
- ホームページに具体的な著作権に関する相談件数等が明記されている
- ホームページ内で著作権に関する相談事例、コラムが豊富に掲載されている
以上の内容が確認できるなら、著作権に関する交渉・裁判に実績のある法律事務所といえます。
著作権に対する弁護士の費用
弁護士にサポートを依頼する場合は、弁護士費用がかかります。
弁護士費用は各法律事務所が自由に設定できるので、費用に差が出る点に注意しましょう。
著作権問題に関するサポート費用(目安)は次の通りです。
- 着手金:15万円~40万円程度
- 示談(成功報酬):20万円~
- 不起訴(成功報酬):20万円~
- 訴訟(成功報酬):経済的利益の総額の10%~16%
着手金とは著作権の問題が解決できても、できなくても弁護士に支払う必要がある費用です。
一方、成功報酬とは問題が解決できた(示談成立、勝訴等)場合のみ支払います。
なお、弁護士費用は金額が明記されている場合もあれば、「経済的利益の〇%」という形で報酬割合のみを設定している場合もあります。
著作権でお悩みなら弁護士に今すぐ相談を
今回は多くの著作権問題の解決に尽力してきた専門弁護士が、著作権侵害の対処法等について詳しく解説しました。
著作権侵害が判明したら、自社が大きな損害を被らないうちに、弁護士と相談し対応を協議しましょう。
弁護士の助力を受けながら、迅速に著作権侵害の解決を進めてみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。